- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101368733
感想・レビュー・書評
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あの東電OL殺人事件をモチーフに描かれた警察小説の上巻。
事件を追う根本刑事と付き合う百合子にストーカーの影が…今のところ、登場人物たちの陰の姿が垣間見え、やっと材料が揃ったという段階か。単純に東電OL殺人事件をなぞるだけでなく、作者の創作が散りばめられ、まだ先が読めない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
円山町のラブホテル街でホテトル嬢が殺された。彼女の昼の顔は、証券界社のエリート社員だった。捜査一課と渋谷署の合同捜査本部が設置され、徐々に被害者の日常が解き明かされるが?
後述の理由により手に取った本だったのですが、予想を超えて、ものすごく面白かったです。
捜査本部の男たちの群像としても面白いですし、エリート女性の心のうちを描こうとした面も、非常に興味深かったです。
私自身は、女性が働くにはこの時代の女性たちよりずっと恵まれた立場におりますので、完全に共感することはできないのですが、男性の立場で久間先生がここまで描かれたことに尊敬の念を抱きます。
ただ、最後の根本刑事の恋人である百合子のストーカー事件の顛末が、ちょっと期待はずれでした。どう本筋の事件とかわってくるのか!?とすごい楽しみにしながら読んでしまったので^^;
実は、著者の久間十義さんを存じ上げてました。多分先方は覚えておられないと思いますが、私が小学校の頃に通った塾で2年近く教えて頂きました。久間先生と、同じ大学でいらした学生の先生たちが開いた個人塾でして、私は大好きでした。詰め込み教育ではなくて、自分で考えて勉強する、自分で消化する癖がついたのは、先生方のおかげです。
余談ですが、この塾の先生に勧められて、6年生のときに「風とともに去りぬ」を読みました。当時は精一杯大人ぶって、これは面白い!なんて言ってましたが、正直さっぱり良さは分かりませんで(笑。当たり前ですよね、ティーンエイジャーにもならないおこちゃまが読んで面白い作品じゃないですよね^^;)
でも、そういう背伸びの仕方みたいなのを教えてもらったのは貴重だったと思います。