トリガー ―国家認定殺人者 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801865

作品紹介・あらすじ

「正義」を決めるのは───唯ひとり! 射殺許可法。犯罪ゼロの国家を目指すため、「日本国」国王によって制定されたものである。各都道府県に一名ずつ配置された者には拳銃所持が許され、悪と見なせば射殺することが認められている。婦女暴行、銀行強盗、連続幼女殺人など様々な悪事に引き金がひかれる。だが、ついにトリガーに復讐の刃が向けられる日が。──「正義」と「悪」の神髄を問う、近未来ハードアクション!

感想・レビュー・書評

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  • トリガー 国家認定殺人者
    板倉俊之

    ∞----------------------∞

    お笑い好きの姪が貸してくれた小説。

    各都道府県に1人ずつ選ばれるトリガーと呼ばれる人物。悪と判断した人物を射殺しても良いとされる。試験では脳波を調べられ、国王自らが選ぶ。

    射殺許可が個人の判断でかなり簡単なので、人によってはかなり恨みも買う。トリガーじゃなくなったら(期限1年)襲われるとか、この世界ではあるあるなんだろうな。後の保証もちょっと必要な気はするよね。護衛をつけるとか。
    その判断も悩みに悩んでだったり、人は殺さないと決めてたりする人もいるので、どの都道府県で過ごしてるかで感覚は全然違いそう。

    整形してトリガーの振りをする事件は酷かった。サラッと良い話もあればこういう気持ち悪い話もあって、想像力豊かだなと。
    実はお笑いの方のネタの記憶が無いんだけど...

    国王が殺された時に拍手を送った人々は、その後も居心地は悪いんだろうな。そして元トリガー三上もどうしてるだろうか。

    2023/10/19 読了

  • インパルスのコントでもありそうなやり取りや板倉さんらしさも含んだハラハラドキドキ感が楽しめる作品!
    短編集にも関わらず、殆ど一気読みする位世界観に入り込んじゃいました。
    トリガーになっていい面だけではなく、悪い面……苦悩や闇、嘘に復讐……といった部分もしっかり描かれているのも好きなポイントです。
    元々板倉さんの別の作品をとある方から勧められていたのですが、つい先にこちらを読んじゃいました(笑)
    板倉さんの他の作品もとっても気になる位楽しめました!

  • 国王制となった日本において、犯罪件数を減らすために創設されたトリガー制度。トリガーに認定された者は「悪」と判断した人間を射殺してもよい法律が制定されたというサスペンス。
    短編集なのだが、連作となっており前に登場したトリガーの名前があがったりするのは好みの構成だ。しかも最初はトリガーが悪を撃つという内容だったのが、制度を悪用したり逆に殺してはいけないという態度のトリガーが出てきたりと徐々にバラエティに富んでいくのも面白い。
    連作短編集らしく最後は総まとめっぽく終わっていくのもなかなか憎い演出だった。バイオレンスがありつつ、ヒューマンな温かみにも溢れていて、さらに現代社会を風刺する表現もあったりして。特別な映像とかはほとんどいらない内容だから、映画にしても面白い。

  • 無茶苦茶な設定だけど、これくらいの方がわかりやすいし、正直に言って面白かった。

  • 設定が面白く、章ごとにオムニバスっぽくなってるけどちゃんと最後に繋がるところが良かった。ただ、ちょっと厨二感が拭いきれない部分もあり。

  • インパルス板倉氏の闇部分が出た感じで道徳的にツッコミどころはあるけど、エンタメとしては十分。加瀬と大内の話がわりと好み。

  • 面白い!!!

  • デスノートの時も思ったけど、思い通りに人の生死を操れる力をとても羨ましく思う。それだけ殺意を感じるストレスフルな現実を生きているということだけれど。しかし実際にこういう力を得た者は必ずしもうまくいかなくなる。そこにドラマが生まれるのが面白い。板倉氏は銃の知識も豊富。見事なストーリーテラーだと思う。いろんなトリガーを描けるのがすごいと思った。

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著者プロフィール

吉本興業所属。お笑いコンビ「インパルス」のすべてコントの作・演出を手掛けている。2009年、初の小説『トリガー』を発表。その他の著作に『蟻地獄』『機動戦士ガンダムブレイジングシャドウ』『月の炎』シリーズなどがある。

「2021年 『鬼の御伽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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