- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101334516
感想・レビュー・書評
-
昭和の歌は世間を語り、平成では自分だけを語っていると・・・。ああ、そうなんですね。阿久悠さん「歌謡曲の時代 歌もよう人もよう」、2007.12、新潮文庫です。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
年末のテレビの音楽番組などでよく目にするのが、「今年のベスト○○」なんて特番。
しかし、恥ずかしいことにほとんど知らない曲なのだ・・
昔はヒット曲は誰でも知っていた。
もちろんそれだけテレビに露出していたし、当時はレコードを買うことが当たり前だった。
このエッセイ集は、阿久悠さんが過去に詩を書いた歌謡曲のそれぞれのエピソードが綴られている。
目次を見るだけで、あらためてすごいと思った。ほとんど知っているのだ。
中でも「へぇ〜」と思ったことをいくつか紹介する。
?山本リンダの「どうにもとまらない」は、元は「恋のカーニバル」というタイトルがついていた。
?ペドロ&カプリシャスの「五番街のマリーへ」は「ジョニィへの伝言」のアンサーソングである。
?ピンクレディーのヒット曲「モンスター」と「透明人間」の間には、本当は「百発百中」というシングルが予定されていた。
?「さらば地球よ・・」の「宇宙戦艦ヤマト」のアニメソングも阿久悠が作詞していた。
?西田敏行の大ヒット曲「もしもピアノが弾けたなら」は、別の曲のB面ソングだった。 等々
作詞家の思いが込められた「歌謡曲」というジャンルは、現代音楽にはなじまないかもしれない。
しかし、聞きながら何となく心がなごむのは、やはりこの頃の歌謡曲なんだよなあ・・ジジくさいかな・・。