巫女島の殺人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101802305

作品紹介・あらすじ

禁忌を犯した僕ら──死の連鎖は神の怒りか? 瀬戸内海に浮かぶ千駒島(ちこまじま)では、巫女が死者の魂を呼ぶ秘儀が今も行われている。その島から、僕が通う大学の研究室に、隠蔽された過去の事件と新たな死を予告する手紙が届く。祀りの期間は、よそ者を入れない決まりがある島へ、先生たちと共に調査に向かった。閉塞的な環境でも希望を抱く若者に安堵したのも束の間、一人が消えた──忌まわしい因習と連続殺人に挑む民俗学ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • ホラー寄りのミステリ。
    『呪殺島の殺人』の続編。今回は、瀬戸内海に浮かぶ千駒島(ちこまじま)で行われている秘儀の調査。
    大学の研究室に届いた手紙をきっかけに、「僕」と古陶里は民俗学の准教授・世志月伊読(ヨシヅキイヨミ)とその助手・和沢瑚大朗(カズサワコタロウ)と共に調査に向かう。
    そこは、移住者を歓迎する島だったが、代々「美寿々さま」と呼ばれる巫女が死者の魂を呼ぶ秘儀が今も行われており、その期間はよそ者が立ち入れないことになっていた。
    狂信がもたらす秘儀の真相にはゾッとするが、それができたことが前提となると、もはやオカルト。

    前作で正体を覗かせた久保田女史と世志月の関係、今回も「真白」で通した「僕」の真名に隠されているらしい謎、この島を出て久保田女史の元へ行った関係者の今後と、後を引く展開になっている。

  • シリーズ2作目なのを知らずに読んでしまったが、ストーリー的には大丈夫。
    大学の民俗学研究室にある離島から手紙が届き、主人公たちは調査に向かうことになった。その島では巫女が死者の霊を降ろす秘儀が行われており、そのために人が死ぬという。行ってみると観光客が訪れ移住者も多い穏やかな島に見えたが‥
    ライトな民俗学ミステリー。ネタは早めに見当がついたがスピーディーな展開で読みやすかった。古陶里の存在感がなかったのが残念。

  • 熱が低い時にちまちま読んでたらいつの間にか終わってました。
    前作より呪術とオカルトが強くなっています。前作より閉鎖的な島で、島民全員が呪術を行える一族を崇めていました。まさにこれぞ『呪術島』という感じでした。

    前作同様に店舗もよく進み、次から次へと人が亡くなるのでそわそわします。最近民俗学ミステリが多い気がしますが、民俗学の知識がなくともスラスラ読めました( 説明してくれるからです )

    トリックが云々と言うより動機に重点を置いていた気がします。
    真相は割と直ぐに気がつくことが出来きるほど簡単でしたが、もう常に悲しくて読むのがしんどかったです。きっともっといい道もあったのではないかと…。

    最後に『彼』の名前の謎がチラッと出てきたので、このあとも続きそうで楽しみです。

  • 不気味な伝説に彩られた、閉ざされた島で連続殺人が発生するという、クローズドサークルの伝奇ミステリの定石に則った「呪殺島」シリーズ(?)の第二弾といったところ。ただ、まっとうなフーダニットだった「呪殺島の殺人」に比べると、ミステリ色はかなり後退していて、殺人事件の推理はほとんど行われず、真相は指摘されるもののこれでは当てずっぽうである。代わりに力が入っているのが、千駒島の祭祀の謎解き。パズラーから民俗学サスペンスに舵を切った感じで、結果を見れば正解だと思う。単純に読んで楽しい出来に思う。前作みたいな謎解きを期待した読者は、肩透かしを食うかも知れないが。

  • 1作目に続き第二の呪殺島を訪れることになった幼なじみコンビに民俗学の准教授とその助手が加わった一行は、フィールドワークの名の元、閉ざされた島をひっ掻き回すのにうってつけw
    殺人事件の背景に特に驚きはなかったが、呪術者の末裔である一族の巫女が年末年始に島で行う秘儀とそこに集う人々の狂信に支えられた因習は、さすが呪殺島という名にふさわしいおどろしいもの。
    ラストには意外な再登場人物やあの人の名前が引き続き明かされない理由が仄めかされ、読み慣れないラノベテイストを差し置いてもこのシリーズまだまだ追いかけたくなる。

  • 状況説明の文章が長くて読みにくい部分がある。句読点なり2文に分けるなりもう少し読みやすくしてほしかった…。

    民俗学的な要素があるし、内容は好みの感じで良かった。

  • グダグダしながら読んでしまった。でも次の話が気になる。

  • シリーズ第二弾だったんですね。知らずに読み始めました。
    登場人物の名前やセリフの大仰さから漂うラノベ感。まあそれはいいんですが。
    民俗学ミステリは大好きなので期待して読んだんですが・・・いまいちでした。真相に生まれ変わり的なものを持ち出しちゃうとミステリというよりはオカルトって感じで。まあ確実にそれを示唆するものはないので「生まれ変わりがあると妄信している島の住人」という見方もできなくはないんでしょうけどね。。
    面白かったら前作も読んでみようかと思ってたんですが、今回はスルーで。

  • 秋津真白(仮名)の語りで話が進む。真名が隠されているのは次作以降の伏線なのはわかるが、まわりも皆がそれを当たり前に受け入れているのがちょっと不自然。然るべき理由も示されていないのに。
    特別な祀りの年なのに、初めて部外者を入れた理由もよくわからなかった。真白らを器として招いたのかとも思ったけれど違ったし。
    今回は人だけ亡くなって、まだ因習は続くみたいだし、せっかく真白らが推理してもいったい何のために?の無力感。
    また蘇るから、命の扱いがぞんざいになるのはよくわかった。現代に隔離された呪いの世界を描き出されたのは面白かった。新しい登場人物も関わってくるみたいだけど、古陶理の活躍がもっとみたい。

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