- Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101425535
作品紹介・あらすじ
ペットの洋服作りの仕事が軌道に乗ってきた芭子と、パン職人の道を邁進する綾香。暗い場所で出会い、暗い過去を抱えながら、支え合って生きてきた。小さな喜びを大切にし、地に足のついた日々を過ごしてきた二人だったが、あの大きな出来事がそれぞれの人生を静かに変えていく。彼女たちはどんな幸せをつかまえるのだろうか――。心を優しく包み込む人気シリーズ、感動の完結編。
感想・レビュー・書評
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気に入ったシリーズ物だったから買った一冊。
マエ持ち2人組の話
残念ながらシリーズ最後の小説だった。
今まで支え合って生きてきた2人だが、地震をきっかけにそれぞれの道を進んでいく内容
あらすじを読んでなんだか残念な感じで2人は離れて行くのかなとかいろいろ思ったが、今までの様な関係ではなくなるが、2人の繋がりはそのままって感じだったので良かった。
この小説では地震の事が描かれていて、それが大きな出来事だったが、それ以外はそんなに大きな出来事もなく、2人の日常が描かれていてそれが実際にいる2人を描いている様感じがしてそれが良かった。
地震の事は作者が体験した事をそのまま組み入れているのでリアルでした。
今は北陸地方が地震の被害にあり改めて地震の怖さを感じた。
このシリーズをもう少し読みたかったので終わるのは残念な気持ちもあるが、このラストで良かったとも思った小説でした。
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ものすごく良かった。まさに完結編だった。
途中で休むとかあり得ない一気読みだった。
芭子と南くんが、仙台からの脱出する所を読んでると、体の中から重い気持ちの悪さがせり上がってきた。また震災の事を色々思い出した。やっぱり未だに私の中にドッカリと重く居座ってるんだな。と思う。
震災を通して芭子も綾香もそれぞれが変わったから、二人の関わり方も変わってしまう。綾香の胸の内を語る場面…綾香が切なくてウルッときた。
どうか芭子と綾香と南くんと…幸せになりますように。
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このシリーズもこの巻が完結編とは、何とも惜しい気がする。
著者があとがきで述べているが、3.11を経験することによって、全く予測しない終わり方となったとのこと。確かに2巻までとは、少し趣きが異なる3巻であり、むしろこのほうが二人に似合いの終わり方かなとも思う。
それにしても、3.11の記述に臨場感があると思ったら、著者の実体験だったとは。
読み進むにつれ、テレビドラマを観たせいで、主役二人の顔が場面場面で浮かんでしまうのはどうにも如何ともしがたい(笑)。もちろん、適役なのは間違いないが・・・
「まえ」から逃げていることを克服した二人が、数年後どのような生き方をしているか気になるので、続編も期待したいが。 -
刑務所暮らしを経験した女2人が、普通の生活に戻る。些細な幸せが落ちている感じで好きです。
終盤は3.11のテーマが続いて、そのとき自分はどうしてたのか思い出させられます。
笆子と南くんが東北から東京に戻ってくるタクシーのシーンは実際に乃南さんが体験された事だと知ってびっくりしました。
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前科(マエ)持ち女二人組シリーズ完結編。
仙台で東日本大震災に遭遇した芭子は、弁護士の南君との運命的な出会いを果たす。綾香は、修行中のパン屋を辞め、憑かれたように被災地ボランティアにのめり込む。震災を期に二人の間に距離ができ、人生が別れていく。
著者があとがきで書いているように、芭子の仙台での被災体験は、著者の被災体験をそのまま綴ったものだという。とてもリアルで筆致に迫力が有るのも頷ける。読んでいて、震災当時の事がありありと思い出された。
震災を期に出会った人に、自分が前科持ちであることを打ち明けることができて、やっと地に足の着いた生活ができるようになった二人。このシリーズに相応しいエンディングだと思った。 -
1巻目がとても優しい小説で、2巻目もそれを期待して読んだ。その概念は踏襲されているが、東日本大震災の渦に巻かれてしまい、それが非常に細かく描かれているところがなんとも強い印象を残してくれた。
巻末の解説に、それは作者自身の体験であることが綴られているので納得。
ただそれが起こったがゆえで、前半で起こっていたちょっとした事件について少し中途半端になってしまっているかもしれない。 -
読んでいて東日本大震災の頃に戻ったみたいな心境になった。緊急地震速報とかCMとか、当時の記憶や空気が蘇るようだった。全体的に、前二巻の方が何気なさの中の良さがあって好みだった。
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ううーん、筆者の3.11に対する思いは伝わってくるけど、もう少し物語に波があった方が面白かったかな??
南くんについてももっと掘り下げて書いて欲しかったなぁ。 -
3月11日を、そしてその後の生活を
ありありと思い出した。
芭子が強くなっていく姿が
頼もしく嬉しかった。
生きていること、噛み締めなければ。 -
ペットの洋服作りの仕事が軌道に乗ってきた芭子と、パン職人の道を邁進する綾香。暗い場所で出会い、暗い過去を抱えながら、支え合って生きてきた。小さな喜びを大切にし、地に足のついた日々を過ごしていた二人だったが、あの大きな出来事がそれぞれの人生を静かに変えていく。彼女たちはどんな幸せをつかまえるのだろうか…。心を優しく包み込む人気シリーズ、感動の完結編。
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人気シリーズの完結編という事に読んでる途中に気が付いた
不幸せになりません様にと
願いながら読みました -
何故か東北地震のときだけすごくリアルな書き方なので驚いたけど、本当に経験されたとは。
新しく彼氏で来たりあやさんと距離ができたり。かなり動きの多い内容だった。 -
ハコちゃん綾さんシリーズ3弾。
読み進めるにつれて、面白くなった。
1冊目は、なんかはこれという展開もなく、淡々と読んだ感じだったけど、2冊目は、地味ながらもいろんな事件?が起こって引き込まれた。
それで3冊目は、震災の話が出てくるなんて予想外でら、しかも超リアルだと思ったら、実体験を元にかかれていたかとは…
説得力の違う表現に引き込まれたのも、もちろんだけど、それでも、そこからの南くんの登場がなんとも言えず切なさが増して、良かったなぁ。
綾さんの最後の告白や、ニコイチだった2人が
それぞれに想い合いながらも、別の人生を辿っていく結末だけど、なんとも暖かな読後感だった。 -
再読。
なんにしても価値観とか人生観とかが変わるような
出来事ってあるよなあと。
自分も重ねてなんとなく身につまされたというか。 -
マエ持ち女二人組シリーズ最終巻。連作短編集。
過去に背負ってしまった罪を背負い、二人は本当の意味で再生に向けて、それぞれの道を歩き始める。
それにしても、罪を償うということ、命の重さを強く感じました。まさか、あの大きなイベントが関係するとは。 -
一気に、3巻読んでしまった。確かに3巻は、前2巻と、カラーが明らかに違う気がした。しかし、あの出来事以降、日本中が生きることについて考えたのかも知れない。
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刑務所から出てきた二人の女性。一人はペットの服を作り一人はパン屋で働く。ある日東日本大震災に巻き込まれそこから運命が変わっていく。これは乃南アサが実際に原稿を書くために仙台へ向かった時に偶然に体験した事を書いたそう。