途方もない放課後 (新潮文庫 さ 27-6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101325163

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    膨大なインプットを、少しニヒルで冷めた(醒めた?)目を持つ人物がアウトプットするとこの様になるのかと感銘を受けた。

  • 鷺沢先生のエッセイは、これで2冊目になる。はず。
    冒頭の「三十路の誓い」ではないが、こう、『ケナリも花、サクラも花』以上に装う所がないというか、あっけらかんとしているというか、正直というか、等身大というか…
    読めば読むほど「ちょっと待て、この人あの本書いた人か?ほんとに?」感が募っていく。
    改めて考えると、確かにあの本書いた人なんですが。
    私なんかは、自分しか読まないはずの日記でさえ他者の目を意識してかっこつけてしまうタイプなので、こんな風に書けるの、本当にうらやましいんである。
    たくさん読んでいたら、文調というかこの素の感じ、移ってくれないかな…

  • 2010年5月17日購入。

  • 鷺沢さんは、小説だけでなく、エッセイもとても好き。
    頭が良くて、明るくて破天荒で闊達で。でも内面にどうしようもない暗く重いものを抱えていて、だから物事を一歩ひいて考えていて、それから何かにおびえていて。エッセイを読むと、彼女の私生活や交友関係が分かって楽しい。だから小説を読んでいても、まるで自分が経験したかのような感覚にとらわれてしまう表現ができてしまうのだな、と思う。
    羽田慕情は好きで何度も何度も読み返した。『どんな種類のどんなことに対してでも、強さはひとつの救いになる。』

  • 笑えてほっとするエッセイ集。著者のパワーが伝わってくる

  • 鷺沢萠のキャラクターが好きだ。
    あっけらかんとしているけれど、実は相当暗い。だからといって、
    四六時中暗いわけではなく、本当に楽しいときもときもたぶんある。
    そういうイメージだ。
    そしてそれは、僕が昔から好きな原田宗典とかなり重なるものだ。
    二人が仲がよい、という話を読んで、余計にそう思うのかもしれない。

    amazonのこの本の紹介に「散々笑わせながら、しんみりくる思い出の
    エピソードも詰まったエッセイ」とある。原田宗典も、長らく笑わせる
    エッセイを書く作家、という評価だった。

    しかし鷺沢は自殺し、原田は重度の鬱病になった。

    たぶんこの2人はポジティブな側面とネガティブな側面を両方自分で
    コントロールできないくらい、豊富に持っているのかなあ、と感じた。
    道化を演じているわけではなく、心から道化である側面も、性格的に
    持っているのではないのかな、と思う。

    だから、どうという話ではない。本当に、ただの感想だ。

  • 「あなたと無為に過ごしたあの途方もない放課後が、現在の私をつくってしまいました」本文より。

  • さらっと読める。心にひっかかる日常語が感じられる。面白いエッセイ。

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著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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