呪殺島の殺人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 416
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801926

作品紹介・あらすじ

遺体と、この手のナイフ──犯人は、まさか僕? 秋津真白は、伯母・赤江神楽の遺体の前で目を覚ました。だが、全ての記憶がない。ここ赤江島は、呪術者として穢れを背負った祖先が暮らした島。屋敷には、ミステリー作家の神楽に招かれた8人が。真白の友人で民俗学研究マニアの古陶里の他に、顧問弁護士、ジャーナリスト、担当編集者、旧知の三姉弟たち。伯母を殺めた犯人はこの中に……。真白と古陶里ペアが挑む、新感覚密室推理。

感想・レビュー・書評

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  • 秋津真白は、ミステリー作家の伯母・赤江神楽の遺体の前で目を覚ました。記憶を失った状態で。
    ここ赤江島は、呪術者として穢れを背負った祖先が暮らした島であるという。屋敷には、神楽に招かれた8人が。伯母を殺めた犯人はこの中に……?


    呪術を使う一族が穢れを背負って島流しにされたという、呪われた島で起こるクローズドサークル連続殺人事件を描くミステリ小説です。珍しいのは、主人公が記憶喪失という所。

    気が付いたら、目の前で人が死んでいる。状況から考えて、自分が殺したとしても不思議ではない。でも全く記憶がない。自分の名前も、ここがどこかも、何でここにいるのかもわからない。嵐のせいで館からの脱出も難しく、警察も来ない。
    巨額の遺産や呪われた一族が絡むドロドロした舞台設定は、ミステリファンならテンションが上がります。
    ただ、普通ならパニックになっても仕方ないそんな状態なのに、主人公がやたら能天気。緊張感はないし気が抜けて、好き嫌いは別れるかもしれませんが、やたら怯えられても話が進まないし、これはこれでキャラが立っていて良い気がします。
    そんな主人公事情もあって、「呪殺島」という設定のイメージよりも読み心地は軽め。ライトに楽しめます。

    心の声が多いわりに主人公の内面の掘り下げは少なかったかなと思うので、続きの作品などでされるのかな。またいずれ続きも読んでみようとおもいます。

  • これは、割りと序盤から展開が読める一冊だった。が、主人公?の2人の素性とキャラが深掘りされないままでこれもまた、もやもや。いまいち不完全燃焼です。

  • どんどん殺人が起きていく。これは全部呪いのせいなのか?という話。正直、あまり期待せずに読み始めたが、思っていたより面白かった。

  • 呪殺島の殺人
    すごい、6文字のタイトルなのに1/3が殺という字だ
    なんなら「呪殺殺」と1/2が不穏な字

    で、どれどれと読み始めてみたら文章はめっちゃ軽い!
    主人公の一人称語りでお話が進むのだけど、その主人公のぽやーっとした感じがまぁゆるい事

    タイトルの通りにちょっとおどろおどろしい展開になっても、この軽さであまり重苦しい雰囲気になり切れないところなんかは、長所でもあり短所でもありってとこでしょうか

  • 作家・赤江神楽の出版記念パーティのために孤島を訪れた、編集者、弁護士、ジャーナリスト、遠縁の三姉弟、そして甥の真白とその幼馴染みの古陶里。密室で神楽の遺体が発見される。側には真白がいたが、殴られて意識を失い、目覚めたときには記憶を失っていた。そして、嵐の孤島で次々と人が殺されていく。
    お馴染みのクローズドサークル。記憶喪失も使い古されてはいるが、ここではうまく作用している。「呪い」がもたらす雰囲気も効果的。古陶里は口調や服装からしてあざとすぎる気もするが、とぼけた語り手の口調がそれを和らげている。編集者がなかなか面白いキャラでよい。

  • 孤島の中の屋敷を舞台にした、いわゆるクローズドサークルものなのですが、何かちぐはぐな感じで、様々な要素が上手くかみ合ってない気がしました。

    序章の叙述トリックと赤江神楽の手紙には、納得するものがありましたが、肝心の新感覚密室推理の部分が私的には・・・微妙で。記憶喪失を絡めてはいるが、まず、どういった部分が新感覚なのかという思いがあったのと、内容自体が、既に割と良くあるパターンの一つなのではないかという思いがありました。

    物語も、被害者が増えていくわりに、緊迫感が薄めだったり、それぞれの犯行理由も納得しづらいと思えたり、登場人物のやや特殊な設定も共感しづらかったですね。

  • 偽物の正体がほぼ最初でわかってしまうのが、なんとも。
    その他はトリックも話も面白かったので、そこだけが残念。

  • 当初、ライトノベル感覚でサラッと読める感じかな、と思っていた。でも、読み進めるうちに、伏線が張り巡らされて、見事に犯人に翻弄され、ハマってしまった!大好きな東川篤哉さんを彷彿させる、ユーモラスなノリもあり、しっかりとしたミステリーになってて、大満足の一作品だ。最後に、知りたくてうずうずしていた部分に、あと一息で辿りつきそうな時に、終わっちゃうって言う感じがまた、良かった!!あ〜、知りたい!

  • ○○の殺人という本は反射的に買ってしまうというクセがあるので本屋さんで見かけて購入。
    クローズドサークルものということで設定は大好きなこと確定笑
    読み始めるとかなり砕けた言葉、話し言葉で書かれていて慣れていないから読むのには苦戦しました、、、

  • 嵐の孤島。呪われた一族と密室殺人。ミステリ好きなら気分の上がる設定で、途中までまあまあ良かった。
    でも、ラストが雑!!!死亡順の誤認も深く語らず終わらせて呪いで包んでおしまい、って感じで風呂敷畳めきれてない感じ。
    明らかに叙述を仕込んだ書き方も、都合のいい記憶喪失も、ところどころの軽さも、ラストを期待していた分がっかりに回るのは仕方ないかなー。読みたい本のシリーズ1作目ということで読んでみたものの、続きを読むかは考えることにします。

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