- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101428024
作品紹介・あらすじ
いつの日か、この日本で本物のウイスキーを造る――。大正7年、ひとりの日本人青年が単身スコットランドに渡った。竹鶴政孝、24歳。異国の地で、ウイスキー造りを学ぶ彼は、やがて生涯の伴侶となる女性リタと出会う。周囲の反対を押し切って結婚した二人。竹鶴は度重なる苦難にも負けず夢を追い、リタは夫を支え続けた。“日本のウイスキーの父”の情熱と夫婦の絆を描く。増補新装版。
感想・レビュー・書評
-
朝ドラ「マッサン」のモデルともなった、
竹鶴夫妻の生涯を追いかけたノンフィクション。
“日本で本物のウイスキーを造る”、
その想いだけでスコットランドに渡った、竹鶴氏。
時代は大正、慣れない異国の地で、試行錯誤を重ねつつ、
一つ一つ、ウイスキーの真髄を紐といていきます。
帰国してからも、決して順風満帆なわけではなく、
周囲の無理解や資金繰り、立地など、様々な困難にぶつかります。
“一人前のウイスキー原酒に成長するまで、
辛抱強くいとおしんでやること。”
それでも決してあきらめることなく、プリンシプルも見失わずに、
その夢は寿屋(現・サントリー)と、ニッカにて結実します。
“酒”とはこんなにも慈しんで造るものなのか、
なんて、『風のマジム』ともシンクロしながら、、
あっという間に読んでしまいました、面白かったです。
ウイスキー、ここ最近ご無沙汰でしたが、
何かしら試してみようと、そんな風に感じた一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ニッカの創業者の生涯を小説形式で綴った物語。今期の朝ドラ主人公のモデルでもあるけれど、ドラマではさらりと描かれていたスコットランドでのウイスキー修業の描写が綿密で読み応えがありました。
そして何と言ってもリタさん。この方の日本に骨を埋めた強靭な意志と、余市で沢庵漬けや塩辛造りまで覚えるに至ったど根性に裏打ちされた探求心にひたすら敬服するばかりです。
マッサンとリタさんの生き方は決して器用とは言えないけれど、実りある生涯。つい楽な方に流れがちな自分をふと反省……。 -
日本のウイスキー史、サントリーとニッカの因縁、ニッカの由来等、興味深く読みました。
それに加えて、竹鶴政孝とその妻リタさんの絆を描かれているので、頭の中に鮮やかに竹鶴政孝の動く姿が浮かび上がります。
ふと気付けば私も父と同じウイスキー党になっていましたが、父にこの本とニッカの“竹鶴”をプレゼントしようかな。 -
朝ドラ「マッサン」のモデルになった、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴さんのおはなし。
サントリーのウイスキー工場見学には行ったことあるけどこれ読んだらより深く見学できそう。
初めてウヰスキーを日本で作り、商業化したその精神は並々ならぬもので凡人には成し遂げられないものだと思う。
ニッカウヰスキーを深く堪能したい。余市も行ってみたい。 -
竹鶴政孝 単身でスコットランドへ。ウイスキーを学びながら生涯の伴侶となるリタと出会う。
周囲の反対を押し切って結婚した2人。竹鶴は夢を追い、リタは夫を支える。「日本のウイスキーの父」の情熱と夫婦の絆を描く。 -
スコッチに嵌っていた頃、この小説を読んだ。日本のスコッチづくりに邁進する竹鶴、彼を支える妻のリタ。スコッチとともに味わいある夫婦を深く知った。
-
2014/12/12読了
-
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/743370 -
最近ウイスキーにハマったので読んでみました。
きっと人生は上手くいかなかったことが大半だったと思う、でも拘って生きることの素晴らしさを教えてもらった。
竹鶴さんのおかげで、今美味しいウイスキーが飲めてます。ありがとうございます。 -
NHKのドラマは見ていません。
竹鶴政孝とリタの出会いから亡くなるまでの物語です。
しかしウィスキーの歴史から日本に普及するまでの経緯が描かれていて、
とても興味深く読みました。
またウィスキーと言っても、以前はかなりの粗悪品が出廻っていたため、
その粗悪品に追従するべきか、品質を追求するべきか、竹鶴政孝だけでなく周囲のスタッフの苦労が描かれています。
またエピローグにもインタビューした関係者が記載されていますが、
周到に取材した様子がわかります。
本当に良い内容でした。ありがとうございました。