- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101334288
感想・レビュー・書評
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「人生は一度だけ。」
私はバレエの先生になりたい。
4歳からずっとバレエを続けてきた。
バレリーナになる夢も描いた。
でもそこまでの勇気はなくて、当時そこまでの実力がないのも分かった。
それでもバレエが好きで辞められなくて、いつか自分の教室を開いてバレエを楽しさを伝えたいと思うようになった。
そうした夢を抱いたまま、大学を卒業。メーカーに就職。「忙しい」毎日の中、満足にバレエができなくて、「このまま趣味として諦めるしかないかな」と思っていた。
この本を読んで、「やっぱり諦められない」と思った。後悔も反対も多いだろうけれど、何とかして夢を叶えたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
女性目線で書かれた人生における教訓集、とでもいうんですかね。
押し付けているわけではないんですが。
こういうエッセイの類はおそらく初めて読んだのですが、もう数年したらもっと共感ができるのかなぁと思いました。
プライドと虚栄心。紙一重なのかなぁと思いました。 -
不倫恋愛小説多めの唯川恵(実は元銀行員)のエッセイ。恋愛ってなんだ、幸せってなんだ、仕事ってなんだ。友情ってなんだ。私は何を大切にすべきなんだ。自分自身の答えを見つけていくこと。その繰り返しが"人生"を作るのならば、この本は、あなたの出した一つひとつの答えに、助言を添えてくれるはずです。やさしく、ときに厳しく。
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唯川さんのエッセイは初めて。
今正直最低な恋愛してて読みたくなった一冊。
こころに残ることばが少しずつちりばめられていた感じかなぁ。
いい顔して生きよう! -
ヒントになることがいっぱい。
唯川さんみたいにいい女になりたいなー! -
唯川恵さんの作品、好きです。
共感出来ることも多く、頑張りすぎて疲れたとき、後悔したとき、結婚や友情、将来への不安等、ふとしたときに読むとほっとするような作品。
読みやすいし、短いし、お風呂でよく読みたくなります。 -
私が人生で悩んだとき、いつもヒントを与えてくれる本です。
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・ 人はそんなに強くはないけれど,そんなに弱いものでもないということ.
人生はそんなに楽しいものではないけれど,そんなにつまらないものでもないということ.
それがやっと実感できるようになりました.
ある時まで,私は自分の中に積み重なってゆくものを求めていたような気がします.
いろんな人と出会ったり,恋をしたり,どこかに出掛けたり,仕事に頑張ったり,そういうことを栄養にして自分を成長させてゆく,という感じでしょうか.
でも,いつの頃からか,なくしてはいけないものを意識するようになりました.
たとえば,初めて海で泳いだ時に感じた怖れと興奮とか.たとえば,初めて人を好きになった時のあの胸が震えるような思いとか.
そういったものを,忘れずに持ち続けるということは,なんて大切なのでしょう.でも,なんてたのしいことでもあるのでしょう.
人は,人生の中でたくさんの涙を流します.
今まで,私も何度泣いたことでしょう.
けれども,涙した分だけ,きっと幸福に敏感になれるのだと思いたい.悲しみを知らなければ,幸福も感じることはできないのだから.
きっと,涙と笑みはセットになっているに違いありません.
・ 彼女にとって,何かがなければ不幸,という概念はないのです.今,ここにある幸福を,ちゃんと見つけられる.コレがあるから幸福,なのではなくて,コレがなくても幸福,を知っている.初めて,彼女がいつも幸福でいた理由がわかったような気がしました.
私を含めてですが,人はつい,コレがなかったら幸福になれない,と思ってしまいがちです.最初は謙虚に「健康でさえあれば」と言っていても,それが当たり前になると,また新たな条件を持ち出してきます.「もっとおしゃれな服が欲しい,もっと素敵な家に住みたい」というように.
そうやって幸福の雛形を次から次へと作り上げて,それを手に入れようと必死になるのです.
何かを手に入れるために一生懸命になるのは,悪いことじゃないと思います.それは自然なことだし,そうでなければ「どうでもいい」というような投げやりな生き方をすることになってしまうかもしれません.
でも,自分の欲望を満たすことと,幸福を手に入れることとは違うと思うのです.
もっと違うはず,幸福って,本当は欲望の対極にあるもの.
でも,それっていったい何?どういうものなのだろう.
正直言えば,私にもよくわからないのです.幸福とは何か,なんてテーマを持ち出すこと自体,身の程知らずだったのかもしれません.
ただ,ひとつだけ.
すべてが揃ってなければ幸せではない,と思っているとしたら,それはあまりに不幸です.
誰のものでもない,誰にもわからない,でも私は私の幸福をちゃんと持っている.それを胸を張っていえるようになりたい.
それこそが本当の幸福ではないかと思うのです.
・ 人はどうしたって,美しいものに惑わされる生きものなのです.
それに,美人自身が,冷静な気持ちで誰かをちゃんと愛そうとしても,美人ゆえにその前に相手に愛されてしまうことが多い.だから結局は,愛を強烈にアピールする男になびく結果になったりするわけです.
けれども,そんな男は,やはり美人であることに価値を感じているわけだから,他に美人が現れれば,またもや強烈な想いを募らせて,そっちに行ってしまうことにもなりかねません.
・ 人は当然のことながら,後悔なんてしたくないはずです.私もそうです.これでよかったんだ,と思える人生を送りたい.だから後悔しないために,何事か決断するとき,いろんなことを考えます.
けれど,それを考えるあまり,私は大切な何かを忘れてしまっているのかもしれません.
それは,早い話「後悔したってかまわない」という強い思いです.
後悔するのがわかっていても,そうしなければいてもたってもいられない.他人から見れば愚かなことかもしれない.我慢が足りないとか,理性を忘れている,とかも言われるかもしれない.けれどもそれでもやってしまう.そういう情熱です.
どこかで,激しく熱くいきたい.それを望んでいる自分がちゃんといるはずなのに,いつのまにか安定や穏やかさに身を委ねてしまっている.つい安全を念頭に置いて行動してしまう.
それが悪いとは思ってないんです.ただ,どこか寂しいんです.
後悔してもかまわない,で起こした行動は,たぶん,やっぱり後悔することになるでしょう.
けれど,そんなふうにして得た後悔は,後悔しなかったということより,もしかしたらずっと素敵なことなのかもしれません.
もう手遅れ,だなんて思いたくない.これからだって「後悔してもかまわない」という生き方を探してゆきたい.
・ 確かに人間は,今に満足してしまったら進歩はないかもしれません.けれど,今,自分が手にしているものの価値をちゃんと評価しないで「あの時,こうしていたら」なんてことばかり考えるのは,単なるないものねだりです.
・ もしかしたらリスクを背負うことになるかもしれない.けれども,人に対して先入観を捨て,常にナチュラルな感覚で接したい.
私以外の誰かがその人のことをどう思っていようと,私自身がその人をどう思うのか,その感覚を大切にしたい.
そのことを強く感じました.
小さい子に,熱いということを覚えさせるには,言葉だけでなく,本当に熱いものにちょっと触らせるでしょう.人に対しても,そういうところが必要だと思うのです.
誰も,痛い目なんかにはあいたくありません.けれども,それを恐ろしがってばかりいたら,本物を知ることもできなくなってしまうでしょう.回避する知恵を身につける前に,身をもって知っておくことも大切です.
そうでなければ,逆に,本当に大切な人との出会いも,棒に振ることになってしまうかもしれません.
・ 私も昔は後先考えずに飲んだ時もあったの.でも今は,自分が酔いたいのか楽しみたいのか,そこを考えるようになったのよ.酔いたいなら,外では飲まない.家にする.楽しみたいから,外で飲むの.本当に酔っ払ってしまったら,楽しめないじゃない.時々,酔わなくちゃ楽しめないっていう人もいるけど,それは結局,一緒に飲む相手を間違えているのよ.楽しい相手となら,お酒の力を借りなくたって楽しいわ.
・ 私は,相手を不愉快にさせないために気を遣っている,と思っていたわけですが,実はそうではなくて,相手を不愉快にしたら,それがこちらに返ってくる,そうされたくない,つまり,私自身が不愉快な思いをしたくないから気を遣っている,ということが根本にあったのです.
そういう私の思いは,具体的ではないにしても,ニュアンスとして相手に伝わっていたことでしょう.
自分が被害者になり相手を加害者にする.
そんなスタンスの取り方では,ますます仲を悪化させるばかりです.