- Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101800646
作品紹介・あらすじ
クラスの女王に媚を売り、カースト底辺はイジり倒す。それが殺された人気教師の素顔だった。犯人候補は多数。警察が捜査を始めた矢先、保健室に謎の手紙が届きだす。明かされる上位メンバーの過去、裏切り、そしてイジられ役からの悪魔誕生。1年D組に復讐ゲームが始まる中、第二、第三の死者も発生し……。すべてを計画した“神”は誰だ? 衝撃的結末の学園バトルロワイヤル!
感想・レビュー・書評
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堀内公太郎さん初読みの『スクールカースト殺人教室』の概要と感想になります。
カースト制度と聞くとピラミッド型をイメージする方が多いと思いますが、本書のスクールカーストは菱形に近い構図で幕を開けます。
とある有名私立高校の1年D組は、磯神ことり(イソジンちゃん)がクラス委員として中立な立場を取りつつ、他のクラスメイトは中心的な立場の男女を筆頭に劣悪な学校生活を過ごしている。そんな日々の深夜に担任教師が何者かに殺害される事件が発生。事態は警察やマスコミまで巻き込む騒ぎに発展しつつ、次第にスクールカーストの構図は無惨にも形を変えていく。まるで全てが誰かに操られているかの如く…。
浅倉秋成さんの『教室が、ひとりになるまで』と似ているものの特殊ミステリ枠ではなく、米澤穂信さんの『儚い羊たちの祝宴』に似たおぞましさを感じさせる本作。始めは読む手が進まなかったですが、中盤以降は気になって加速しました。
全体的に読みやすい印象ですが、暴力的な表現が苦手な方はご注意下さい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ある朝、高校1-Dの教室で、担任教師の死体が発見される。この事件をきっかけに、クラスのスクールカーストが歪み始める。
人気教師と思われていた男は、クラスの女王に媚び、底辺はいたぶるという表裏がある最低教師。
女王グループは、高校生とは思えぬ残忍さで、反抗する者に容赦ない。
警察介入で捜査は進むが、登場人物それぞれ怪しい。テンポ良い怪しさ。短い描写だけど生徒や教師陣のポジションが分かりやすく、想像が膨らむ。
真の犯人は、どーしてもそうなりますよねというところですが、とにかく下衆な烏合の衆。
小説として読むには、どんな下衆でも良いのですが、昨今信じられないような、イジメ事件がニュースになったりしていますと、カーストバトルは本気なのかと複雑な思いとなります。 -
登場人物の説明もよくされていて、想像がしやすく、とても読みやすかった。最初のタバコを注意するシーン。とてもわかる。言いたくても言えない。間違えてるのは向こうなのに、注意したこちらが異常だとゆう扱い。正しい自分が損をする。世の中はそうゆうもんだよ。見て見ぬ振りが世の中の当たり前だとは思いたくないけど、実際は本当にそうだなと思った。面白かった!
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思春期特有の生々しい内容が続く。
スクールカーストという割と最近言葉が定着してきているが、以前からなんとなしに感じている部分だと思う。
正味読んでいて面白いかと言われたら微妙に感じたが、ストーリー的には好き -
この人の本、毎回思うのですが、既視感の非常に強いプロットです。スクールカーストの頂点にいる女王とその取り巻き、下層部のメンツへの激しいイジメ、そして、カースト上位のメンバーの不都合な事実が露呈されて、、、という展開がメイン。
正直、これってケイタイ小説とかそれを漫画化したWEBデスゲームマンガっぽいです。ただ、それにミステリらしい捻りと、事件性、警察側の心象風景などを盛り込んでおり、楽しめます。
救いのない話であることは作者らしい。 -
ん〜…まさに学園バトルロワイヤル!
「スクールカースト殺人同好会」のラスト「ことり」
が気になり続けて本書を手に取ったけれど…残忍極まりない。
途中で読むのを辞めたくなりながら真実を知りたくてなんとか読了。
堀内公太郎さん特有の次々展開していくスピード感に読まされてしまうが、内容はかなり残酷。
そしてラストを読んでやはり「ゾワッ」
なんとも言い難い…おぞましい -
今から4年前、発売当初に読みました。
超絶ドロドロ。読んだ後は重くて暗い、そんな感情になりました。
イジメの仕返しをするシーンでも気分がスッキリしない。
ただ、こういうカーストは(ここまで馬鹿で酷くなくても)どこにでもあるなと思います。
ミステリーとして楽しむ、というより、スクールカーストの崩壊を楽しむ、という気持ちで読んだ方が面白いと思う。 -
高校を舞台にしたリアリティのあるミステリー。何となく結末は予想出来たのだが、最後の台詞にゾッとした。
男性高校教師が深夜に何者かと学校で待ち合わせをするが、翌朝、死体となって発見される。人気教師の裏の顔は、クラスの女子生徒の機嫌を取り、底辺生徒には冷たい仕打ちをする依怙贔屓教師だった。生徒、同僚教師の誰もが怪しく、なかなか進展しない警察の捜査。果たして、犯人は…
『森くま』以来、次第に過激で、ハードになるストーリーに驚いた。