櫂 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101293080

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  • 夫がはじめた商売は、女を金で売り買いする女衒。
    現代のように経済的自立が難しい時代ゆえに、
    同じ女を売った その金で生活をするしかない、
    主人公 喜和。
    それだけだって十分やるせないのに、長男は結核、二男は放蕩者、
    夫 岩伍は、堂々と外に女を囲っている。

    これは作者の自伝的な小説だそうだ。
    ただし作者は、主人公「喜和」ではない。
    「春燈」「朱夏」「仁淀川」と読み進めずには
    いられなくなる。

    太宰治賞受賞作品

  • だいぶ前に読みましたが…
    これをきっかけに「櫂」シリーズ、はまりました☆
    宮尾さんの描写のリズムが好きです。

    この本を読んで、生きてるうちにもぎたてのヤマモモが食べたい、と思いました。

  • いつの時代も犠牲になるのは女子と子供だ!
    この作品の結末は暗い。
    この後は主人公喜和と血のつながりは無いが母娘として生活を共にしてきた
    綾子の未来に望みを託したい。幸せになってほしい。

  • 正直、年端のいかない娘が売りに出されて、その芸妓紹介業が舞台っていうのは
    女の私にとってすごく腹が立つし、そこを経営していた岩伍の妻喜和だって、そのことに反論したら
    岩伍に暴力を振るわれる・・。こんな理不尽な話は嫌い。
    しかも喜和の二人の息子は、長男は結核で死亡、次男は放蕩児。愛人の娘の綾子を育てさせられる。。
    この話に出てくる綾子が唯一、言いたいことをずばずば言うから気持ちよかった。

    宮尾作品は好きな作品が多いのですが、この芸妓紹介業がらみの関連作品は意識的に避けています。

  • 高校時代の読書週間で、適当に選び読み始めたこの本で
    小説にはまるきっかけになりました

    女の行き方に、絶対的な不幸感をただよわせながら
    それでいて、絶望感を匂わせない

    読書好きなら是非読むべきお勧めの作品です。

  • 高知の下町に生れ育った喜和は、十五の歳に渡世人・岩伍に嫁いだ。芸妓紹介業を営み始めた夫は、商売にうちこみ家を顧みない。胸を病む長男と放縦な次男を抱え必死に生きる喜和。やがて岩伍が娘義太夫に生ませた綾子に深い愛をそそぐが…。大正から昭和戦前の高知を舞台に、強さと弱さを併せもつ女の哀切な半生を描き切る。作者自らの生家をモデルに、太宰治賞を受賞した名作。

  • 女衒業者に嫁いだ主人公が、苦労しながら高知で暮らす。
    いろいろな人と接して、頑固さがだんだん表立ってくる。

  • もう、表現される言葉や文化が古くてついていけない。作家の自伝的小説とのこと、相当優秀で美しい子であった様子、うらやましくて不快。

  • 傑作。描寫細膩,鋪陳綿密,淡雅有品格,讓人實在無法放下這本書,閱讀過程著迷無比,這就是閱讀懈逅給人的欣喜。

  • かなり話は重い。
    作者の自伝であり、ひどい日々を乗り越えて生きてきたらこんな本を出版できるような作家になれたのだと思い込めば多少は重い気持ちが和らぐ。

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著者プロフィール

1926年高知県生まれ。『櫂』で太宰治賞、『寒椿』で女流文学賞、『一絃の琴』で直木賞、『序の舞』で吉川英治文学賞受賞。おもな著作に『陽暉楼』『錦』など。2014年没。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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