小ブネ漕ぎしこの川 (新潮文庫 の 7-9)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101410098

作品紹介・あらすじ

透き通った水に魚が跳ね、柔らかな風が川岸の葉を揺らす。子どもたちは橋から川に身を踊らせ、主婦が川端で野菜を洗う。ほんの二十年前、日本中で当たり前のように見られたそんな光景は今、どこへいってしまったのだろう。もう一度あの川へ、もう一度あの風景へ帰れないものか…日本の川を心から愛し、慈しみ、怒り、嘆く著者が語る失われゆく川へのレクイエム。

感想・レビュー・書評

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  • ガクの表紙がたまらないですね。

  • ガクを抱く著者の写真をあしらったカバーは失われ、新潮文庫特有のスピンは擦り切れた。それくらい読んだ。奥付は平成8年。それから26年が経った2022年、「幼稚で貧しい『自然観』を持った人間」はいなくなることはなく、ますますそんな人間に振り回される日本。例えば、溜池に柵がないから人が溺れた、なんて難癖をつけられる行政、難癖をつける住民。日本は終戦後から12歳の少年のままなのだろうか?1

  • 1992年頃の野田さんのエッセイ。友人たちとのカヌーやキャンプのことや、長良川河口堰問題で戦っていた頃のことが綴られている。

    インターネットの普及でこれまで垣間見えなかった情報を簡単にチェックできるようになり、長良の河口堰の効果をすこし見てみたのですが、クソでしたね。賛成した奴、本当に終わってる!「当時は分からなかった。」も断固として許されない!
    またアウトドアの規則が細かすぎることにも言及してて、がんじがらめの人間社会を離れてこれから自然遊びを満喫しようぜって時に、人間が出てきてこと細かく「ルールです。」なんて言われた日にはたまらないですね。気を使いたいのは「自然」に対してであって、「人間」に対してじゃないですからね。

    NZの自然遊びのことも書いてありました。NZは2度ほど訪れてますが本当に最高!!
    人生一度きりだし、NZで数年住んでみようかなってちょっと考えてみたりしました。

  • 1997年8月読了。

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著者プロフィール

熊本県生まれ。早稲田大学文学部英文学科卒業。在学中、ボート部で活躍。卒業後ヨーロッパを放浪。帰国後、高校の英語教師、旅行雑誌の記者を経て、エッセイストに。傍ら、カヌーによる川旅に打ち込む。これまでに日本の一、二級河川約200を漕破。さらに北米、ニュージーランド、ヨーロッパにまで活動範囲を広げている。長良川河口堰問題や川辺川ダム建設反対運動、吉野川可動堰問題などにかかわり、講演などを行う。

「2008年 『イギリスを泳ぎまくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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