こちら、郵政省特別配達課(1) (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800172

作品紹介・あらすじ

いつでも何処へでも、あなたの荷物を届けます。東京でエリート公務員の仲間入りと意気込む八橋鳳一(やつはしほういち)が配属されたのは、特殊郵便だけを配達する部署だった。班長・桜田美鳥(さくらだみどり)の下、どんな物でもあらゆる手段で届けるのが仕事。ある時はトレーラーで一軒家を運び、高層マンションへ速達を配達するのは特殊はしご車で、終電後には深紅の新幹線を走らせる。そして、ダービー馬を出走時間に間に合わせるには!?──特殊任務遂行、お仕事小説。

感想・レビュー・書評

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  • 民間運送業者に対抗するため作られた、郵政省特別配達課。
    キログラムあたり40円の小包料金をどんな場合でも一律に適用し、民間企業には不可能な運送作業をなんとしてでも遂行する。
    陸海空の装備を駆使し、トレーラーで一軒家を運んだり、ダービー馬を出走時間までに間に合わせたり、特殊はしご車で高層ビルに速達を運ぶ。遂には、改造された新幹線までもが出てくる。

    郵便というだけあって、ちゃんと金額分の切手を貼るところや、運送に使われる車両や新幹線が赤に統一されているところにクスッとなった。

    どんなものでも届けるという、現実にはあり得ない設定の話だけど、中には現実に起こったら恐いなと思ってしまう話もあり、読み進めていけばいくほど、物語のなかに入り込める話だった。


    図書館スタッフ(東生駒):あおむし

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    帝塚山大学図書館OPAC
    https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/864396

  • 地元ががっつり出てきて走っているルートを読みながら情景想像出来て楽しかった。そんな無茶な、という内容ながら上手く纏められているのが凄い。

  • 依頼を受けたら何でも定時配達する郵政省特別配達課。ツッコミどころしかない。
    民間の宅配便サービスの隆盛に中央官庁が挑むっていう構図がそもそもわけわからないが、採算度外視、交通法規ガン無視の暴走カウンタック、皇居横断、はしご車まで使ってやりたい放題。極め付けの郵便専用新幹線「たより」には笑った。
    家も日本ダービー出走馬もプルトニウムも運ぶ。
    美人班長の桜田美鳥、新米男子の八橋鳳一、普段はマッタリやるときはやる和光課長など、わかりやすいキャラクター設定。
    ブットビすぎてておもしろかったです。

  • 表紙のイラストがイメージと違う
    服が変、背が高く見える

  • 郵政省が民間企業とガチで張り合ったら?という視点で書かれた、小川一水の「働く公務員」モノ。

    カウンタックの配達車、郵便専用新幹線、梯子車まで、次々に登場する特殊車両と、配達員の郵便魂が燃える。

    もともとはソノラマ文庫で書かれていた作品なので、ライノベルテイストのお話。いろいろぶっ飛んでますが、それもまた楽しい。

  • 2022/08/20-08/24

  • 東京でエリート公務員の仲間入りと意気込む八橋鳳一が配属されたのは、特殊郵便だけを配達する部署だった。班長・桜田美鳥の下、どんな物でもあらゆる手段で届けるのが仕事。ある時はトレーラーで一軒家を運び、高層マンションへ速達を配達するのは特殊はしご車で、終電後には深紅の新幹線を走らせる。そして、ダービー馬を出走時間に間に合わせるには!?――特殊任務遂行、お仕事小説。
    (2005年)

  • 2で

  • 細かいところは気にしない!とにかくぶっ飛んだ設定を楽しもうと割り切れる人にオススメ。次から次へと「え、それアリ〜〜!?」っていう輸送手段が出てくるので、飽きずにどんどん読めてしまう。

    ヒロインの美鳥は熱血が鼻につく感じで、とにかく仕事仕事!この性格は苦手な人もいるかも…?まだ登場人物のバックグラウンドが明らかにされていないため、2を読み終わったら愛着が湧くかなあ。

  • 良い!

    この飛んだ設定が何とも。
    五〇一系郵便新幹線〈たより〉が1番ツボだったな…

    お仕事のようであり、権力への抵抗のようであり。
    鳳一なかなかカッコいいじゃない。

    怪しげな感じで終わるスタイルかと思いきや、続刊あるのね。読もう。

  •  依頼されたものであれば、どんなものでもどこへでも、時間通りに届けます。スピード違反も構わず、時にははしご車で、時には自家用新幹線で、あなたの元に荷物をお届けにあがります。それが郵政省特別配達課のお仕事です。
     設定がかなり現実離れしており実現不可能ではあるが、お仕事小説感もあり、なくはないかなと思えてしまう。本書は4話収録の連作短編集。警察小説などのように重い話ではないので、軽い感じでサクサク読めてしまう。爽快感もあり息抜きにピッタリ。

  • ライトノベルのような軽やかさと勢いがあって楽しかった。
    ぶっ飛んだ設定だけれどお仕事小説感もある不思議な物語。

  •  アリスマ王とはちょっといやかなり違って、こちらはお仕事小説という触れ込み。お仕事小説はわりと好きなので手に取ったが予想をちょっと超えていた。宅配便に対抗して切手さえ貼れば予算度外視して家一軒から競走馬まで運ぶという架空の設定。ありえないお仕事としては図書館戦争を想起させる。内容はまじめに論ずるほどのものではないので、こういうのはキャラに親しめるかがカギなのだが、まあ鳳一君と美鳥さん悪くないけどもうちょいだなあ。アリスマ王の諸編で感心したテンポのいいやりとりの域に達していないのが残念。

  • なんでも届ける特別配達課の話。熱意はすごいが手段も無茶苦茶で、勢いばかりな気がする。
    2017/6/24

  • ドタバタお仕事コメディ。
    ライトな内容は良いけど、リアリティなさすぎるなぁ。
    公務執行妨害、傷害事件、無免許運転、スピード違反…仕事という名目で、どれだけの犯罪を犯したのでしょうか。
    そして何よりコストがかかり過ぎ。何か陰謀があるみたいだが、こんなこと続けてたらどう考えても採算取れないのでは?
    小川一水さんの真面目なSFが読みたいよ〜。

  • 私の小さい時には、いあのように輸送関係は、列車で運んでいたと思う。
    もっと前は、今のJRが、国鉄の時であった時、駅から駅だったのでは、、、

    そして今のように冷凍食品を送るクール便なんか夢にも思わなかった。
    今年の正月は、30日の夕方に届いたお節を食べながらこの本を読んでいる。

    昭和22年郵政法第1条が、最初に書かれていて、本当に送れたら面白いかも、、、、と、
    病院の傍へ自宅の家を、馬、プルトニュウム、ワイン、、どれもこれも、予想外の展開。
    そして最後の郵政省のビルの一室での言葉が、、、連載への道を教えている。

    しかし、お正月、成田山の初詣へ行った時も、境内の端で、年賀はがきを販売していた。
    確か、昨年2016年 12月30日迄、郵便局は開いていたけど、、、、ほどんど正月休みなしなのが、可哀相な気がした。

  • 現実離れしたお届け方法。
    家とか馬とかスケール大きくて破茶滅茶で面白かったです。
    続きでまた一波乱あるかな?

  • 市図書館にて。

    なんでもありなので文句をつけるのは間違いだとは分かっているが、H-IIAで月まで行くのは勘弁してほしかった。核廃棄物を宇宙へ放り出すなんて、日本の立場でできるものではないと思う。JR西日本の新幹線試験車両が出てきたり、MOX燃料が浜岡にあったり、想定が10年以上古いような。そもそも大きな省庁を、なんていう思想を今さら持ち出されても白けてしまう。

    朝日ソノラマの再録だったようで、時代背景を納得。きわめて健全なSFだった。というか郵政民営化前だよ。現代、近未来SFで読み手の変化を20年耐えるのは難しいのだろう。大きな政府の閣僚へのあこがれは人類の変わらぬ夢ではなかったのだろう。
    再録であることを付記しない理由はあるのだろうか。想定しているのは、本文のみで気づく読者、小川一水のファンで再録など知っていて当たり前の読者、時代背景など気にせずこのキャラかっこいいと読む読者。私は仮想読み手ではないのだろう。

  • ちょっと、法律違反を当たり前にしちゃう部分に、共感できなくて、きつかった。
    平気で人を殴る人間が”正義”とか”人命優先”とか言っても、納得できない。

  • まんま「熱血少年マンガ」のノリ(^ ^;

    ありえへん設定に、ひたすら頑張る登場人物、
    次々襲いかかるピンチに「これでもか」というほどの
    「秘密兵器」の数々...と、

    正に清く正しい少年ジャンプの世界(^ ^;

    アホらしいと言えばたいへんアホらしいが、
    ドタバタ物と思って素直に読めば、まぁ面白い(^ ^

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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