老人と海 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102100189

作品紹介・あらすじ

八十四日間の不漁に見舞われた老漁師は、自らを慕う少年に見送られ、ひとり小舟で海へ出た。やがてその釣綱に、大物の手応えが。見たこともない巨大カジキとの死闘を繰り広げた老人に、海はさらなる試練を課すのだが──。自然の脅威と峻厳さに翻弄されながらも、決して屈することのない人間の精神を円熟の筆で描き切る。著者にノーベル文学賞をもたらした文学的到達点にして、永遠の傑作。

感想・レビュー・書評

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  •  サークルの先輩から勧められ読んでみました。150ページという少ないページ数からは想像もできないような濃い内容でした。中でも私が気に入っている点はカジキや老人を襲うサメでさえ「彼」「お前」と敬意を持って魚と接する姿は海と共に生きてきた職人の生き様が見えたような気がしました。  

     文学の知識がない私に海外文学は合わないと思っていましたが、短いストーリー少ない登場人物、漁師という日本人にも浸しみのある職業であるという点などから、海外文学の入門書として活用できるかと思います。

  • 訳のせいか「誰がために鐘は鳴る」が読むのに苦痛だったが、こちらの名作は面白かった。
    人の強さと老いの弱さが波のように寄せてくるような文章で最後の哀愁は心に残った。
    解説も年譜も興味深く読ませてもらった。

  • 昔の外国文学はハードルが高い。
    でも有名作品はやっぱり読んでおきたい。

    こういうお話だったんですね。想像とは程遠いものではなかったけど、奥深さをわかるには読み方がまだまだ浅い気が。

    巻末のヘミングウェイの年譜を読むに、波瀾万丈の人生だったのかなと。主人公の老人と重ねて読んだこともあり、自ら死を選んでいたとは。意外とショックでした。

    でも、読めて良かった。

    • bmakiさん
      こんばんは(^-^)

      高校生の頃、読書感想文のために読んだ作品ですが、この作品には感情移入しました。
      情景が鮮明に目の前に浮かんでき...
      こんばんは(^-^)

      高校生の頃、読書感想文のために読んだ作品ですが、この作品には感情移入しました。
      情景が鮮明に目の前に浮かんできました。
      読書感想文の課題図書になるものって、正直あんまり好きなの作品は少ないのですが、この作品は凄く良かったなぁ。。。
      30年以上経った今でも、場面、場面を頭の中で映像として記憶されています。

      ヘミングウェイって自死されていたのですか?全然知らなかったです。。。
      あんなに凄い作品を書かれるのに。。。
      人の心って難しいですよね。。。
      2023/11/28
    • ワイコロアさん
      bmakiさん

      コメントいただきありがとうございます。恐縮です。

      思い出の一冊だったのですね。
      私も未読の「課題図書」だということで手に...
      bmakiさん

      コメントいただきありがとうございます。恐縮です。

      思い出の一冊だったのですね。
      私も未読の「課題図書」だということで手に取りました。
      名作と言われるものに時を超えて触れる事ができるのは幸せですね。

      まだまだ「課題図書」が山積みですが、生きる限り幸せを味わえるとも思っています。
      2023/11/28
  • 釣りって楽しいのかな?と思い、軽い気持ちで手に取った作品。(名作に対して…ごめんなさい。)

    『老人と海』初めて開いたその世界には
    心が震えるほどの美しい景色と、人生と海を知り尽くしたタフで格好良い"海の男"がいました。

    読み始めは、言葉に馴染みがなく、難しい本だなぁと思っていたのですが、(本の最後に語句の解説がありました!親切!)老人が海に出てから巨大なマグロと戦い我が家に帰るまでの三日間がとにかく素晴らしかった。

    好きな場面は…。

    激闘の合間にサンチアゴが仮眠をとる場面。
    (86p)
    サンチアゴが見る、浜辺を歩くライオンの夢の描写はため息が出る程美しい…

    夢から覚めた直後、いよいよマグロとの最後の戦いの場面。
    『できることはやり尽くしたな。さあ、やつには回ってもらおう。勝負といこうや。』と
    体力も気力もすでに限界を超える中で
    サンチアゴが自分を奮い立たせ戦いに挑む場面には心が震える。

    『老人と海』は1951年の作品。
    時代も国も文化も飛び越えて読む人達に感動を届ける作品。ふかーいため息の後に『ありがとうございます。』の一言。

    あと、本のカバーが二重になっていて
    下のカバーはブクログに登録している表紙で、上のカバーはヨルシカさんと新潮文庫のコラボカバーでした。
    コラボカバーにはサンチアゴっぽい男性が船上で眠っているのですが、その絵をじっくり見ると読後の余韻がより味わい深いです。
    その後ヨルシカさんの『老人と海』も聞いて、
    うーん、ちょっと想像とは違ったけど海を想像する爽やかな曲でした。

    本も素敵だけど
    付いてくるおまけも楽しかった。
    ☆3.5!

    ⭐︎追記
    この本を読んでしばらくした後、会社の先輩たちに
    連れていってもらい海釣りに初挑戦!
    海風、波の音、綺麗な景色に囲まれて集中する時間は最高でした! 釣りって楽しい‼︎

    • bera5227さん
      おそよー、松子♪
      釣りは楽しいです‼︎
      おそよー、松子♪
      釣りは楽しいです‼︎
      2022/02/23
    • 松子さん
      べら、お寝坊さんですな!
      ふふ、べらのコメント…釣り愛があふれとるぅー‼︎
      結局ね、老人と海を読んで、釣りの楽しさはわからんかった(汗)でも...
      べら、お寝坊さんですな!
      ふふ、べらのコメント…釣り愛があふれとるぅー‼︎
      結局ね、老人と海を読んで、釣りの楽しさはわからんかった(汗)でも海の男の格好良さは伝わってきたー!
      2022/02/23
  • すごい戦いだった。
    見たこともない大きな魚をたった1人で長い時間をかけて釣り上げるその描写が、すごい。
    ジリジリと我慢くらべのような時間が流れて、
    いっ時も気を許さずに、
    ずっとロープに力をこめている老人。
    すごい耐久力勝負。
    約3日間も。
    読み手のこちらも、力が入ってしまい息切れしそうだった。
    大きな魚を釣り上げてからも試練は続く。
    その血の匂いを嗅ぎつけ集まってくるサメとの戦い。
    経験値の高さ、前向きな考え方など、勝因は、そういった少しづつの何か、プラス思考の積み重ねだったように思う。
    老人を尊敬する。(サンチャゴ)
    すごい人。
    はじめは魚を敵として戦うが、だんだんと違う感情に変わっていく。
    戦い抜いた同士のような、友情のような、魚の気持ちを思いやるような様子がまさに死闘をくぐり抜けた同士に。
    いやぁ、私にも力が入ってしまい、
    なんだこの読書体験は!と、本当に驚いた。
    疲労感ハンパない。
    さすが名作。

  • ずっと読んでみたかった名作。

    釣りの成績が80日以上当たりなしという鳴かず飛ばずの老釣り人が、久々に大物をヒットさせるも、それはみたこともない大カジキ。

    次々に迫り来る困難に直面しながらも体力と知力を尽くして奮闘する老人の姿に胸を打たれます。

    "だが、人間ってやつ、負けるようにはできちゃいない。
    叩きつぶされることはあっても、負けやせん"

    一度は耳にしたことのあるフレーズは、海の美しさに惚れ込み、海を愛する老人の姿と共に、海の獰猛さ、過酷さも同時に描かれるシーンで発せられる。

    全体を通して描かれる老人と海の物語は、それはもはや「老人と海との壮大なラブストーリー」ではないかと思わせてくれる。

    魚を含む自然界の生き物たちを間接的にも殺して、食べ、生かしてもらっている我々人間の有り難さを痛感しました。

  • 老人の漁師が巨大カジキとの死闘を繰り広げる話。舟の上で3日間、折れそうな心に鞭を打ち続けながら、ひとりで闘い抜いたというのが凄すぎる。何匹と訪れる鮫との死闘も、本当にこんなことができるのかと思うほど人間離れしている。海の男とはこれほどまでに勇敢なのだろうか。恐らく自分なら釣り上げたカジキを諦めて、命を大事に家に戻っていただろう。わずか130ページほどの短編だが、息つく暇もないくらい荒々しく読者を惹き付ける描写であった。

  • 折れない心。懸命に生きてる人間ってかっこいい。

    老いてもなお、折れない心を身につけたい。

    「だが、人間ってやつ、負けるようにはできちゃいない。叩きつぶされることはあっても、負けやせん」

  • 著者、ヘミングウェイさん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    アーネスト・ミラー・ヘミングウェイ(Ernest Miller Hemingway、1899年7月21日 - 1961年7月2日)は、アメリカ合衆国出身の小説家・詩人。ヘミングウェイによって創作された独特で、シンプルな文体は、冒険的な生活や一般的なイメージとともに、20世紀の文学界と人々のライフスタイルに多大な影響を与えた。1954年にノーベル文学賞受賞。代表作は『日はまた昇る』、『武器よさらば』、『誰がために鐘は鳴る』『老人と海』など。これらは、アメリカ文学の古典として考えられている。

    ---引用終了


    本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    八十四日間の不漁に見舞われた老漁師は、自らを慕う少年に見送られ、ひとり小舟で海へ出た。やがてその釣綱に、大物の手応えが。見たこともない巨大カジキとの死闘を繰り広げた老人に、海はさらなる試練を課すのだが──。自然の脅威と峻厳さに翻弄されながらも、決して屈することのない人間の精神を円熟の筆で描き切る。著者にノーベル文学賞をもたらした文学的到達点にして、永遠の傑作。

    ---引用終了

    書き出しは、

    ---引用開始

    漁師は老いていた。一人で小舟を操って、メキシコ湾流で漁をしていたが、すでに八十四日間、一匹もとれない日がつづいていた。

    ---引用終了


    本作には、メジャーリーガーだった、ディマジオについての記述が数か所あります。
    そのディマジオは1951年に引退していますので、本作が書かれた時期に引退していることになります。

    最後に、関連人物の生年没年をメモしておきます。

    ・ヘミングウェイ(1899~1961)
    ・ディマジオ(1914~1999)
    ・マリリン・モンロー(1926~1962)

    • moboyokohamaさん
      最後の年譜が良いですね。
      この名作を書いたヘミングウェイが私が小学校に時にまだご存命だったこと、亡くなったのはモンローと一年違いだったこと。...
      最後の年譜が良いですね。
      この名作を書いたヘミングウェイが私が小学校に時にまだご存命だったこと、亡くなったのはモンローと一年違いだったこと。
      急にお二人が身近に感じられました。
      2023/05/18
    • seiyan36さん
      moboyokohamaさん、コメントありがとうございます。
      モンローのことを書いたのは、ディマジオと結婚(後離婚)していたことを知ったか...
      moboyokohamaさん、コメントありがとうございます。
      モンローのことを書いたのは、ディマジオと結婚(後離婚)していたことを知ったからです。
      言われてみると、ヘミングウェイも、モンローも、まだ昔の方というのは、ちょっと可哀そうな気がしてきました。
      2023/05/19
  • 意外にも和訳は130ページ程の小説。
    自分の勝手な期待もあったが、意外なエンディングを迎える。読み終わりは1人取り残されたような、ポッカリ穴が開いたようななんとも言えない感覚に陥った。


    本当にドキュメンタリーのような、ものの見事に鮮やかな情景が浮かぶ所がヘミングウェイの精細な文体力。海の深さ、太陽の移ろい、夜の星空も文字だけでパッと思い描ける。何より漁の要領から大魚との死闘の1秒1秒まで繊細に手に取るように浮かぶ、その書き味が最高だった。

    「ヘミングウェイの生涯一部抜粋」
    夫人とイタリア旅行中にアドリアーナと出会う。18の時に第一次大戦で重傷を負ったフォッサルタを夫人と訪れ感傷に浸った。このころからの躁鬱症か。
    アドリアーナへの一目惚れが執筆を加速させ、老人と海を出版。
    その後アフリカのサファリ旅行で2度にわたる飛行機事故により身体を負傷。脳の打撃が大きく幻覚や妄想症状に悩まされる晩年となる。電気ショック療法を用いたところはかの映画「ビューティフルマインド」と彷彿とさせ、実際に行われていたのかと想像すると鳥肌が立つ。


    「人間ってやつ、負けるようにはできちゃいない」

    「なにしろあの男は、踵の骨棘の痛みにもめげずに、打っても守っても完璧にやってのけるんだから」

    「だが、あの星たちは、嬉しいことに、殺さなくていいのだ」

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