- Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101329727
作品紹介・あらすじ
「誰かが辞めなければならないなら、私、辞めます」企業のリストラを代行する会社で働く真介の今回の面接相手は-真面目で仕事もできるのになぜか辞めたがるデパガ、女性恐怖症の生保社員に、秘められた純愛に生きるサラ金勤めのイケメンなどなど、一筋縄ではいかない相手ばかり。八歳年上の陽子との恋も波瀾の予感!?勤労者にパワーをくれる、笑って泣ける人気シリーズ、第二弾。
感想・レビュー・書評
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「君たちに明日はない」、「ワイルド・ソウル」、に続いて垣根涼介作品3作目。
「君たちに明日はない」の続編で、出来は本作の方が上か。
表題作の「借金取りの王子」が出色。王子の両親が、結局は二人の結婚を許したのは、彼女の気迫と愛の深さ故なんだろう。それにしても消費者金融業の激務ぶりには驚いた。回収の世界が厳しいのは当然として、本社が支店にかけるプレッシャーのえげつなさといったら。。(自分の勤める会社が純白に思えてきた。。)
他の話も全部よかった。
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リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト』の面接官・村上真介。
百貨店外商部の稼ぎ頭の女子社員、女性恐怖症の生命保険会社の係長、消費者金融のイケメン店長、新潟の旅館の女性従業員…
あまり真介の出番はなかったような…
それぞれが自分で考え、自分が選んだ道へ。
リストラの話なのに、全然暗さを感じない。
『借金取りの王子』、よかったな。
宏明と美佐子。
普通の親なら、反対するよな、美佐子との結婚は。
それを諦めずに、両親を説得し続けた宏明。
宏明の仕事の大変さを理解し、いつ辞めてもいいように、自らも働き、お金を貯めていた美佐子。
ここまでやれる女性がいるなんて。
しかし、この時代の消費者金融、ひどいな。
パワハラ、セクハラ、モラハラ…ハラスメントのオンパレード。
今なら即アウト。
高橋と陽子、お互い少し意識しているような…
まさか三角関係に、なんてことはないと思うが…
どうなっていくのだろう。
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つらい。
消費者金融の、内面の闇がすごい。さすが首都圏。怒声しか飛ばない営業報告会議はまだしも、来期のプレッシャーのかけられ方が半端ない。えずきたくなるレベル。
そこにクビ切りに入るというシビれる展開。2作目に入り、主人公チームの色もはっきり出てきた。若いのに老練した社長。アシスタントの舌足らずなお嬢さんにも癒される。実は一芸があり、かなり細かい変化に気づける、人読みの才能を持つ。この意外性がうまくストーリーにからんで深みを出していると思う。
垣根涼介さんの作品は男性が男性らしく、女性が女性らしく描かれていると感じる。今の価値観からはとかく否定されがちだが、自然と読める、という側面も見過ごすべきではない。
それを一言でエロい、といってしまうと言下に否定されるだろうから、言わない。(言った) -
シリーズ2作目ですね。
前作より面白かったです。
前作はストーリーに自信がなかったのかストーリーに関係ない内容がありました。
出来ればその部分を省いた作品が読みたかったですね。
それがこれかな。 -
君たちに明日はないの続編っていう事で手に取った。
本作も面白かった。中でも消費者金融の話しで描かれた純愛が良かった。そこに出てくる女性がカッコ良すぎる。
まだ、続編があるって事で、主人公カップルがどうなって行くのかが楽しみ。 -
君たちに明日はない第2シリーズ。
真介と陽子のナイスカップも好感が持てるし、2人の仕事に対する真摯な向き合い方も小説に重厚感を持たせている。
リストラ請負人にも誇りと愛があってこその仕事だと思うと救われる。
続編もすぐに読みたくなる。 -
リストラ請負人シリーズの第2弾。
働くということはどういうことか、自然と考えされられるシリーズでおもしろいのですが、今回はそれよりも「やさしさ」がテーマではないだろうか。企業側、労働者側の論理のぶつかり合いによる苦悩などはあまりなく、リストラ対象となった人々やとりまく人々の「やさしさ」が光ります。
本来リストラの対象とはならないはずの人々だからなのでしょう、自分以外の相手をよく見ています。余裕というか追い詰められ具合というか、相手を良く見ることが「やさしさ」につながるのだな。やさしいからというって仕事が優秀なわけではないけれど、自分だけでできる仕事は限界がある。その限界に気づいた時に「やさしさ」が無い人は、さらに大きな壁にぶつかるということでしょうか。
でも、追い詰められ続ければ「やさしさ」っていとも簡単になくなっていくよなぁ。無くさない人でありたいなぁ。難しいけど・・・
「借金取りの王子」のエピソードが泣かせる。 -
始めに、
この「借金取り王子」を読み始めた。
ところが、
あまりに面白く、
いやいや
これは第一作目の「君たちに明日はない1」
から読むべきだと思い、
File1「二億円の女」だけを読んでから
本屋さんに走り、「君たちに明日はない1」を
手に入れて、読み終えた後
改めて手に取った。
相変わらず
人物描写が素晴らしい。
各章(File)ごとに
それはそれは魅力あふれる「人」が描かれる。
タイトルになった
File3「借金取りの王子」が秀逸です -
二億円の女 → ☆3
女難の相 →☆4
借金取りの王子 →☆5
山里の娘 →☆2
人にやさしく →☆3
安心して読めるこのシリーズ
今回も楽しめた
垣根涼介さんの『ワイルドソウル』をまだ読んでない方は、ぜひ読んで欲しい
読書暦はまだまだですが、その中でも至極の一冊です -
君たちに明日はない②
かれこれ、5~6年前にこの前作を読んでいたが、兄からシリーズ一式借りたので読んでみた。
前作思い出せるかなぁ?と不安だったものの、読み始めると当時の記憶が甦る。
この話、入院してるときベッドの上でゴロゴロしながら読んでいたなぁ、、、
そして物語も直ぐに甦ってきた。
それもそのはず、この本は一風変わったリストラ面接官を職業とする村上の話。
一話、一話にドラマがあって、哲学があって短編嫌いの私なのに十分楽しめる。
お仕事だけじゃなく、恋愛もあったり、男性でも女性でも、老も若きもそれぞれ楽しめる一冊(*^^*)