グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた (新潮文庫 つ 31-1)
- 新潮社 (2013年3月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101384610
感想・レビュー・書評
-
メイド・イン・ジャパンを世界に浸透させた超優良企業、ソニーも今は日本企業凋落の象徴に。その過渡期にあってヒット商品を世に送り出し、後にグーグル日本法人の社長にもなった辻野氏の自伝。
ソニーへの強烈な愛と優れた時代感覚から、ソニー時代の後半は組織に変革をもたらそうと尽力するが、上層部に理解されず、挫折…。
トップ企業で異才を放つ人というのは凄まじいなというのと、今は存在感が薄いソニーも、一代で世界の頂点に上り詰めたときの勢いや、創業者たちは本当に凄かったんたなというのが率直な感想。
肯定的にとらえても、ソニーが昔の勢いを取り戻すことはもうなさそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
繁栄する集団には一定のパターンがあり、それにも寿命が有る。変化に対してオープンで、自由カッタツ。国境を超えて多様な人材が集まる。最強国の条件との共通点があると感じる。
-
辻野さんの率直な物言いがよかった。
-
どんなに才能があっても、どんなに努力しても自分が思い描いた結果が待っているとは限らない不条理。でもそれが世の現実。逆に思っても見なかった出会いがあったりするのも人生で、だからこそ生きることは楽しいのかもしれない。大切なのは自分の信じるところを貫き通すということなのでしょう。
-
仕事に取り組む姿勢が参考になる。
-
そこら中にあるビジネス本が束になっても、ここまでエネルギーのある内容にはならないだろう
なんとなれば、ここで語られているのは辻野氏がその時何を考え、どんな未来を描き、どう行動してきたか、という現実だからだ。
ソニーが勢いを失った訳も、Googleがなぜ輝いているかも分かる。
そして経済の奔流の中でどう生きていくべきか?
辻野氏は多くのご教授本のようにああしなさいこうしなさいとは言わない。しかし、それ以上に多くの知恵と多くの示唆に富んだ内容だったと思う。激しいまでのエネルギーに満ち溢れてます。 -
どうしても最近の外資バンザイの傾向が癪に障るので
著者の辻野氏もいかにソニーをこきおろすのかと
身構えながら読んだ。
ところがむしろ辻野氏のソニーや日本への深い愛情を感じ
大好きな会社をやめるしかなかった彼の無念さと情熱に胸打たれた。
一度きりの人生だから、恐れずに、ではなく恐れながら、
幾度も挫折を経て立ち上がる彼の人生のドラマチックさ。
こういう人が何かをなす人だと、思った。
このぐらいの温度の日本人が増えたらきっと
この国に希望が見える気がする。
ほんとうに、この国のために頑張ろうって思う若い人たちに
是非読んでほしい一冊。 -
諸行無常を感じるのは私だけでしょうか、もちろん企業にも栄枯盛衰があるのは当然のことです。今我々は激変一途の環境におり、その変化にどう対応するかを問われております。本著作はその変化のなかでもがきチャレンジし続ける敗北と再生の記録です。