人魚姫のくつ (新潮文庫 の 10-1)

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  • 新潮社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101451213

感想・レビュー・書評

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  • ビー玉食べて大丈夫なのか・・・ってそこが気になりました。

  • 恋の甘さと残酷さにおろおろしつつも、冷静にさらっと読めた。現実が現実であるという冷酷さがびしっと書かれていてむしろ気分爽快…でもないか。お姫様のふわふわ感、妖しげな魔女の香り、ぷんぷん。<安定>と<不安定>の狭間を行き来して…女は、男は、人は、どこへ向かうのだろう。

  • あとがきの著者の最後の一言にちょっとぞわっとしたものを感じた。

  • 恋の夢と現実がよく描かれてるな〜って感じた。
    作者もあとがきで書いているけれど、恋は成就するものじゃないんだね。
    このお話では、恋してる時の軽くフワフワした気持ちと、その逆に妊娠し、結婚したら、とたんに重くなってしまい、人魚姫が1歩歩くたびに、足にナイフが刺さるように痛いのと同じように、現実を歩いてる、主人公、まり子の内面が、なんだかとってもわかるような気がした。
    主人公のまり子は、読んでいるとまるで現実を生きている感じがしなかった。
    恋人も、同時進行で3人いるし、またその3人を、昼間だけの付き合いだからって、Aランチ、Bランチ、Cランチって呼んでいるところが笑えたね〜。
    まさに現実感なく、恋人と付き合っているって事を楽しんでいるような感じ。
    実際、誰一人として愛してるって感情を持ってないようだったしね。
    それでも、恋はしてる。3人に。
    結局のところ、妊娠して、夫として一番相応しいと思えるCランチを選んで結婚するものの、子供の本当の父親が誰だからわからない事に、罪悪感もなく、
    子供の父親は恋だと思ってるまり子・・・。
    そして、結婚後の彼女の心の変遷が描かれてるわけだけど、やっぱり恋ってものは、現実性の無いもので、そこに現実が入りこむと、途端に重たくなって、恋とは別のモノに変化してしまうものなんだな〜って、つくづ思った感じです。
    それと、一番印象に残ったのは、母親と娘の関係についてかな。
    母親が娘に嫉妬してる部分を描いたところは、なかなか説得力があり、また、端的に描かれていて、その着眼性には驚いたし、なるほど〜って思わせてくれました。
    なんにしても、恋ってステキだけど、やっぱり一生、それを持って生きてはいけないものでもあるんだよね〜
    おとぎ話の中のお姫様のように、恋を永遠にはできないものね。なかなか楽しいお話でした♪

  • 野中柊は、中高生向けのお話の方が合ってると思う。

著者プロフィール

野中 柊(のなか ひいらぎ)
1964年生まれ。立教大学卒業後、ニューヨーク州在住中の1991年に「ヨモギ・アイス」で海燕新人文学賞を受賞して作家デビュー。小説に『ヨモギ・アイス』『小春日和』、『銀の糸』、『公園通りのクロエ』、『波止場にて』『猫をおくる』など、エッセイ集に『きらめくジャンクフード』など、童話に「パンダのポンポン」シリーズ既10巻(長崎訓子 絵)、『ようこそ ぼくのおともだち』(寺田順三 絵)、「本屋さんのルビねこ」シリーズ既2巻(松本圭以子 絵)、絵本に『赤い実かがやく』(松本圭以子 絵)など著書多数。『すてきなおうち』(マーガレット・ワイズ・ブラウン 作/J.P.ミラー 絵)など翻訳も手がける。

「2020年 『紙ひこうき、きみへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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