深夜特急2 ー マレー半島・シンガポール〈文字拡大増補新版〉 (新潮文庫)
- 新潮社 (2020年6月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101235295
作品紹介・あらすじ
香港・マカオに別れを告げてバンコクへと飛んだものの、どこをどう歩いても、バンコクの街も人々も、なぜか自分の中に響いてこない。〈私〉は香港で感じたあの熱気を期待しながら、鉄道でマレー半島を南下し、一路シンガポールへと向かった。途中、ペナンで娼婦の館に滞在し、女たちの屈託のない陽気さに巻き込まれたり、シンガポールの街をぶらつくうちに〈私〉はやっと気がつくのだった──。
感想・レビュー・書評
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1巻を読み終えてから70日以上空けて2巻読了。
マカオからシンガポールまで。
本巻の旅程中、行ったことがあるのはタイだけなので、当時(1974年頃)と今を自らの体感として比べることは出来ないが、圧倒的な熱量と喧騒は1巻から変わらず。
筆者は、香港と同じレベルを期待すると裏切られるが、そもそもそれぞれ固有の都市に対して香港的なものを期待すること自体が間違っている、との悟りに至る。
格安売春宿における娼婦とそのヒモとの交流は読んでいる分には楽しい。自分が著者の立場だったら同じように楽しめるかはよく分からない。
1巻では、著者のことをなんとなく、学生パックパッカーと思い込んでいたが、実際は、26歳のフリーランサー。50年前にこんなぶっ飛んだお兄さんがいた、というのは嬉しい。
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本作、私はどハマりしました。読んでいく内に旅に出たくなってしまうほどでした。異国情緒満載で沢木耕太郎さんだからこその文章だと思います。それで...本作、私はどハマりしました。読んでいく内に旅に出たくなってしまうほどでした。異国情緒満載で沢木耕太郎さんだからこその文章だと思います。それでは、よい旅を!(^o^)2023/06/23
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ちゃたさん、こんばんは(^O^)
はい、私も一作目より二作目、と引き込まれています
今偶然見つけました
沢木耕太郎さんの『深夜特急』が今ふ...ちゃたさん、こんばんは(^O^)
はい、私も一作目より二作目、と引き込まれています
今偶然見つけました
沢木耕太郎さんの『深夜特急』が今ふたたび脚光を浴びている
俳優の斎藤工さんが全文を朗読するというラジオ番組『深夜特急 オン・ザ・ロード』(TBSラジオで放送中)
4月から半年かけて放送するそうです
知りませんでした〜
聞いてみようかなあ。。。2023/06/23
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デリーからロンドンまでのバス一人旅 第2巻
香港を堪能しすぎていたようでしたが、ついに次の街に出立。タイ・バンコク マレーシア・ペナン シンガポールとマレー半島を南下。
安宿を探し、安価な地元食を見つけ、価格交渉も上達。親切な地元民ともたびたび出会う事ができるが、どこの街もしっくりこない。足早な旅となる。シンガポールをたつ前に 違う街に香港を求めていた事に気がつく。旅の本質に覚醒。これからの旅はますます読み応えありでしょう。
沢木さんと同世代の従兄弟が 同時代のバックパッカーだったようです。タイにはだいぶ長くいた様子。タイでの従兄弟の写真はオレンジの袈裟を着て何処かの寺院に寄生していた。衣食住一括確保。もはや旅ではないんじゃないのか?
記憶もおぼろげだけど幼児期 各国のアルバムをこっそり見るのは 贅沢な娯楽だった。
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皆さんおはようございます。
朝型のおびです。
おきたら、良い感じにコメント欄がまとまっていました。
どうぞ宜しくお願いします。^_^皆さんおはようございます。
朝型のおびです。
おきたら、良い感じにコメント欄がまとまっていました。
どうぞ宜しくお願いします。^_^2022/04/30 -
朝型おび、ほんとに早起きだねぇ(^^)
コメント欄いつも、わいわいしちゃってごめんちゃい。楽しい時間をありがとう(^^)
皆さん、どうぞよ...朝型おび、ほんとに早起きだねぇ(^^)
コメント欄いつも、わいわいしちゃってごめんちゃい。楽しい時間をありがとう(^^)
皆さん、どうぞよろしくお願いしまっす♪
奇跡的に早起きできたので、散歩行ってきまーす。2022/04/30 -
散歩は優雅だわー。
コミック全巻幾つか開示しますよう。
レビューはあんまりしてないけど。
良いお天気のお休みですね。
お楽しみください。散歩は優雅だわー。
コミック全巻幾つか開示しますよう。
レビューはあんまりしてないけど。
良いお天気のお休みですね。
お楽しみください。2022/04/30
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沢木耕太郎『深夜特急2 マレー半島・シンガポール』新潮文庫。
第2巻。旅は香港からタイへ。巻末に高倉健と沢木耕太郎の対談『死に場所を見つける』と『あの旅をめぐるエッセイI I』を収録。
インドのデリーからロンドンまで乗り合いバスで移動することを主題に旅を続ける著者。途中、立ち寄ったマカオのカジノでギャンブルにのめり込んだものの、どうにか旅の資金を減らさずに済み、タイのバンコクへ。
確かにアジアの国々では騙されないための慎重さが大切なのだが、現地の人びとの好意を何か裏があると疑心暗鬼になる著者。それでいて、かなり厚かましく強引に現地の人びとからの施しを受ける著者。
日本とは全く比べ物にならない程のアジアの喧騒と爆発的なエネルギー。中国にしろタイにしろ、人口の多さだけでは片付けられない歴史と文化の違いが大きなうねりになっているように思う。空港に降り立った瞬間に感じる空気の違いと独特の匂い。アジア独特の面白さと楽しさ。油断すれば、一瞬にして自分を見失ってしまう。
本体価格550円
★★★★★ -
倫敦(ロンドン)を目指すはずが、何故香港から南下?
(航空券の都合も少しあるけれど)そもそも目的のない旅に南下する正当な理由なんてない。全ては気分次第、目的地はその場その場で決めるってやつ。でも道中値段交渉とか図太くならなきゃいけない事もしばしばだから、気楽なようで案外落ち着かない旅なのかも。
マレー半島の前にちょこっとタイに立ち寄られているけど、そこから旅の進み方が穏やかになっている。熱気が凄まじい香港やカジノ以外の活力が見られないマカオとはまた場所柄も違うから、筆者は確かに移動しているんだと実感する。(当たり前の事だけど)
それから同じアジアだからか料理も美味しそうで、何故か香港の時よりも気になるものが多かった。ペナンのミーヤワ(ケチャップ焼きそば)とか。
ここでは他に、旅を始めた真の理由が語られる。
学生旅行の延長みたいなノリだけど、自分からしてみればいきなり社会人になるよりも、より有効な自分との向き合い方のように映る。
「私自身は何者でもないが、何者にでもなれる」
そしてある日突然ライターからトラベラーになった。
最後の高倉健さん(!)との対談は貴重な上に、文章化された対談が苦手な自分でもスイスイ追うことができた。
共感できる話題が多く、特に筆者の「どこか別のところに自分がすべき仕事があるのでは?」は時代を経ても変わらない普遍的な問いとして響いた。「何者にでもなれるはずなのに…」って嘆息が今にも聞こえてきそう。
(あと健さんの物腰柔らかで男気ある話し方がとても落ち着く^^)
お次はインド&ネパール!
気楽で落ち着かない旅、いよいよ盛り上がってきたー! -
安定の面白さd
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著者は現地の人の暮らしに溶け込み観光地が見せる表の姿ではなく国民がどんな生活を送り社会と関わっているのかという本当の国の姿を垣間見ようとしている点に毎度尊敬する。
その土地の人が勧めてくれた宿や店を辿れば普通の観光では出会う事が出来なかったであろう沢山の人との出会いがありそこに彼らの暮らしがある。
宿には必ずといっていいほど怪しげな人が来る。しかし彼らは必死に今を生きようとしている。職業を選ぶ事が出来たなら今の様な仕事はしていなかったのかもしれない。これもまた暮らしの事実なのだろうと考えさせられた。 -
著者の好奇心、人との出会い、未知の土地での生活 旅に出るきっかけを知ることができる。
先の事を考えすぎ不安が先走り日々モヤモヤしている私の心に若かりし頃の自由気ままな思い出が甦る。たくましく生きる子供達の事を思うと甘ちゃんな自分が恥ずかしくなる
香港の幻影ばかり追い求めていたことに気づいた著者 次の旅にどう影響が出るのか出ないのか…
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深夜特急の文庫版第2集は、タイ・マレーシア・シンガポールを巡るインドシナ半島の旅である。しかし、インドシナ半島の旅は、第1集での、香港・マカオでの熱狂ぶりと比べると、淡々としている。
私自身は、タイ・バンコクに5年弱暮らしていたこともあり、個人的には、よく知っている地名も出てきて、懐かしい部分もあった。一方で、沢木耕太郎が深夜特急の旅に出かけたのは、1974年のことであり、今から50年弱以前の話であり、私が知っているバンコクとは少し違う部分もあった。
その中でも、為替が大きく異なることに興味をひかれた。
沢木耕太郎は、香港からバンコクの空港に到着し(今のスワンナプームではなく、ドンムアン空港に)、バスに乗ろうとする。バスの代金は1バーツであり、「1バーツは約15円にすぎず」という表現がある。現在、1バーツは、4円弱。また、ホテル代を確認する場面があるが、ホテル代は1泊120バーツ、米ドルにすれば6.5ドルという表現がある。ということは、1ドルは18バーツ強。1バーツが当時のレートの15円であれば、1ドルは約270円。現在の約4円とすれば、1ドルは72円という計算になる。50年の間に貨幣の価値の関係は随分と変わるものなのだな、とあらためて感じた。
沢木幸太郎にとって旅が低調であったのが反映しており、第2集は、第1集ほどは面白くない。 -
序盤に出てきたホテルのボーイとのやりとりが印象的だった。「金がない」なんて言いながら自分で選んで安宿に泊まって好きなことをして好きなように暮らしている。親切を受けながらも現地の人々をどこか見下している。1冊目を読んだときに少しモヤモヤしたそんな部分に焦点が当たっていた。あとヒモの日本企業批判も印象的だった。
文章は淡々としているけれど人々との関係を見ていると愛想が良くコミュニケーション能力が高いんだろうなと思う。
次の作品も楽しみ。