- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101273129
作品紹介・あらすじ
夢と現実には桁違いのギャップがある。そのうえ学校も会社も〈数字の奴隷〉ばかりだ。そんな世界からキミが〈独立〉したいなら、やりかたを教えよう。不世出のバンドマン・忌野清志郎が30年のプロ生活を経て、どうしても書き残しておきたかった言葉がここにある。「成功」ではなく「独立」。真の自由を手に入れるための、たったひとつの方法を、胸の奥で熱い炎を燃やす全ての人々に贈る。
感想・レビュー・書評
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先日、ブクログでいただいたコメントがきっかけで、最近清志郎さんの作品に多く触れていて、本作もその流れで読んだ一冊。
少しずつ読み進めていたが、今日病院の待合室で読み終えた。
自分の両腕だけで食べていこうって人が、そう簡単に反省しちゃいけない
オビのこの一言でまず心をわしづかみにされてしまう。
解説で津村記久子さんも述べているが、本書は現実的で誠実な仕事の本だ。
そして表紙の、少しさびしげ(自分にはそう見える)に微笑む清志郎さんの笑顔。
本当に優しい方だったのだと思う。
なにしろ、ロックで「成功」するのではなく「独立」する方法について書いているのが彼らしい。
ロックで売れることではなく、ロックで生きていくということを彼は伝えたいのだと感じた。
「アーティスト」でも「ミュージシャン」でもなく「バンドマン」であることにこだわり続けた清志郎さん。
独立するということと、バンドのメンバーであること、一見矛盾するかもしれないが、彼はハマっているという自転車のツーリングに例え、こう述べている。
あの頃も「もうメジャーになったんだから、これ以上頑張んなくていいや」って独りなら思ったかもしれない。(中略)あれは独りじゃ絶対できない。(中略)独りでやることと「独立」は違う。互いに「独立」してる仲間がいること──それが最高なのさ。
清志郎さんの『ラクに行こうぜ』という曲がある。
確か、以前何かのCMでも使われていたと思う。
幸せになりたいけど 頑張りたくない
というサビが、良識派?には怒られてしまいそうだが、笑えるし、そう歌えてしまうのが彼らしくてかっこいい。
自分は今、生き方であるとか、そういったこと諸々で非常に閉塞感を抱いているが、そういうときに清志郎さんの歌を口ずさんでみたくなる。
悩みがたちどころに解決するであるとかそういうことではないが、悲しいとき、寂しいときに寄り添ってくれる歌をいくつも歌ってきた、そんな人であると思う。 -
前から気になっていた忌野清志郎の「ロックで独立する方法」。
なんでこれまで読んでなかったんだろう?とも思いつつ、4月に独立してから読んだのは正解だったかもしれない。
そして、文庫本になってから読んだのも正解だったかもしれない。
たぶん、僕は仕事で悩んだりする時にはこの本を読み返したりするんだろう。もちろん、清志郎の歌を聴きながら。
読んでよかった、清志郎を好きになれていてよかった。 -
某ミュージシャンがSNSで、音楽業界のことを「才能なんかあって当たり前、努力もして当たり前、運がなければサヨウナラ、いいファンがつかなかったらハイ終了」っていう世界だと書いていたり、
他の売れてるバンドなどもインタビューやラジオで「メジャーデビューの話を色んなところから持ちかけられ、食い物にされないように必死だった、大人が信じられなくなってた」と口にしたりと、音楽業界は油断のならない魑魅魍魎の世界だというイメージがあります。
そしておおよそそのとおりみたいです。
様々な阻害要因を凌ぐほどの才能とタフさが必要だし、それを兼ね備えてたとしても生き残れる保証はどこにもない。
よくYouTubeのMVにファンが「誰々が売れないなら日本の音楽シーンは終わってる」とかコメントしてるけど、そういうのを見るたびに上記なようなことを考えてしまいます。
運良く売れても、ソングライターが音楽への情熱を失ってなくても、バンドメンバーの気持ちが離れてしまったから解散とか、仕方ないんだけど切ない。
ファンが好きなバンドの新曲を受け取れるのは、本当は万に一つのラッキーな偶然の結果なのかもしれない。
因みにハウツー本ではありません。当たり前だけど。 -
先月のどっかで本屋で見かけて、面白そうだから今度買おう、くらいの気持ちで心に留めておいた本。そして一昨日購入したのが、偶然にも忌野清志郎の命日だったというだけで小さな運命を感じてしまう安い俺。
音楽は好きだけどRCサクセションは世代的に両親の頃で、曲名をいくつか知っている程度の知識しかない。ので本人に惹かれたというよりは、バンドマンという立派な個人事業主として、恐らくはどこまでも自分というものを貫いて生き抜いた人の思いが詰まった一冊に違いない、という思いから手に取ってみた。読み終えてみれば期待通りで、「独立」して生きていきたい人にとっては少なからず何かしらの形で背中を押される、情熱を震わせられる本だった。「商業でやっていくこと」と「自分の好きを貫くこと」の間で揺れ、苦悩すること自体を楽しめるようになったら、それってもう無敵だよな、と。
ファンでも何でもない自分ですら読み終えた際に勝手に親しみを覚えちゃってるんだから、当時から好きだった人にはたまらない一冊なんじゃなかろうか。自分はきっとこの後、当時の動画だったりwikipediaだったりを漁って、忌野清志郎という人がどんなバンドマンだったのかをあれこれ調べて、触れるんだと思う。
少し前までの自分だったらきっと星5をつけていた。それが4に留まったのは、こういう立派な人の言葉を受けて「なるほど!」の連続じゃなく「やっぱそうだよな!」と思う割合が増えてきたと感じるから。夢を掴んだ人達の根っこってどれも共通しているものが多くて、それに励まされはすれど新しい発見が少なくなったのは、それなりに本を読むようになった故の成長……だと思いてえな。
あ、最後に驚いたのが、巻末の解説に出てきたのが津村記久子さんで。ついこないだ「この世にたやすい仕事はない」を読み終えたばかりだったので、世界狭くない?的な偶然。 -
忌野清志郎さんが、音楽で身を立てていくことについての現実、業界の厳しい裏話、そしてロックについての熱い思いを語った1冊。もともとは対談形式で収録されたものを、読者に語り掛ける形に再編されていて、それがストレートな語り口になっていて響きます。
それにしても、音楽、特にロックにこだわってご飯を食べていくということは、実力もさりながら、強い運とハートがなければ無理だなと。清志郎さんなんて、常に周りを振り回して生きていたものね。もっともっと長生きしてもらいたかったな。。 -
ぼんやりとした精神論ではなく、音楽でご飯を食べるにはどうすれば良いか、スランプに陥った時どうするかなど具体的な方法が著者のエピソードと共に沢山書かれていて、まず独立を果たすためにはしっかり考えた強い意志が必要なんだと思った。
ロックという意味を調べたら、音楽的な意味の他にも「強く堅い意思」、「思いを貫く」などの意味があった。
ファンに寄り添わず、自分の歌いたい歌を歌う、自分の音楽を貫いた忌野清志郎はまさにロックを地で行く人だったんだなと。
かっこいい。
ロックで爺さんになる方法もロックで天寿を全うする方法ももう読めないのは切ないけど、忌野清志郎の情熱が全て詰め込まれている曲たちが今もあって良かったなと思う。
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忌野清志郎に興味のない人には必要のない本でしょうが、少しでも興味のある人にはとても重い本ではないでしょうか。
ブレない言葉が爽快でした。
清志郎がいないこの世の中、寂しいです。 -
なんか、夢とかそんなんじゃないのがいい。
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後書きで津村記久子さんがこれは仕事本だと書いている、その通り。
矢沢永吉の本を読んだ時も思ったけど、ロックで生きていくことを真剣に考えてたんだなぁ。
独立するってことは自分で自分のことを決めるっていう、終わりなき闘争なんだ。
こんにちは。
1月から、その月の最後に読んだ本に、その月のベスト3を載せています。
きょうから始めています。
やま
こんにちは。
1月から、その月の最後に読んだ本に、その月のベスト3を載せています。
きょうから始めています。
やま
こんにちは。
1月最後に読んだ本は、「新・浪人若さま 新見左近【四】-桜田の悪 (双葉文庫) 」です。
見つけ方は、私のページの...
こんにちは。
1月最後に読んだ本は、「新・浪人若さま 新見左近【四】-桜田の悪 (双葉文庫) 」です。
見つけ方は、私のページの「読書グラフ」の2020.01をクリックして、1月、本、27(冊)をクリックして、一番最後までもって行くと最後に読んだ本の所に行き当たります。
やま
メッセージありがとうございます!
お返事遅れて申し訳ありません。
拝見しますね。
メッセージありがとうございます!
お返事遅れて申し訳ありません。
拝見しますね。