- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101800240
作品紹介・あらすじ
湖から一夜で消えた軍艦。秘されたロマノフ朝の謎。箱根、富士屋ホテルに飾られていた一枚の写真。そこには1919年夏に突如芦ノ湖に現れた帝政ロシアの軍艦が写っていた。四方を山に囲まれた軍艦はしかし、一夜にして姿を消す。巨大軍艦はいかにして“密室”から脱したのか。その消失の裏にはロマノフ王朝最後の皇女・アナスタシアと日本を巡る壮大な謎が隠されていた――。御手洗潔が解き明かす、時を超えた世紀のミステリー。
感想・レビュー・書評
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整理しながら読むと、分かるストーリーだが、少し難しい本だと思う。でも、どんどん謎が分かっていくたびに少し興奮して、面白かった。
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大正時代の日本、箱根芦ノ湖に突如現れ、一夜にして姿を消した巨大軍艦の謎に御手洗潔が挑む。相変わらずスケールが大きくて夢のあるミステリだなあ。ロマノフ王朝最後の皇女、アナスタシアの生存説も、ロマンがある。
自らをアナスタシアだと主張した「アナ」という女性が実在したことは知らなくて、読み終わるまで島田さんの創作かと思っていた。思ったより史実が含まれていて驚いた。
(小説内の)真実は切なくて、救いがなくて辛い。アナスタシアの過去はただでさえ重たいのに、ちょっと描写がくどいかも・・・。ところどころ展開が無理やりな感じもしたけど、歴史ミステリーとしても楽しめた。 -
文庫になるのを待っていたので購入
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人が死なない御手洗。おどろおどろしてないし。
爽やか。最後は恋愛小説か、もしくは伝記みたい。
アナスタシアに纏わる話は今回初めて知った。
歴史の解釈としても面白い。もしかしたら本当にそんな人生とドラマがあったのかも。
歴史の謎まで解いちゃう御手洗潔、
彼はその時暇だったからみたいだけど、ちょっと新鮮。 -
ロシア最後の皇帝ニコライ2世の四女アナスタシア「生存説」を下敷きにした歴史ミステリ。実在の「アナスタシア」僭称者のアンナ・アンダーソンをめぐる描写は一応史実を元にしているが、ロシア革命・内戦やシベリア出兵の時代考証や、(「生存説」の「証明」に援用する)脳科学・脳障害の理解は、いかにも付け焼刃の知識の継ぎ接ぎで、あまりにも大雑把すぎてつっこみどころが多い。表題の「幽霊軍艦」のトリックは「よくぞそこに目をつけた」と感心する事実がネタ元だが、これも実は(物理的にも歴史的にも)無理がありリアリティを欠く。フィクションとはいえ、歴史修正主義や陰謀論の手口(部分的に正しいピースを恣意的なフレームに当てはめる)で作られた歴史像は非常に危険である。