- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101252223
感想・レビュー・書評
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劣等感や自己嫌悪の価値
虫の好かぬ相手は、自分が気づいていない影の部分を拡大して映してくれる鏡のようなものである。
自分を殺すとしても、それはどのような形で生まれ変わるのか。妥協と協調。
死にたい人へ。生き方を変えるべきだ。ここで死んで生まれ変わることが必要だ
精神面も一病息災
期待してた中年クライシスの記載は少なかったが、精神科医にとって自分にとって実臨床に活きる言葉が多かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
近代の働き盛りといわれている中年男性の周辺の心情や問題に関して描かれている。
結構前の本なのに、子供との問題、家族との問題、社会との問題、同僚との問題など、やっぱりいつの時代も
課題はあんまり変わらない。
ただ、心に留めておきたい箇所は「教育」で。
こんなに豊かになった社会で、子どもは親から与えられすぎてしまって。
自分で一生懸命、欲しいものを選んで買う楽しさや迷いや葛藤。
友達や先生との喧嘩の中で学ぶ人間関係や倫理感。
人格を形成する上での貴重な経験を奪ってはないだろうか?という問い。
大人になれば、欲しいものを自分で買える。誰かを攻撃したりするのは良くないし、思いやる気持ちが大切なのはわかる。
でも、失敗をさせてあげない、苦痛を味あわせないことは
実はとっても不幸なこと。
与えてあげられるけど、あえて与えない、という選択は「愛する」ことなんだよ。
という内容にハッとした。
人との関わりの中で、苦しんで悩む期間を経験しなければ、
人は何かに気づくことも成長もできない。
障害も無くスムーズに成長することはないんだと、
カウンセリングの目線から語られていて、読みやすかった -
河合さんの「こころの処方箋」が好きなので、別の本もと思い読んでみることに。
時代背景のせいか、一部共感できないような個所もありましたが、概ね楽しめた。 -
事例としては、今となっては古いものではあるが、時代は変わっても問題の根は共通するものなのかもしれない。
ただ結局は、ひとつひとつの事例ごとに解決策を見出さなければならず、それも当事者全員が気付かなければいけないことでもあり、簡単ではない。 -
今から思い返すと日本にまだ勢いがあり経済力があった時代に書かれた本なので、違和感がある箇所もある。だが、それにもまして、時代が変わっても悩みは変わらないと思わせる普遍的なテーマばかりだった。もはや古典の域。とても読みやすいので、すらすら読んでしまったけれど、内容は深い。考察の種が至る所にある。中年をどう生きるか、場の論理、など、が特に心に沈澱し、ふとした時に水面に浮かび上がって、つらつらと考えている
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最初の方はなんか新聞のコラムかなんかだったのかなと思うような毒にも薬にもならない取り止めのない話が多かったような気がするが、中盤から専門性が増してきて、渦の中に引っ張り込まれるような力を感じる。
ちょっと疲れたけど面白かった。後半はそんなに中高年がどうこうというのは関係ないかも。
「人は苦難から逃れることが出来ると思っている」というような事を話していて、確かに苦難から逃れる上手い方法があるのだと思っていた。その話を煮詰めると「人間は死を以て完成する」という話になるのかもしれない。 -
若干長い。
中盤までは中年まで働いて家庭を築いていればかならず経験するような挫折、問題との直面はあって、不幸ではなく誰もが経験するものであること、またそのあたりの事例を上げてそれらの人がどう解決してきたのかが書いてある。まぁまぁ面白い。
後半急に心理学の教科書的考察が入り、子どものいじめや取り巻く環境を憎々しく思う文がならんだあとの締めが、ギャップもあってかとてもよかった。
締めのサマリ。
死ぬ前にちゃんと自分、家族と向き合うこと。
家庭のこじれは、相互の理解不足が露呈したもの。
人生の前半は上昇が中心。社会的地位や家庭を築く。後半はいかにして死を迎えるかについて思いを致すことが大事。(ユングの生涯からきてるっぽい)
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