ぼくの小鳥ちゃん

著者 :
  • 新潮社
3.60
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本棚登録 : 4974
感想 : 542
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  • Amazon.co.jp ・本 (136ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339184

作品紹介・あらすじ

雪の朝、ぼくの部屋に、小さな小鳥ちゃんが舞いこんだ。体長10センチ、まっしろで、くちばしときゃしゃな脚が濃いピンク色。「あたしはそのへんのひよわな小鳥とはちがうんだから」ときっぱりいい、一番いいたべものは、ラム酒のかかったアイスクリーム、とゆずらないしっかり者。でもぼくの彼女をちょっと意識しているみたい。小鳥ちゃんとぼくと彼女と。少し切なくて幸福な、冬の日々の物語。

感想・レビュー・書評

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  • ちょっとわがままで、でも真っ直ぐなところがあって、魅力的なことりちゃん。
    この、ちょっと我儘なところがすずめちゃんとちがって、良いのだろうと思う。

    三角関係は、もどかしくて、せつない。
    男、ずるいぞ。と、どうしても思ってしまう。
    たとえ、3人?で上手くいっていたとしても、女?側の少しずつ傷つく感じが、せつない。


    2004.7.15
    平和だ。ささやかであたたかい毎日。ことりちゃんと僕の微妙な関係がおもしろい。猫みたいな小鳥だ。自分をしっかりと持っている。わがままで、気まぐれで、傷つきやすいし、優しい。小鳥だからこのキャラクターが生きるのかもしれない。ほのぼのとしていい一冊だった。


    2002.6.30
    小さな小さな幸せとか、ありふれた日常とか、そういったもののほんのりと温かい温度が伝わってきた。本物の幸せの姿って、こういうのなんだな、と再確認できた。私がことりちゃんが好きだ。わがままで、自由気ままで、ちょっと感じやすい小さな人。魅力的だけれど、疲れることも多いだろうな、と思う。

  • 再読。
    風のようにやってきて当然のように人の家に住みつく小鳥ちゃん。
    上から目線のお嬢様体質でラム酒がけのアイスクリームをねだったり嫉妬で写真立てを倒すところなどは堪らなく可愛い。
    なのに変なところで物わかりの良いところもあってそのコロコロと変わる表情になんて魅力的な女の子なんだろうと心を鷲掴みされた。
    こんなチャーミングな女の子になりたい。
    男の子になってこんな女の子に振り回される人生もまた悪くない。

  • 2024.1.16読了
    3.0

  • 絵が多いせいか、あっという間に読み終えてしまいました。もう少しぼくと小鳥ちゃんの日常を見せて欲しかったです(´˘`*)小鳥ちゃんは、ちょっと生意気で、子どもっぽくて、でも色っぽさもあったり。
    彼女いるのにこのぼくは小鳥ちゃんと仲良くして、ちょっとずるいんじゃない?って思ったりしたけど。江國さんの童話?もっと読んでみたいです。

  • 近くの図書館が、年末最終日。
    仕事終わりに何か借りたい!お正月休みがある訳ではないけど、
    この世間の雰囲気に飲み込まれたく、
    そこで借りたいと思ったのが、大好きな江國香織さんにたどり着いた。

    今の職場に就いて、年末年始休みが無く、それも3回目。
    ここ3年、大好きな先輩が大晦日一緒に過ごしてくれてて、
    その道中でこの作品を読んだ。

    不思議な世界観。
    だって、小鳥が部屋に来て、しかも言葉を喋るんです。
    その小鳥ちゃんが、とっても恋する少女で可愛い気がする。

    絵は荒井良二さんで、小鳥ちゃんのアイススケート姿の絵がとても素敵だった。

    ぼくに、小鳥ちゃんに、ガールフレンド

    ぼくは、小鳥ちゃんの存在に戸惑っていたのだろうか?
    そう見えて、平静を装ってるガールフレンドが何より戸惑ってたのだろうか。

    小鳥ちゃんのわがままは、男女間にとって絶妙なバランスがとれてるのだろうか。

    なんとも不思議な世界観だけど、恋模様が溢れる作品に感じた。
    うまく言う力が無いけど。

    解説が角田光代さんだった。
    作品には描かれていない、ガールフレンドの代弁があり面白かった。
    みんな小鳥ちゃんのことを、ただの鳥ではなく、
    感情ある生き物として、ちゃんと接していた。

  • 江國香織の本には自由奔放で開放的ででもどことなく寂しそうな女性がでてきますね
    小鳥ちゃんもそんな感じに思えました
    彼女がいるからただただ小鳥ちゃんとの生活を微笑ましいだけに思えなくなってしまいます
    冬が好きになるような本でした

  • 絵本を読んでる感覚で、とても読みやすく可愛らしいお話し。突然やってきたお話しができる小鳥と一緒に暮らすようになる主人公の僕。ペットではなく、相棒のように接するひとりと1羽。ファンタジーでメルヘンでほのぼのしました。小鳥にも感情があるから、こんなふうにお話しできたら…と、鳥好きの私には羨ましいお話しでした。

  • 小説なんだろうか、それとも寓話なのかな。
    僕と小鳥ちゃんと僕のガールフレンドの、特に大きなイベントもない日常が、簡単な言葉で淡々と書かれているのだけど、多分簡単じゃないものが奥深くにうごめいている感じがする。
    ちょっとした動作や言葉の中に、いろんな思いが詰まっているのが、静かに伝わってくる。

  • 小鳥ちゃんを小鳥と読むか女性の比喩と読むかで読後感が変わるだろう。私はそのまま人と異なる感情や思考を持つ小さな鳥と読んで楽しんだ。雪の朝に唐突に訪れた小鳥ちゃんは同じように何時か窓辺から飛び立ってしまいそう。その気儘な心に憧れながらやはり淋しくてそれは恋人と別離する痛みに確かに似ている。でも羽を持たない人間もまた不自由で可愛いと思う。

  • 雪の朝にはじまった、あたたかくて少しセンチメンタルなお話。ぼくと小鳥ちゃんの会話が洗練されていてお洒落。「あかるくてきれいなものをおもいうかべれば、ずっと気分がよくなるでしょ?」とぼくをなぐさめる小鳥ちゃんが素敵。癒される。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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