- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101391816
作品紹介・あらすじ
弱冠9歳。史上最年少で名門大に合格し、全米の注目を集めたIQ200超の天才・矢野祥は言う、重要なのは知能指数ではなくそれを活かす力だと。テスト勉強、妹とのケンカ、9・11テロについて思うこと……年らしい素直さで綴られた日記と、「子どもは誰もがスペシャル、教育には正解がない」と語る両親の想いを収録。一度きりの人生、何を大切にして生きるか――ヒント満載の一冊!
感想・レビュー・書評
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「僕、9歳の大学生!」
IQが高ければ良い訳では無い。
矢野祥。アメリカのオレゴン州生まれ。
4歳の時にIQテストで200以上と判定され、小学校に飛び級入学。9歳でロヲラ大学生物科に入学。12歳で卒業後、シカゴ大学医学部大学院に進学。09年、18歳で分子遺伝学と細胞生物学の博士号取得。更に、21歳で医学博士号取得。13歳から、シカゴ大学大学院にて、医師・医学科学者として勤務している。
まさに、天才に相応しい経歴。しかし、彼が大事にしていたのは、常に学ぶと言う事である。この精神こそが、IQの高さよりも大事だと。9歳にして、この地に足をつけた感覚、素晴らしい。
でも、恐らくだけど、地に足をつけようとしてつけているのではなく、ただ素直に学びたいと思っているのだと思う。本書(日記)には、勉強に関する記述がとても多いが“学びたい”“学ぶのが好き”だと言う感情が伝わってくる。と、同時に“ベストを尽くせば最良の結果になる”と考え、好成績を目指すなど意欲的でもある。所々、アメリカの大学生活を思いださせる。
驚いたと言うか、やはりそうなんだと思ったのが、あまりに能力が突出した場合は、壁にぶつかると言う事だ。天才であると、いくらアメリカと言えど飛び級教育に対して否定的な意見を持つ人もいるんだなと。彼らの意見も考慮余地ありな為、難しい所だが。
しかし、幸いだったのは、彼の周りには否定的な意見がほとんどなかった事だ。もちろん、両親の頑張りがあるのだけど、少なくとも大学の友人や教授は、いい人格を持っていたよう。
アメリカの大学は、やたらテスト、実験、プレゼンが多いからこそ、クラスメイトや教授との関係性はとても大事。その点、彼は恵まれたと思う。
本書には矢野祥の日記だけでは無く、両親の日記も含まれているが、これは必読だった。教育の見方として、十分ありだと思う。
矢野祥は、偉大な功績をあげる日に着々と近づいていると思う。根拠は、彼は常に学びたがっているからだ。その精神のプラスアルファとしてIQ200以上があるのだ。それは、力強く成長するはずだw
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IQが高く、9歳で大学生となった氏の日記と、ご両親の育児方針などが書かれている。とてもしっかりしたお子さんで、嫉妬なく読み進めることは難しい(笑)
本自体は、9歳時点での著者の日記が中心なので、日常のとりとめもないこと(9歳で大学へ行くことが日常の一部という子どもは少ないだろうが)としても読めるし、その年ごろの子どもがどんなことを考えているのか(ここまでいろいろなことを考えている子どもがいるかどうか知らないが)、という点からも読める。表現力の程度はあるにせよ、9歳ぐらいになってくると、大人と同様、いろいろなことを考えるようになっているのだろうと思う。
たとえIQが高くなくても、自分の子どもは、すべて親にとってスペシャルな子どもなんだよ、ということを直言された思いだった。
ご両親の教育方針も含めて、いくつか、はっとさせられることもあったので、それはこれから活かしていきたいと思うが、最初からIQの高い子どもとして登場するので、育児本としては中途半端。一方で、日本の教育制度の不自由さを感じさせる面も多く、飛び級という制度がある国の自由さや、教員たちの考え方の違いなども考えさせられる。
金曜日の午後と土曜日は、勉強せず、好きなことをする時間として、ピアノや水泳、菜園を作ったりというのは、よい習慣だなと思う。
[more]
(目次)
まえがき 何も良いことをしないで、歴史から消え去りたくない
父のまえがき なぜ日本の学校に入れなかったか
第一章 僕の生い立ち
Diary 2000.08.27-09.30
顕微鏡でバクテリアを見た/9歳のエッセイという先入観で読まないで/テコンドーの昇級試験でパンチ!/トマトを萎れさせてしまった/母さんの涙を初めて見た/小百合がハムスターを糊づけしてしまった/僕が尊敬するのは、マーティン・ルーサー・キング牧師
第二章 「祥の養育法15か条」(父・桂)
Diary 2000.10.03-12.31
デニーは愉快な19歳の同級生/「子供は大学にいるべきではない」という声/間違った実験からノーベル賞を受賞した白川博士/プレッシャー? そんなもの僕にはない/教科書のウサギが、ピンク色に塗られた
第三章 僕の両親とたった一人の妹・小百合
Diary 2001.01.01-05.04
狂牛病でドイツでは40万頭が殺される!?/ミミズの脳を顕微鏡で見た/父さんは日本のみかんしか食べない/避妊についての授業があった/タイガー・ウッズの集中力はすごい/僕も父さんの職場に行ってみたいな
第四章 わが子の幸福に願うこと(母・慶恵)
Diary 2001.07.01-09.14
母さんに叱られてしまった/小百合、カンニングをして罰を食らう/近所の子らとセミの抜け殻を集めた/クローン人間の見かけが悪かったら、殺してしまうのだろうか/テコンドーの赤帯昇級試験を受けた/ニューヨーク世界貿易センターが崩壊した
詩
「木の葉」「自由の塔」「喜び」「本を読もうよ」「強い山(岩山)」「愛は私の燃料」「友情」「皮膚に隠された兄弟」「僕のおじいさんへ」
あとがき 僕の夢・僕のこれから
父のあとがき
文庫あとがき -
4歳のときのIQ検査で200を記録し9歳で大学に入学した著者の日記と、著者の両親による教育論。ともすれば異端児扱いされかねない著者を、両親が熱心にサポートしていた様子が垣間見えた。著者のポジティブかつ勤勉であろうとする姿勢は、周囲のサポートによるところが大きかったのではないかと思った。両親の著者に対する愛情の深さは計り知れない。
だが、何よりも大事なのは、自分の可能性を信じることだ。著者は生まれつき高い知能を有しているが、それ自体に依存することなく、あくまで他の多くの人より大きな可能性があるにすぎないと冷静に自己を客観視している。自分の可能性を信じて、能力を過信せず、謙虚な姿勢でそれをフルに使い社会に役立てようとする著者の姿勢は、誰もが見習うべきではないかと思った。
「もし、これを読んでいるあなたが自信を失い「僕には無理だ。出来ない」と思ったときは、私が大学に申し込むときに母が私にくれた、「どうしてだめなの、別にいいじゃない」(Why not!)という言葉を自分自身に投げかけてください。人間の歴史は、私が9歳で大学に行ったこと以上に、もっと驚くようなストーリーで満たされています。私たちはみんな、自分が思っているよりずっと多くの可能性を持っていると思います。ですから、この本を読んでいただき、学生の方だけでなく、すべての人が、「どうしてだめだと思うの。私も(僕も)トライできる!」(Why not! I can try!)と自分を勇気付け、自分のやりたいこと、ゴール、目標に向かってトライし、充実した日々を過ごせることを願っています。」 -
賢い非凡な子供の話ではなく、両親の愛情に支えられて生活する普通の男の子の話だったところがとても良かった。偏見や嫉妬に負けないでと応援したくなる本でした。
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確かに凄い人なんだろうけど、まあ純粋な小学生が書き残した日記だなって感じです。両親の意見もありきたり。
特筆すべきはこの年齢で「人生の終わり」を意識している事。IQの高さ以上に天才児を天才児たらしめた考え方なのでしょう。 -
遺伝5割,家庭環境5割,身に染みる.
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3冊目です。
時間が空いてしまいました。
著者本人の日記形式の文章と、ご両親のエッセイのような文章で構成されていました。自分も日記を書いたほうがいいなと思いました。
それを後から読み返して、その時の自分の考え方について、また考えるといいと思いました。 -
恥ずかしながら、私が職業選択の際に考えていたのは以下2点。
・自分にとって好きな仕事かどうか
・福利厚生はしっかりしているか
矢野くんは違う。
自分に与えられたものを自覚し、社会に対して貢献しようという意識がある。
この本を読んで、社会を構成している一員として、自分の立ち位置を改めて考え、行動したいと思った。
自分の社会貢献できる特性はなんだろう(・・?)
面白い本です。