十一月の扉 (新潮文庫)

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著者 : 高楼方子
  • 新潮社 (2006年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101298719

十一月の扉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 季節が巡ると読みたくなる本の一つ。
    十一月なので読まなくてはと本棚を探した。

    中学生の主人公が素敵な洋館に下宿した2ヶ月の話……とまとめてしまうと、何だ少女趣味なお話か、と思われるかもしれない。
    実際少女趣味なのだ。この年代の、特に本好きの女の子が欲しいと思う日常の世界が、この本の中にはぎゅっと詰まっているのだから。
    だからこそ、懐かしく、ほんのりと甘いような幸せを感じ、そして少し切ない気持ちになるのだ。

    主人公が下宿した「十一月荘」には、様々な年代の女性が出てくる。それぞれの悩みや不安が描かれることもあるが、それ以上に活き活きと楽しそうに生きている姿が描かれているのは、「大変なことはあっても、生きていくって楽しいことなのよ」という筆者からの一つのメッセージなのだと思う。

    何度も読んだ大好きな本だけれども、本を開くたび読み終わるのがもったいなくて、一気には読まないのだ。けれども、もう十一月も終わる頃、ようやく読み終わってしまった。
    きっと私は「この上もなくすばらしいものをあじわったあとの、どこか悲しげな、そしてすてきに満ちたりた」顔をしているのだろう。

    次のお休みは少しだけおしゃれをして出掛けてみよう。鞄に本をいれ、素敵な文房具屋さんに行ったり喫茶店でお茶を飲んだりしよう。
    そんな風に十一月が楽しくなる本だった。

  • 中学2年生の爽子が期間限定で「十一月荘」の住人になるストーリー。劇的な出来事が起きるわけではないけど、しみじみ味わい深くてあたたかみがあって何度も読み返したくなる本でした。

    十一月荘の住人が皆あたたかいのにベタベタとするのでもなく、ひょうひょうとしていて適度な距離感があって本当に素敵。
    ヒロインが中学2年生の女の子というところ、また爽子が描き出すストーリーなど、先日読んだ「ミーナの行進」とだぶる部分もあったけど、こちらの方が私にはしっくりきました。(「ミーナの行進」も素敵な本です)

    ドードー森の皆のお話だけで一冊の本にしてもいいくらい。
    解説がまたとびきり素敵なのです!(蛇足だという方もいるけれど 個人的には事実と創作の共演として完成度高いと思います)

  • 再読。十一月になるとつい読みたくなってしまう一冊。
    特に大きな事件は起きず、ただ淡々と十一月荘での毎日が綴られている。なのに、なぜか心がほっこりと温かくなる。
    十一月は何か新しいことを始めてみよう。

  • 『わたしたちの帽子』が好きだったので。(2007/04/05)

    うわー、3年近く寝かせていたのか! ようやく読み終わりました。
    なぜもっと早く読まなかったのか・・・!と悔やむくらい。
    会社の行き帰りに電車の中で読んでたのですが、
    先が読みたくて会社に着いてからも読んでしまったりしました。

    日常生活を描いているんだけど、
    本当の“普通の生活”とは0.5段階くらい違うような感じ。
    『わたしたちの帽子』でも『緑の模様画』でも
    そしてこの『11月の扉』でも感じた、ありそうでなさそうな、
    でも読み終えたあと幸せな気持ちが残る、濃密な作品世界。
    それが、私が高楼作品に惹きこまれる理由なんだと思います。

    物語を書きたいと思ってる子って意外といるし、
    ちょっと親をうっとうしく思ったり、ほのかな恋心を抱いたり、
    あと、大人になるって悪くない、って思えるあたり、
    あー子どもたちにもたくさん読んでほしいなー。

  • 大好きな一冊。
    タイトルにひかれて、11月になると読みたくなるのでした。

    私も爽子のような中学生だったら良かったけど、共通しているのは本が好きで、物語を書いていたことだけだったな…素敵な中学生活を送りたかった!(笑)

    今からでも遅くないか。爽子にはなれないけど、いつか閑さんのような女性にはなれるかもしれない。

  • この本をこの季節に読めた事、とても幸せに思います。両親の転勤と引越しをきっかけに爽子は憧れの下宿、十一月荘で暮らす事になります。その十一月荘の人々が個性的でみんな大好きです。爽子を取り巻く人々が大人の視点ではなくて、もっと対等な関係として爽子を受け入れてくれていて、その空間が心地よいです。るみちゃんとの年の離れた従姉妹のような関係も私自身、そんな風に遊んだ親戚の女の子がいたので共感していました。うまく感想にはならないけど、お気に入りの一冊が増えました。

  • 昔、少女だった人へ。今も少女の部分をどこかに残している人へ。

  • 素敵でした。かなり好みのお話。まずタイトルが素敵。作中作も良かった。秋の景色が見たくなって、熱い紅茶が飲みたくなった。なにげない描写や表現がいちいち琴線に触れた。大切なことがたくさん詰まっていた。同じくらい共感できる部分もたくさんあった。たぶん生きていくっていうのはこういうことなんだなって思った。これから、11月が特別なものになりそう。なんだかざっくりとした雑な感想になってしまった。個人的には、単行本の装丁が一番好みです。

  • 心をリフレッシュさせてくれる良書。
    私も十一月の扉を開きましょう。

  • 「女の子」だった女性の誰しもが、いつか見たような物語。秋の日のおやつ時になると妙に読みたくなるような温かさ。

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