- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102110041
作品紹介・あらすじ
人妻サラとの道ならぬ恋から1年半。なぜ彼女は去っていったのか――捨てきれぬ情と憎しみとの狭間で煩悶する作家ベンドリックスは、その雨の夜、サラの夫ヘンリーと邂逅する。妻の行動を疑い、悩む夫を言葉巧みに説得した作家は、自らの妬心を隠し、サラを探偵に監視させることに成功するが……。鮮やかなミステリのように明かされる真実とは。究極の愛と神の存在を問う永遠の名篇。
感想・レビュー・書評
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世界文学の読書会の課題本に選ばれてた。
信仰と愛と。
人の気持ちと。
いかがわしいかんじではなく。
憎しみや苦悩もあり。人間って。
最後、こんなことあるの?という展開だった。
キリスト教の神の存在っていまいちわからん。
またカトリックやらプロテスタントの信仰の違いもなんとも。
ただ神を信じないって頑なであるほど信じてるような気がした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
言葉が強烈すぎて、読んで衝撃を受けてしまった。
宗教と不倫の愛の物語。人は信じるものが欲しくなってしまうのだと、誰もが「ジャンプ」したら聖人になれてしまうのだと知った(本を読めば意味がわかるだろう)
歪んだ不倫の愛のように思われるが、とても透き通った恋愛で、読んでいて溜息を漏らしてしまった。美しい愛の感情に終始呑み込まれていた。
サラの真実を知ったら、あなたはどう感じるのだろうか。翻訳のため序盤の波に乗れない部分が読みづらく、ただただ衝撃的な言葉の連続に打ちのめされてしまい、思わず読むのを立ち止まってしまい時間がかかったので星を1つ減らしている。 -
他にもそういっしゃっている方がいるように、江國香織さんの東京タワーから。読む前と後で何もかも違ってしまう、かあ。
第三部までは、まるでミステリーのようでドキドキしながらぐいぐい読めた!現実ではなかなかできない答え合わせに興奮しきり。第四部はまた先が読めずにはらはら...と思っていたら、第五部は急に難しかった。解説まで読んで、カトリックや筆者のことについて学んでからもう一度読みたいなあと思った。
日本語がなかなか頭で消化しづらくて、何度も読み返さないと分からないところがあった、とても美しい文章だけれど何が読みづらかったんだろう?それでもハッとさせられるような、ああこれは真実かもなあと思う言葉が時々飛び込んできた。
信仰をあまり身近に思えないけど、愛することと信仰することはどれくらい違うものなんだろう?と思った。愛することは、相手の見えないところも信じて受け入れることってぼんやりと定義していたけれど、これはもはや信仰って言える?とか
ベンドリックスがとっても身勝手な人物に見えちゃった、サラと付き合ってるときもそうだし、後半部分で体調が悪いサラを追い回しておいて、亡くなってしまったときに自分の責任かもとか考えないのかなあとか、、、
江國さんがこの物語を読んだのか〜と考えてこれまたしみじみ。彼女が感動するように私も作品を受け取ってみたいな〜 -
初めてグレアム・グリーンの本を読みました。神への信仰や激しい嫉妬、憎悪、罪の意識、愛とは何か?を絡まり合う人間関係のうちに問う作品。カトリックの信仰に馴染みが薄いので理解や共感が難しかったですが、話の筋を追うだけでも充分に面白い作品でした。主人公の小説家が一番人間らしいように思えます。サラはとても愛情深く、それこそ神のように持てるだけの全ての愛を人に与えようとする。でもサラの内面は複雑だ。第三部の彼女の日記はもう一度よく読む必要があるかもしれない。映画の方も見てみたい。
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江國香織さんのインタビューで紹介されていて手に取った一冊。インタビューが印象的だったので。
恋愛小説のようで、実は信仰や宗教について問いかけている小説。
宗教があまり身近でない私にとっては、キリストの歴史等よりもよっぽど信仰について考えさせられた。
主人公はあることをきっかけに信仰と向き合わざるを得なくなるが、主人公も信じていなかったからこそ、頑なに拒否すれば拒否するほど、実は神を信じ始めているのだと思う。
偶然を偶然と捉えていたはずなのに、そこに意味を見出だし始めると…と、日頃の自分の都合の良さも思い知らされた。 -
江國香織『東京タワー』の中で、登場人物が読む前と読んだ後で何もかも違ってしまったと言っていたので、興味が湧き読むことにした。が、キリスト教関連の知識が無さ過ぎて、よく分からなかった。文章は読みやすかったんだけど。
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過去に友人の嫁と関係を持ってしまい、それがいまでも忘れられない小説家のお話。
猜疑心と自尊心、嫉妬、苦悩。さんざん悩んだあげく、神はいますか?的なお話になって、正直置いてけぼり。
いくら美化したところで、残念なお話であることには変わりなし。 -
語り手であるモーリスの視点で語られる小説なので、つい彼に感情移入するせいかサラの母親や神父、スライスの何らかの信仰心を持っている人物たちの物言いにイラつくこともしばしば。
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中ほどまでは結構引き込まれたのだが、話が信仰に向かうと、どうにもついていけなくなった。翻訳の文体は渋くていいんですけどね‥