- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101291222
感想・レビュー・書評
-
「僕はそれまでずっと、自分はこういう方向性で生きていくんだ、と思い定めるようなことはなるべく避けてきました。できるだけ可能性を残しておくほうがいいと思ってもいた。」
この文章が私が今まで抱えていた気持ちを言語化してくれたように思う。そして将来的に選ぶ可能性があっても"今は"選ばないという選択をする自分を頭ごなしに否定していたこと、うまく言葉にできない気持ちをないものとして考えていたことに気がついた。選ぶ、選ばないの善し悪しではなくてどちらの思いも持っているという自分と出会えたことは大きな収穫。まだまだ未熟な私にはたくさんのヒントが隠されている本だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
坂本龍一の生涯を知るにはこの本が一番かと思う。
音楽でしか坂本龍一を知らなかったからこの本で本当の坂本龍一が知れた気がした。あらゆるジャンルの音楽を生み出していてその時代の背景も見えて面白かった。とくにラストエンペラーは驚きだった。 -
2009年出版の坂本龍一さんの自伝。小さい頃から音楽に親しみ、バッハ、ドビュッシーから現代音楽を愛する。本人は勉強しなかったと言っているが、芸大の修士は伊達じゃない。山下達郎、細野晴臣との出会いのエピソードが興味深い。ポップスをやっていて音楽は独学だった彼らが、音楽を専門的に学んできた自分と同じように、音楽の核心に触れていることを知って衝撃を受けたそう。
リベラルな環境で育ったからか、学生運動や社会運動にも積極的だった。YMOについても、どこか冷めた目で関わっていたというのは知らなかった。彼の社会や物事に対する距離感とか立ち位置がわかって興味深い。
本書を書かれたのは57歳のとき。それから14年。やはりまだ早すぎる。 -
2009年に刊行されたインビューによる自伝。
この自伝によると、坂本龍一自身は自身の才能の活かし方に最初から方向性を見つけていたわけではなく、時流の中で、ある意味流されるまま自身の音楽を見出していった、と感じる。才能ある人物であるから、そのような生き方ができたのかもしれない。
同時代の才能ある人々との出会い、様々な人々と影響し合いながら、音楽はもちろんのこと、音楽以外にも関心を広め、人生を歩んできたのだろう。
今年、2023年、逝ってしまった。もう少し彼の活躍をみてみたかった。 -
著者の音楽的な背景が知れてとても興味深かった。
-
坂本龍一さんの生い立ち、歴史、考え方がわかる。
-
坂本龍一の2008年位までの自伝
淡々と振り返っていてサラッと読める。
-
坂本龍一がどんなことを思って、どんな人生だったかのエッセイ。
すごくロジカルに音楽を考えていた人だと思った。
とても素敵な人生で、読んでいて楽しかった。