僕はいかにして指揮者になったのか (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101335919

作品紹介・あらすじ

「大人になったらベルリン・フィルの指揮者になる」-小学校の卒業文集に書いた夢を、佐渡裕はついに現実のものとする。指揮者としての正式な教育を受けていない自称「音楽界の雑草」が、なぜ巨匠バーンスタインに可愛がられることになったのか。「ライフ・キャン・ビー・ビューティフルや!」という師の言葉を胸に、世界中の名門オーケストラで指揮棒を振る男の人生讃歌。

感想・レビュー・書評

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  • 全体を見て、個々にコミュニケーションを取り、ハーモニーを奏でる…。
    組織を導く人は、指揮者の視点や発想に学ぶところが多くあるのではないか。
    そんな思いからこの本を手に取りました。読んでいく中で、佐渡さんがいかに音楽を愛しているのか。様々な人と出会い、視点を広げ、自分自身を変容させながら、人間力で人とコミニケーションをとり、今いる場所や人と化学反応を楽しみながら道を切り開いてきたのだということがわかりました。これを自分に応用すると…やはり一人ひとりとの出会いを大切に、積極的に自己変容を受け入れ、楽しんでいくことが大切なのかなと感じました。

  •  クスッと笑ってしまうところかたくさんあります。佐渡さんの人柄が素敵すぎて同じ関西人としてめちゃくちゃ親しみ持てます。
    だけど、実際近くにいたら近寄れないでしょう。。
    スーパースターですし、187cmもありますし。こわい。
    そして、登場人物が誰であろうと関西弁に訳されていところが好きです。
     佐渡さんの指揮を見ていると指揮台で飛び跳ねたり、めちゃくちゃ素早く棒を振ったり、天に向かって祈りの姿を見せたりと、とても表現豊かで面白いと思っていました。その表現の豊かさの理由が本書で明らかになり、大変納得しました。
     才能と情熱が半端ないのでしょうけども、スピリチュアルな体験もたくさんされていて幸運を引き寄せる力がおありなんだろうと思います。そして成功する方は皆そうなのかもしれませんが、度胸があるんだなと思います。あとはとにかくたくさんの人と出会う力が必要であることを思い知らされます。生きる力、考える力も。。
     佐渡さんでも、クラシック演奏会は百のうち九十までは退屈と言い切るのが面白い!ただ、佐渡さんにとって納得いかない演奏が多いということかもしれませんけども。メロディーもなく拍子が変化するだけの音楽もありますし…ほんとにクラシックは私にとって不可解です。。佐渡さんはクラシックのお作法や遠慮などで気持ちをストレートに出せないことが、クラシックの演奏会を退屈にしている理由と考えているそうで、納得です。『楽しみ方』として、退屈したら演奏者を観察する、などの指南をしてくれています。特にシンバル、トロンボーン、そしてホルン!
     副指揮者(裏棒)という担当があるなんてビックリでした。客席で裏棒をしていると、観客のおじいさんに「あんた趣味でやってんのか?!」と怒られたエピソードが面白いです。
     コンクール嫌いというのは納得できます。答えのない芸術をなぜ人が評価するのか分からないですし、時代により価値が変わるのもなんとも頼りない。でも結局のところ佐渡さんはコンクールで優勝し認められます。
    優勝者が二人というのもよくあるようですし、佐渡さんは小澤征爾さん、バーンスタインに既に認められていた状態なんで、後ろ盾がある状態でしたでしょう。そういうコンクールの裏については、フジコ・ヘミングさんも仰っていたような。。
    そういう意味ではコンクールはそこまでの意味もなく、そこに辿り着けるだけで才能と運が類稀ということだと思います。
     エピソードは前後するし、けっこう話は飛ぶような内容でしたが、若い頃の佐渡さんを知ることがてきました。

  • それぞれの音楽を楽しめばよいという考えに大いに共感を覚えた。飾らない物言いが面白い。

  • 生で聴いたことがないので、コンサートに行きたい。

  • 自伝的なものは、好みではありました。
    そして、ちょうど最近、ピアノの調律をテーマにした本を読み終えたばかりでしたので、こちらを手に取りました。
    基本、僕は一ページも開かずに購入するタイプなので、佐渡裕さんのイメージとしては、何か昔コーヒーのコマーシャルに熱い汗を撒き散らしながら指揮棒をふっていた人かなといった印象でした。

    さて、内容はその通り、音楽に対しても、人に対しても、人生に対しても、真摯で熱い熱い方でした。
    35歳の時に書いたという説明がありましたが、
    まるでもっと30年も先を生きてから書いたかのように
    とても濃い人生を感じられ、なんだか影響をイヤでも受けてしまいました。

  • 小澤征爾、レナード・バーンスタインに可愛がられた佐渡裕
    東日本大震災が起きた後、さださんと佐渡さんが「音楽に何ができるか」と苦悶された話を聞いたことがある。
    何かを切り捨てて夢に向かわなければ夢は実現しない!

    佐渡裕さんのマーラー愛が半端ない。
    佐渡さんが指揮した「運命」を聴いて魂が震えるほど感動したことを思い出す。

  • 夢を見て追いかけて、実現すると言うのはこういう行動をするんだと、また、こんな感じなんだと思いました。
    シンフォニーを聴く入門書にも良いなあと思います。
    おすすめ!

  • 2020年11月5日
    子ども時代がすごい。
    本物に触れるって大事だね。

  • 実力や運も必要だけれど、それを取りこぼさない情熱と体力が大事なんだなぁと思った。

  • 指揮者・佐渡裕氏の自叙伝。
    子ども時代から指揮者修業の時代まで、とっつきやすく、読みやすい。

    知らなかったが、もともと指揮者の専門教育を受けたというわけではなかったのだな。
    一般的なコースを歩んできたわけではない彼の中に「光る何か」を見つけ出してくれた人たちがいたというのがすごい。
    天職なんだなあ。こういうのが。

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著者プロフィール

指揮者、トーンキュンストラー管弦楽団音楽監督

「2017年 『棒を振る人生 指揮者は時間を彫刻する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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