働きざかりの心理学 (新潮文庫)

  • 403人登録
  • 3.57評価
    • (23)
    • (44)
    • (70)
    • (4)
    • (2)
  • 40レビュー
著者 : 河合隼雄
  • 新潮社 (1995年4月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101252223

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
遠藤 周作
三島 由紀夫
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印

働きざかりの心理学 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 1998.6.29~ 7.7 読了

  • たまたま古本屋で手に取った本だが、やはり河合隼雄さんは外れが少ない。
    親子関係において、独立と依存は反対語ではない。適度な依存を得てこそ、子はある日すっくと立ち上がり歩きだすことができるという話。
    「天使のまねをしようとするものは、悪魔のまねをするに至る」子供に良い子であれと求めすぎると、内側で悪魔的あるいは陰的な因子が育っていくことは避けられないという話。
    いまの若者は、場の倫理を前提として個の倫理を加えたものに従っているという話。
    読み終わって2日経ち、断片的にしか思い出せないが、これらは全て家族のある中年の、つまりは働きざかりの、おじさんの直面する問題として繋がる。
    会社で奮闘する一方で、家族のセンシティブな問題にも向き合わないといけない。
    そんなおじさん達の切迫感が伝わってきた。
    河合さんのいうように、今まさに「中年学」なるものが必要かもしれない。

  • 30~40代の家庭を持った社会人へのカウンセリング事例を引用しながら、職場や家庭で直面する危機を心身両面から探り、解決の道筋をコメントしたエッセイ。
    河合著「家族関係を考える」と同様に家族のなかで生じる対立や葛藤を分析する視点は同じで、題材となるケースが「働き盛りの会社員」とその家族という設定。
    子供に対する親の接し方、育て方といった身近な話題が多いので、「働きざかりの」部分はあまり気になりませんでした(本を手に取るときには目を引かれたけど)。

  • 近代の働き盛りといわれている中年男性の周辺の心情や問題に関して描かれている。
    結構前の本なのに、子供との問題、家族との問題、社会との問題、同僚との問題など、やっぱりいつの時代も
    課題はあんまり変わらない。

    ただ、心に留めておきたい箇所は「教育」で。
    こんなに豊かになった社会で、子どもは親から与えられすぎてしまって。
    自分で一生懸命、欲しいものを選んで買う楽しさや迷いや葛藤。
    友達や先生との喧嘩の中で学ぶ人間関係や倫理感。
    人格を形成する上での貴重な経験を奪ってはないだろうか?という問い。

    大人になれば、欲しいものを自分で買える。誰かを攻撃したりするのは良くないし、思いやる気持ちが大切なのはわかる。
    でも、失敗をさせてあげない、苦痛を味あわせないことは
    実はとっても不幸なこと。
    与えてあげられるけど、あえて与えない、という選択は「愛する」ことなんだよ。
    という内容にハッとした。

    人との関わりの中で、苦しんで悩む期間を経験しなければ、
    人は何かに気づくことも成長もできない。
    障害も無くスムーズに成長することはないんだと、
    カウンセリングの目線から語られていて、読みやすかった

  • 第5章 働きざかりの社会学の後半 いかに老いるか 中年期から死を意識して生きる。P205〜 死を受け入れる。
    考え方 味方 切り口

  • 事例としては、今となっては古いものではあるが、時代は変わっても問題の根は共通するものなのかもしれない。
    ただ結局は、ひとつひとつの事例ごとに解決策を見出さなければならず、それも当事者全員が気付かなければいけないことでもあり、簡単ではない。

  • 本書は30~40代の働きざかりが、いかにして会社や家庭、そしてそこから起こる問題に向き合っていくべきかを指南した本である。「つきあいの功罪」「会議と疲れ」「妥協と協調」「男女の迷走」「いじめの病根」そして「中年の危機」。誰もが避けては通れない大切な課題を考える。

    第1章 働きざかりの心理学
    第2章 働きざかりの親子学
    第3章 働きざかりの夫婦学
    第4章 働きざかりの若者学
    第5章 働きざかりの社会学

  • 人間の人生は上昇と下降を同時におこなっているものなのである。生きていることは常に死という裏づけをもっている。若さにものを言わせて、どんどん上昇しているように思っているときでも、それは実のところ死に近づいているのであり、老人になってひたすら体力は衰えてゆく一方であっても、たましいの方は上昇を続けていることもある。 ハッとさせられました。人間って深いなぁ!

  • 初出昭和56年。約35年前の「現代」の病理を云々。お話としてはわからなくもないが,これが一般的な人々の「心理学」の代表的イメージなのかと思うとちょっとつらい。あとまあ対象がなんったって働き盛り,30〜40代の話だけにいろいろ刺さってつらい(苦笑)。

  • PHP文庫版で購入。

  • たまたま図書館のリサイクル市で見つけて、もらってきて読みました。きっちり帯がついているのだけれど、「通勤快読 ビジネス文庫」なんて書いてあります。今ではちょっと通らないキャッチコピーかも知れません。新潮文庫としての発行は1995年ですが、もともとPHPから単行本として刊行されたのは1981年なので、70年代の家庭の様子、会社の様子などをもとに書かれています。具体的なケースをもとに書かれているところは分かりやすく、今でも十分通用するような話です。ただし、家電製品の進化によって主婦の自由な時間が圧倒的に増えた、そのため子どもに向かう時間が長くなりすぎた、云々というくだりについては、パートナーに話すと、今はそんなことないよね、と言われました。働く女性も多くなったし、他にすることも多くなったのは確かなようです。単身赴任で気楽になった父親、いやな酒を飲んで帰ってきて、子どもに、お父さんは気楽でいいよね、と言われて憤る父親。そういうのは今でもどこでもあるのでしょう。子どもが不登校や家庭内暴力などで、なぜうちの子が、と日々苦しんでいる親たちの数は増えているのかもしれません。高度経済成長の70年代とは状況が大きく違いますが、人間の心はそれほど大きく変化しないのでしょう。

  • 仕事場、家庭における様々なトラブル、負の感情に対する考え方を優しく示してくれる本。人生の相談本として、一章手元においておきたいと思った。

  • 本から

    男性の無意識に存在する女性像の原型の存在をアニムス(アニマの
    男性形)と呼んだ。

    アニマ
    「内なる異性」を外界へと投影し、現実の異性に対して恋愛感情を抱く。
    アニマは男性の心の中の女性的な側面と結びついている。われわれが
    真に「結合」をはからねばならぬのは、内なる異性との結合なのである。

    アニムス
    女性のアニムスが強くなると、それは母性を敵対視する。すべての
    ものを同様に包み込んでしまう母性の働きは、アニムスの全てを
    区別し判断する働きと、中々両立し難いのである。
    アニムスは高い知識や、決断力、実行力などを与えてくれるものである。
    アニムスは、もともと根付いた存在としての女性を、高みへと連れ出し、
    その存在に形を与えてくれる役割を果たすものである。

    アニマ、アニムスの存在によって、実のところ、二人の男女関係は
    四人の関係にまで複雑化されるので、男女関係というものは、
    思いの他に難しく、不可解なものとなるのである。

    自ら投影したアニマ、アニムス像を、自らのこととして引き受けることの
    出来る人は、そこに人格の成長を経験することになる。これを「投影の
    ひきもどし」と呼ぶ。

    人間は一方で安定を欲しつつ、一方では変化を求めている。

    苦悩や努力なしに人間が成長することはない。

    女性の方が自分が「存在する」。男性は何かを「する」。

    「死の受け入れ」こそが、われわれの老年をより生き生きとしたものと
    するのではないだろうか。

  • 働きざかりの日本人の心理学。

    西洋の個の倫理と違い、日本には場の倫理かある。場の空気を察して、場の平衡状態を保とうとする日本人。

    会議が長い理由は、場にいる全員が納得するまでやったことで、全員が努力したことの証明にするため。その場にいることが求められるから、つきあいが大変である。

  • 「人間は必ず死ぬのであってみれば、人間はすべて進行の遅い癌になっているようなものである。」という言葉が衝撃だった。読む人によっても、そのタイミングによっても、背負ってきたものによっても、それぞれ違う色を見せる本。また読もう、もっと大人になったら。

  • 場の倫理,個の倫理
    アニマとアニムス像
    天の父,土の父

  • 事象にはいろんな捉え方があるんだなぁ。としみじみとおもわされる。よく見えることも何かの警告であったり、すごく悪く見えることも何か良いことの兆しであったりするみたい。ものの見方の引き出し、ちょっと目線を変えて見るやり方みたいなのを提案してくれる本。

  • ちょっと表現や研究成果が古いのでは?と気になる部分やもっと突っ込んで欲しい、という高望みが出てしまう部分もあるが、視点としては現在も興味深い箇所が多数ある。

    私は今、39歳。まさに働きざかりなので、自分事として読み通すことが出来た。

  • 昔も今も、働く上での心理的な問題は同じだったということを知りました。
    仕事中や家庭で出てくる問題に対してどう向き合うかがなんとなくわかりました。

  • 村上春樹氏との対談本を読んだことから興味を持つ。
    仕事、夫婦、子どもなど、大人が社会と関わる中での悩みに、著者がカウンセリングを行った例を手引きにこたえていくという内容。親が休日に家族サービスできるよう努めるのに対し、子どもは無理してる親の行為を心から楽しめず逆に反感を持ってしまった例など。なるほどなーなと思う本でした。

  • 人間は働いて死ぬだけ。

  • もしかしたら、時代に合わないかもしれないけど

  • 嫁さんにすすめられて読んだ。日本人の場の感覚の話など、15年以上前の本とは思えず古臭くない。

  • 中年になるの憂鬱だ

  • 人間、バランス感覚が重要だというのがよくわかる。
    中年になると、組織的な軋轢や家庭の環境など、様々な要因で変調をきたす時期があり、どう対処すればよいのか・・・いろんな人の人生が参考になる。

全40件中 1 - 25件を表示

働きざかりの心理学 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

働きざかりの心理学 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

働きざかりの心理学 (新潮文庫)のKindle版

ツイートする