四元館の殺人 ―探偵AIのリアル・ディープラーニング (新潮文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101802206

作品紹介・あらすじ

今度の舞台は雪山の館。驚天動地の犯人、爆誕⁉ 「犯罪オークションへようこそ!」。犯人のAI・以相(いあ)が電脳空間で開催した闇オークション、落札したのは従姉を殺され復讐を誓う少女!? 以相の企みを阻止すべく、探偵のAI・相以(あい)と助手の輔(たすく)が辿り着いた先は、奇怪な館、四元館(よんげんかん)だった。連鎖する不可思議な殺人事件。人工知能の推理が解き明かす前代未聞の「犯人」とは!? 本格ミステリの奇才が“館ミステリ”の新たなる地平を鮮烈に切り開く!

感想・レビュー・書評

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  • 2024/03/04読了
    #早坂吝作品

    探偵AIシリーズ第3弾。
    人工知能AIの犯人以相と探偵相以の対決?
    雪山の四元館で起こるクローズドサークル。
    第1弾がこのミスに選定されていたので手に取ったが
    ちょっと世界観が・・・
    ○○○殺人事件もそうだけどとにかくブッ飛んでる。

  • 探偵AIシリーズ第三弾。
    雪に囲まれた山荘で殺人事件が次々と発生していく長編シリーズ。連続殺人が発生しその犯人を暴いていくという基本的なストーリーながらもその真相がぶっ飛んでいた。しかしその内容もAIというものをテーマにした今作ならではの内容だなぁと感じた。真犯人がまさかのAIが組み込まれた館自身という結末にはとても面白かった。そして伏線の張り方がとても面白く、若干無理矢理な所はありつつもそれをあの衝撃で吸収しているところが飽きずに読めて楽しかったです。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    合尾輔:島崎信長
    相以:伊藤美来
    以相:喜多村英梨
    四元錬華:豊田萌絵
    四元凜花:坂本真綾
    四元欽一:茶風林
    四元銀子:渡辺久美子
    四元銅太:田村睦美
    四元カトル:大原さやか
    三名本光:古川慎
    五代守:能登麻美子
    二村:前野智昭
    一ノ瀬:瀬戸麻沙美
    伊山久郎:銀河万丈

  • 「犯罪オークションへようこそ!」
    犯人のAI・以相がオンライン上で開催した闇オークション。落札したのは従姉を殺された復讐をしたいと訴えた少女だった?!その模様を目撃した探偵のAI・相以と助手の輔は、依頼者が住んでいる場所へと向かう。彼らを迎えたのは、山奥に建つ奇怪な館・四元館(よんげんかん)で──。

    雪山×館×遺産相続争いという王道設定に、AIの探偵と犯人が飛び込むという前代未聞のミステリ!四元(よつもと)家の遺産を継ぐのは10歳の錬華。父は7年前に失踪。母はこの館を遺して病死。それ以来、財産を奪おうとする親戚たちにつけ狙われているという。昨年にはここで従姉・てとらが残雪の只中で刺殺された。周囲には足跡も足場もないところでの不審死。てとらを殺したのは誰か?!そして、その犯人が見つかった時、復讐は果たされてしまうのか?!

    今回はレギュラーの左虎刑事たちは登場せず。相以と輔コンビだけで事件を解決しなければならない!警察も医者もいない中で、人間の助手・輔ならではの成長が見られてよかった。相以と以相という真逆の存在ながら、どこかで通じ合うものがあるという描き方も上手い。お助けキャラの以相推しメイド・一ノ瀬とのかけ合いも軽やか。今までで一番サクサク読めるかも?

    AI探偵&犯人と館ミステリってどうなんだろう?と思っていたら、館という概念をぶち抜いてきて笑ってしまった。館という奇妙な匣に期待するのがファンなわけだけど、この作品らしいびっくり箱になっていて楽しめた。荒唐無稽文化財に指定したい。

  •  AIが犯人。
     AIが探偵。

     こういう作品が出る時代になったんですね。

     犯行をオークションで募集するAIが競り落とした犯罪は本当に子供が落札したものなのか?

     そこから始まる事件は大変に楽しゅうございました。

     これからこうした作品も増えるんでしょうね。

  • シリーズ3作目
    今回は探偵AI VS 館ミステリーあるある??
    3作目ということでキャラクターも頭に根付いてるので読みやすいし一気に読めた!

    いろんなミステリー作品があるけど、こんなにぶっ飛びミステリーは滅多に出会うことがない!さすがは本格ミステリーの奇才!早坂吝〔はやさかやぶさか〕先生!読み方を今知ったのが嬉しくてカッコ書きで書いてしまった!

  • まぁヒントは全編に散りばめられてるんだけど、ミステリーでこれをやったらダメなんじゃないかなぁ。

  • 探偵AIシリーズ第三弾。ベーシックな雪の山荘と遺産相続と、AIの水平線思考を伏線とした近未来型ミステリ。
    途中で、「驚愕の犯人」のようなアオリを思い出してしまい、真相は連想できてしまうがなかなか凝った造り。前作から時間が経ち、なんか話がうろ覚えなのだが、厨二心をくすぐるような雰囲気で面白い。

  • AIによる殺人だとは想像できなかったので凄いびっくりした。AIや食べれるロボットなどこれまで色んな要素が出てきたけど誘導エラストマーの家が一番魅力的だった。
    あまり現実味がなかったけど想像してなかった結末で読んでて面白かった。

  • 犯罪をコーディネイトするAI・以相。その能力を生かし、ある闇オークションを開いた。落札した者には、知恵を授けるという。落札したのは、従姉が殺されたことで復讐したいという少女?。それを阻止すべく、探偵AI・相以と助手・輔は、その少女が住むという四元館へ向かった。そこでは新たなる殺人事件が開こうとしていた。


    「〇〇館の殺人」ということで、興味をそそるタイトルに思わず購入してしまいました。本作品はシリーズ3作目で、個人的には初めてでしたが、普通に楽しめました。
    が、過去の2作品を読んでからの方が、より楽しめるのではと思いました。

    ミステリーではお馴染みの「館もの」で、絶壁という閉ざされた空間、外部と繋ぐのは吊り橋だけ、通信が切れたなど、クローズドサークルではお馴染みのあるあるが盛り込まれていて、興奮度は増すばかりでした。

    その要素にAIという近来的な要素が加わると、今までとは違った楽しみ方があって面白かったです。

    本格ミステリーとして考えると、変化球でちょっと・・・かなと思いました。他の方のレビューを見てみると、第1作目からの流れでいくと、犯人もそういった傾向があるということなので、読んでみたいと思います。

    途中参加からなので、犯人やトリックが意表をつくものばかりで、うーんと思う反面、新鮮味もありました。

    約280ページで、中盤あたりから推理を始めるのですが、残りの量で大丈夫かなと思いました。そしたら50ページくらいで犯人が確定。そこから怒涛の如く、披露していくので、もう少しじっくり味わいたかったなと思いました。

    トリックとしては、やや強引かなと思いましたし、犯人がわかってからは、なんとなくラノベっぽいアニメ映像が浮かびました。理由としては、現実的よりはSFっぽい展開が頭の中で駆け巡ったので、生身の人間よりもアニメのようなキャラクターが浮かびました。

    考え方が平行的な二体の相反するAIが今後どうなるか楽しみです。

  • ずっと気になってた3作目!1作目から追いかけて、やっと読めました。

    そしてとても面白かった!中盤まではゆるゆると進んで何も起こらず…「あれ?残り少ないな?」って思ってきたら事件が起こり、そこからは早かったです。

    ところで、これ犯人わかる人いるのですかね?いたら凄いな。私は全然わからずに完敗でした。むしろ推理と犯人を聞いた時、声を出して笑ってしまいました。だってそれ、全然思い浮かばないもん。笑

    あと、以相様がツンデレにしか見えなくなってきました。笑 相以と仲良く話すシーンはありませんが、2人にしか分からないような合図というか…息があっててすごかったです( 帰ってきて、語彙力 )

    若干なんでもあり感が出てきて.「そんなのあり!?」てなシーンが増えてきましたが、面白さは変わらないです。AIに少しは詳しくなれたかな。

    続きが出たらぜひ読みたいです。

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著者プロフィール

早坂 吝(はやさか・やぶさか)
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。
2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞し、デビュー。
同作で「ミステリが読みたい! 2015年版」(早川書房)新人賞を受賞。
他の著書に『虹の歯ブラシ 上木(かみき)らいち発散』『RPGスクール』『誰も僕を裁けない』
『探偵AI(アイ)のリアル・ディープラーニング』『メーラーデーモンの戦慄』などがある。




「2019年 『双蛇密室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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