- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101397016
感想・レビュー・書評
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大音楽家バッハの生涯を豊富な写真や、バッハを演奏する音楽家たちのコラムを交えながらたどる一冊。
個人的にはクラシックにはさほど詳しくないのだけれど、写真に現れるドイツの風景や、バッハ時代の風俗、バッハ時代の音楽家たちの音楽活動の様子に面白く読み進めることができた。コラムも現代の音楽家たちの眼を通して、バッハの音楽のすばらしさを感じられるものだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「音楽の父」とも言われるヨハン・セバスティアン・バッハの生涯。
バッハの時代、音楽は音楽家自身や一般市民のものではなく、王侯貴族や教会のものであった。
作曲家/楽士はそうした権威に雇われ、音楽も権威者の好みや要請のもとで作られ演奏されるものであり、自由ではなかった。バッハも、自ら楽器を演奏したり文化振興に熱心な領主のもとで充実した音楽生活を送ったかと思うと、領主の新妻がたまたま「音楽嫌い」であったために予算を削られたり、新しい「就職先」を求めて就活をしたりしている。契約上、多数のカンタータを作って上演せねばならず、多忙を極めた時期もあったようだ。
そのような制約の中にあって、高潔で偉大な楽曲を数多く後世に残した。最後(例のライプツィヒ)はあまり恵まれた環境にはなかったようだが、思ったほど「死後、忘れられた存在」になったわけでもなく、息子たちも広く尊敬を集めたらしい。
著者はバッハ関係の著作が多数ある人で、図版の多い文庫本ということもあって気軽に楽しく読めた。 -
本書の特徴は、バッハの生涯を通史的に描きながら、美しい写真と識者のコラムが織り込まれているという非常に自由度の高い形をとっていることといえる。また文庫なので手軽に手に取ることができる。読者は、通史、写真、コラムという3つの視座で、ページを繰るに従い、より立体的にバッハ像に迫ることができるだろう。
当時の大学では音楽実技は教授されていなかったことが浮かび上がってくる。近代大学においては、「音楽」は理論的・史的に研究されるものであり、実技は別の専門機関で指導されるものだったのだろうが、この辺は別の資料で確認する必要がある。ちなみに息子のC.P.E.バッハは2つの大学で法学を学ぶ傍ら、音楽活動を行っていた。
アイゼナハ、エアフルト、ライプツィヒ、ワイマールといった都市には、いつか行ってみたい。
特にライプツィヒは、商業、大学、出版の中心地で、人文主義の拠点として今に至っているので心惹かれる。
http://www.europeana.eu/portal/record/08547/218C8A8A908923CFB4ECDF33EA7E911E44242F3D.html -
(1985.06.27読了)(1985.08.26購入)
*解説目録より*
揺ぎない生命力に溢れるバッハの音楽は人類の永遠の財産である。カラー写真を豊富に使い、バッハの人と芸術に迫るオリジナル文庫。
☆関連図書(既読)
「ドイツ音楽」クロード・ロスタン著・吉田秀和訳、文庫クセジュ、1966.02.10
「バロック音楽」皆川達夫著、講談社現代新書、1972.11.20
「J.S.バッハ」辻荘一著、岩波新書、1982.11.22 -
J.S.Bachの生涯を豊富なカラー写真とともに伝えていて大変面白い。巻末の作品表も手軽で参考になる。
現在手元に所有するJ.S.BachのCDその他合わせて363枚。府中町にLPレコード50枚近く置いているので400枚超。しかしよく集めたわぁ。それでもまだ聴きたい曲がありますが。。。その魅力は言葉で表現するのがとても難しい。