- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101388830
作品紹介・あらすじ
僕が使者(ツナグ)だと打ち明けようか――。死者との面会を叶える役目を祖母から受け継いで七年目。渋谷歩美は会社員として働きながら、使者の務めも続けていた。「代理」で頼みに来た若手俳優、歴史の資料でしか接したことのない相手を指名する元教員、亡くした娘を思う二人の母親。切実な思いを抱える依頼人に応える歩美だったが、初めての迷いが訪れて……。心揺さぶるベストセラー、待望の続編!
感想・レビュー・書評
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亡くなった人と生きている人をツナグ人、その人自身が大切な人とつながっていこうとする成長に共感しながら読んだ。
会いたい人と会えることのありがたさ。つながりたい人とつながる縁。つながらない人もそういった縁なのだろう。つながりたい相手があることは幸せだけれど、相手の想いは自分の範疇ではない。それをわきまえつつ、人とのつながりを大切にしたい。そして、今つながらなかった人とも、未来のどこかでつながることもあるかもしれない、とも思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ツナグ」の続編
前作から7年後の設定となっていて、歩美は会社員。
5編からなるトピックスが描かれています。
■プロポーズの心得
いきなり、使者が小学生の女の子?となっていて、どうなるものかと思いました!
自分と母親を捨てた父親とに面会したい俳優のストーリ
この章は、前作を思い出さないとつながらない...
前作が忘却の彼方、なんとなく覚えている程度(笑)
■歴史研究の心得
ちょっと今までと違う依頼。
歴史上の人物をつなぐ物語で、ちょっと面白い。
■母の心得
これは、ちょっと辛い、
それぞれの娘を亡くした二人の母親の物語。
面会後の会話が希望を与えてくれます。
■一人娘の心得
つながらずに、前を向いて歩く女性の物語。
歩美の心、生き方に影響を与えるトピックです。
■想い人の心得
数十年間、ある女性に会うために何度もつなぐことを依頼する老人。
その目的は?
エンディングに心打たれます!
どの物語も温かく、まさに心揺さぶる物語でした。
お勧め。 -
死者との面会を叶える使者を受け継いだ歩美。高校生だった彼も、受継ぎ7年、社会人となり、仕事を持ち、使者との両立をしている。後継者の少女、杏奈も八歳ながら、使者として活動。
短編5編で、前作同様、それぞれの依頼主の想いに特徴を持たせて、安心して面会の感動を読めます。
ツナグの物語であるけれど、「一人娘の心得」で、亡父と会わず、残された物や言葉から、生前の気持ちを受け取る。ツナがらなくても、伝わる事ができるそんな時間を過ごせたら良いですね。
歩美さんも成長して、使者としてだけでなく、普通の男の子の幸せも掴めそうですね。 -
前作がよかったので、娘にも勧めました。
映画を観て、それはよかった、と言っていましたが、本を読んだのかどうかはわかりません。私も映画を観ました。とてもよかったですよ。
期待して開いた続編。
いろいろな展開を用意していただきました。
ちょっと奇をてらったところも否めませんが、よかったです。
流石に想像だけでは描けないと思われたのですが、やはりモデルさんがいたとあります。。。(あとがきより)
ニュルンベルクは街の入口に工房があったように記憶しています。
ドイツから個人輸入した木のおもちゃは、手触りがよく、感動した覚えがあります。
ニュルンベルクでは、来年大きな裁判が開かれることになりそうです。大事なことですね(※本書とは関係ありません)。
留学と、その後の展開と。さらに続編を彷彿させてくれる展開が待っていました。
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https://twitter.com/tB25yz9RgDuxGJz/status/1628953532966772736?t=-ucp04iDo0DlJtvJEZaLMg&s=19
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今から約3年前に読んだ「ツナグ」の続編で5編の構成になっています。
一話目は、使者が小学生の女の子になって現れてびっくりでしたが、そうではなかったことが分かり納得。中でも「母の心得」がとても切なかった。自分よりも若い者が先立つのはつらい。ましてやそれが子供だったら想像に絶する。絶対に経験したくないですね。
自分の年齢もそれなりになってくると、死について考えることが増えてきます。
ありきたりですが、一度の人生を悔いなく過ごせるように、できることは色々とやってみたいと思う。
前作もそうでしたが、歳とともに涙腺が緩くなってるのか、電車で読みながらウルウルしていたら、隣に立っている女性に見られて恥ずかしかった。キモイと思われたんだろうな。。。
次は、歩美と奈緒の関係が楽しみです。何年先でも待ってます。辻村先生よろしくお願いします。 -
辻村深月『ツナグ 想い人の心得』新潮文庫。
『ツナグ』の続編。5つのエピソードを軸に構成される連作形式の小説。
亡くなった肉親や知人との再会のシーンには思わず涙がこぼれた。前作でも思ったのだが、何よりも設定が良い。本来ならばあり得ないことを理屈を捏ねずに納得させてしまうところが非常に良い。
人間にとって、死とは逃れられないものではあるが、意図せずに思いがけないタイミングです死は訪れる。亡くなった大切な人との再会は誰もが願うものであり、その願いが叶うとなれば、興味がひかれぬ訳はないのだ。
代官山の『つみきの森』という小さな会社で働く渋谷歩美は祖母から『使者(ツナグ)』の役目を引き継いで7年目となる。
様々な人びと死者との再会の場を作る歩美は……
幼い頃に生き別れて亡くなった父親との再会、歴史研究家が興味を持った過去の偉人との面会、亡くなった娘と再会する母親、かつて憧れた女性との再会……
本体価格710円
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ことぶきジローさん、こんばんは!
こちらの拙いレビューにいいねを頂き
今更になりますが、ありがとうございます。
この作品、私泣きま...ことぶきジローさん、こんばんは!
こちらの拙いレビューにいいねを頂き
今更になりますが、ありがとうございます。
この作品、私泣きましたよ…
ラスト、桜がいい感じで…
スゴく印象に残っている作品です(^^)
今回は、こちらからフォローさせて頂きたいので
そのご挨拶にうかがいました。
これからも、どうぞよろしくお願いします。
2023/04/29 -
かなさん。フォロー頂き、ありがとうございます。また、ご丁寧な挨拶まで頂き、重ね重ねありがとうございます。
この作品は泣けました。この歳...かなさん。フォロー頂き、ありがとうございます。また、ご丁寧な挨拶まで頂き、重ね重ねありがとうございます。
この作品は泣けました。この歳になると近親者の死が身近になり、心に染みる作品でした。2023/04/29
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前作を読んだのは10年前かいな。そりゃあ、どんな話だったか忘れてるわけだわ。
ということで、最初の話を読んでからだが、前作の自分や他の方の感想を読んで見て、少し思い出した。本の上では7年経っていて、ここに出てきた美砂は前作「親友の心得」で高校生の子だったわけね。
前作の感想に『今いちガツンと来なかった』と書いているのだけど、今作も二話目まではそんな印象。第一話の父と息子の姿は陳腐に思えたし、第二話の依頼人の独り善がりは滑稽に見えた。
心持ちが変わったのは第三話。子に先立たれた二組の親子の話は、ここに来てようやく再会に必然性があった話に思え、まとまりかたも良かった。
歩美のおばの台詞に『親だもん。そりゃあ、子どもに対して責任を感じない日なんかないよ』とあって、私は子どもにそこまでの感情を持ったことはなく、既にその時点でダメな親なのだろうけど、だからこういうちゃんとした親子関係を見ると自分の人生にかなり忸怩たる思いを持ったりもするのだな。
第四話で、作者自らが『死者に会うことは、誰かの死を消費することと同義の、生きている人間の欺瞞なのではないか』と書いているが、そうした疑問が拭えるような話になるのはなかなか難しい。
人が生きていく中では確かめたくても確かめることも出来ないことも多く、それでも迷ったり行き詰ったりした時に『あの人ならどうしただろうと、彼らから叱られることさえ望みながら、日々を続ける』ところに進歩や成長があるように思え、だから私には『直接聞くことがすべてではないのだ』と歩美が悟る第四話が一番しっくりくるのだった。 -
前作から7年後の続編 1話目が「え?ツナグ役変わったの?」と思わせてツナグ設定の再説明をしながら更に前作とのリンクまで!すごすぎます
ツナグに頼らなくても死者を思い生き続けることはできる そもそもの設定を否定するような流れに持っていく続編 本当に感服しました もしつづきがあったらうれしいな -
第一話から早くも前作からの繋がりがあり感動!!!
フィクションでありながら第三話の母の心得には実際にモデルがあったことに更に感動!!!
全ての話しを通して歩美がどんどん成長していく姿にも感動!!!
いずれにしても前作から続いている死者と生者との邂逅、また使者(ツナグ)と依頼者との邂逅、この『ご縁』をファンタスジックに、さりとて、より深みを増したダイナミックな描き方をされる辻村深月さんに脱帽です。 -
ツナグの続編ということでわくわくしながら読み始めたら、
1章から、え…??っていう展開で、続編??って疑ってしまいました。
ともかく読み進めていくとその理由も判明し、前作を読んだ時に感じたもやもやが少し晴れた気がしました。
まさかここで出てくるとは…少しは希望が見えたのかなと思いたいです。
小説を読み終える度に歩美が少しずつ成長していくのを感じて、それがなんだか嬉しく思えます。
もっとこの先も歩美たちを見守っていきたいです。(続編希望)