ロゼッタストーン解読 (新潮文庫)

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制作 : Lesley Adkins  Roy Adkins  木原 武一 
  • 新潮社 (2008年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102168318

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ロゼッタストーン解読 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • おもしろかった!
    今まで、ロゼッタストーンは、三種の文字が並列されているんので、それらを単純に参照してヒエログリフを解読したのかと思っていたが、そんな単純に解読されたのではないということがよくわかった。
    それにしても、学問は政治に左右されるものである。
    また学問は、同じ分野の研究者たちの間にさまざまな軋轢を生むものでもある。
    本書を読んで、エジプトに行ってみたくなった!

  • 本書の内容はその名の通り、古代エジプト文字読解の立役者であるフランス人Jean-François Champollionと、古代エジプト文字の歴史についてである。

    ヒエログリフ(hieroglyph)とは、ヒエラティック、デモティックの3種類の古代エジプト文字の一つで、神官などの位が高い人間のみ読み書きができた文字であり、時とともに読むことができる人間が少なくなり当時では失われた文字であった。

    一般に、未知の言語を読解するためには、その言語(文字)で書かれた(大量の)テキストが必要であるが、その文字のみから文法を読解する場合と、その言語とはほかの言語と比較することによって文法を読解する場合がある。
    前者はマヤ文字読解のアプローチに近い方法で、後者がヒエログリフ読解のアプローチである。(前者の方が圧倒的に難易度が高く、読解できるのは非常にまれである。クレタ文明の線文字然り。マヤ文字の場合は文字は失われていたが、読み方の一部は伝わっていたそうな。)

    幸運にも、ヒエログリフ、デモティックそしてギリシア文字で記述されている石板がエジプトのロゼッタで1799年に発見された。
    そこから読解の歴史が始まる。

    当時もギリシア文字は読むことができたからといって、簡単にヒエログリフが読解されたわけではなかった。
    それ以外にも大量のテキストを比較参照し、並外れた洞察力といくつもの大胆な仮定をして読解を進めていく必要があった。
    (少し考えるとわかるが、英語で書かれた文章と日本語で書かれた文章から日本語の文法を理解することは非常に難しい。とくに、英語にはない概念で日本語には存在する概念およびその逆に相当するものがある場合は、非常にやっかいとなる。例えば、英語で言う完了形や冠詞、助詞等))

    Champollionは、子供のころから語学の才能に恵まれており、かつ古代エジプト文字の親戚であるコプト語に堪能であったことが有利に働いた。
    しかし、才能と同時に比較する教材が必要であった。当時のフランスはイギリスと敵対しており、エジプトもフランスとイギリスで分割して納めていた。それゆえに、発掘物もその発見された場所によってどちらの国に移送されるのかが決まっていた。
    ロゼッタストーンがもしイギリス(現在は大英博物館に展示されている)ではなくフランスであったならばChampollionの読解も少し早まったのではないかと考えられる。
    なお、本書でも書かれている通りロゼッタストーンが読解に重要な役割を果たしたことは議論の余地はないが、これが読解に決定的かつ本質的に重要であったという意味ではない。
    Champollionは、エジプトで発見された遺物に書かれたヒエログリフを丹念に調べて、文法を再構築していったのだ。

    当時、フランスでは革命の嵐の真っ最中でありChampollionがその嵐の中で政治的な軋轢に苦しんだ様子が本書から良く伝わってくる。
    それにも負けず、頑固たる決意で読解を進めた彼の情熱と才能には筆舌に尽くしがたいものを感じる。
    その悲劇の中で、彼は41歳という若さで夭折するが、彼が成し遂げた業績は今後も色あせることなく歴史が語ってくれるだろう。

    ちなみに、彼はフランス人の中でも歴史的な有名人であり、彼にちなむ道路や博物館などがあり観光スポットとして人気らしい。

  • シャンポリオンの伝記。
    サイモン・シン「暗号解読」しか読んでいなかったので、シャンポリオンがヒエログリフを解読しただけでなく自らエジプト学を発展させて行ったということは(要はエジプト学者だったということは)知らなかった。
    それにテーベの別名「王家の谷」の名付け親であるとか、パリのコンコルド広場にあるオベリスクはシャンポリオンが運ばせたものだとか。

    確かにタイトルから期待していた内容ではなかったけど、別の視点からヒエログリフ解読のあれこれを知ることが出来て良かったです。

    また個人的には、敵役になりがちなトマス・ヤングの功績もしっかり評価しようという公平な姿勢が好印象でした。

  • 実は、ヒエログリフ(エジプト古代絵文字)が、このように複雑に構成されていることを本書を読むまで知らなかった。

    映画ではハリソンフォードあたりが、スラスラと読んでいるしね。

    さて、ヒエログリフ解読の熾烈な競争は当時の政権が目まぐるしく変わっていく社会も相俟って複雑混迷を極める。シャンポリオンと彼を支えつづけた兄も解読を巡り繰り広げられた、誹謗中傷、失脚と脚光の渦に巻き込まれていく。

    はっきりいってシャンポリオンは天才であるが、努力家でもある。他人の説に流されず邁進することによりゴールを勝ち得ることが出来たのだから・・・。

  • 非常に面白い。フランスの変革期を生きた成功者のはなし。しかし、タイトルは内容と少々異なるように感じる。実際の内容は、ヒエログリフの解読者であるシャンポリオンの生涯、といったところか。ヒエログリフの解読手順は書いておらず、ロゼッタストーンもさほど重要視されていない。古代への情熱などが好きな人には良い本なのではないか。

  • シャンポリオンの伝記として覚悟しておかないと読み進むのがつらい。
    解読に至るドキドキを感じたければサイモン・シン「暗号解読」が雲上。
    ロゼッタストーンはあくまで象徴で、あれだけで解読できたわけでなかった。
    手柄の取り合いの、ネット社会もかくやという誹謗合戦、解読に至るシャンポリオンの社会的苦労の多さたるや、胃に来る。
    解読への手がかりとなった資料画像を図版、解説入りで見たいが、そういう書籍は無いのだろうか。

  • 読み応えあった。邦題はやはり不自然。原題をそのまま訳した方がが正しいな。

  • 古代エジプト文明の神聖文字ヒエログリフを解読したフランスの言語学者シャンポリオンの伝記です。

  • 不遇の環境に育った彼の一生が中心です。言語学に精通している人には興味深いと思います。

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  • 歴史的検証が長過ぎるのが、欠点。 もっと、小説ぽく仕上げるか、様々な点から解読してくれていればもっと楽しめたのに。 まぁ、これは著者の意図ではないんだろうが。

  • 読み始めたもののなんか難しくて挫折しそう・・・。
    と言いつつ、7月6日、再び読み始めるとなかなか面白いじゃないか。(7月9日)
    長くかかったけど、面白かった。
    シャンポリオンか・・・。ホントに太く短く生きた人生。天才だし。すごいなぁ。
    とても真似したいとは思わない。てか、真似できないか。

  • 古代文字ってなんでそんな複雑な、法則の組み合わせで出てきているんだ?もっと単純にしろよ!
    って、読んでて思ったわけですが、しかし、途中で、これは、アルファベット二十何文字の組み合わせだけで文章を作ってる西欧の感覚から見るからなんだと気がつきました。
    象形表意文字と、表音文字の組み合わせって、我々日本人が使っている漢字、ひら仮名、カタカナ(加えてアルファベットなども)の組み合わせに極めて近い感覚。
    案外、日本人が読解に取り組んでたらあっさり理解できてたんでは?

  • 「とうとうやった!」兄に向って叫んだ彼は意識を失った。謎の古代文字、ヒエログリフ解読の瞬間だった──。18世紀末、ナポレオンのエジプト遠征が持ち帰った碑石ロゼッタストーンは、解読競争を加熱させた。様々な状況に巻き込まれる中、フランスの若き天才シャンポリオンに、英国のライバルが迫る・・・。異能の天才学者と、失われた文字をめぐる興奮の歴史ドラマ。

    シャンポリオンに終生つきまとった貧困や政変。それに屈することなく、ヒエログリフ解読という偉業を成し遂げた彼の辛抱強さと、なんとしても解読するんだという意思の強さに感動した。
    古代エジプトの歴代ファラオの名前など、ヒエログリフに込められた意味にはとても深いものがあって、この文字を発明した古代人の頭脳と文明の高さに強い興味を感じた。
    長編だがとてもわかりやすく解説されていて、読書初心者や、歴史・古代文字に興味のある人にはぜひ読んでほしい一冊。

  • よみづらく、挫折した。。。w

  • 一言で言うと本当に面白かった。
    現在、ピラミッドを発掘・研究している研究者がヒエログリフを当たり前に読んでいるが、19世紀にシャンポリオン氏が解読するまで、現地のエジプト人を含め、その文字を全て正確に読める人間が1人も存在しなかった。
    しかも解読されるまでに、かの有名なロゼッタストーンが西洋の研究者達に紹介されてから33年以上も掛った。

    シャンポリオン氏がどのような背景で解読していったのかを是非古代エジプト史に興味がある人には是非読んでもらいたい1冊である。

  • なにせ古いことなので、記憶も定かではないけれども。高校の世界史で最初に習うのは世界の古代文明で、その中のエジプト・ナイル文明のところでロゼッタストーンおよび、その解読に成功したシャンポリオン氏が紹介される。たしかそういうことだったと記憶している。この本は、シャンポリオンのロゼッタストーン解読に焦点をあてたもの、というよりは、シャンポリオンの伝記といった方が良いだろう。この手の研究秘話みたいなものを扱った本で「フェルマーの最終定理」という本を読んだことがあって、それが素晴らしく面白かったので、同じような内容を期待していたのだけれども、少し期待したものとは内容が違っていた。

  • サイモンシンの暗号解読を読んだ流れで本書を手にしたが、期待を裏切る内容でした。 シャンポリオンの一生を事細かに記載されているが、枝葉が非常に多すぎて読み辛く、話の盛り上がりもなく、最後まで読みきるのが苦痛でした。

  • 評価2.5
    シャンポリオンがどのような苦心の末に解読に成功したのかに全く肉薄していないため、事実を書き連ねているだけという
    無用な書物になっています。そんなことは期待しとらんのよねぇ。

  • 読書会に向けて読んでいましたが、期日までに読めたのは3章まで。
    ドキドキしながら行ったら、ほかの方も読めてないって言ってました。最後まで読んだ方は、子供向けの「世界の歴史」みたいな本を見ながら読んだそうな。
    都合でK氏が来られなかったので、次回に持ち越され、ちょっと一息つきました。しかし。
    「埋もれた世界」を合わせて読んでくることが宿題に…。
    間に合うかしらん。

    ……約1か月……

    読んだ。間に合った。
    シャンポリオン、偉いっ。そしてとっても人間的。
    解読できなかったほかの研究者をこき下ろしたりとかするところ、好きだなあ。
    せっかくエジプトに行ってたくさん持って帰ってきて、これからって時に体が弱くて、死んじゃって。
    エジプトにいたら気候がよくて体調ばっちりだったのにね。
    残念だったろうねぇ。
    さて、次は。

  • いやあ、面白かった!本当にちょっとしたミステリーよりも断然面白い。すごいなあ、本当に。
    語学の天才、という人は本当にいるんだなあ。天才というか勘が良いというのか。キーワードを特定するのが上手でめきめきと読解もしくは会話が上達する人が近くにいて非常にうらやましかったことを今思い出しました。

    それにしても政治に振り回され自分の好きな学問に没頭できなかった学者様には同情致します。政治的に不安な時期でなければもっと早く、もっと多くの発見がなされていたのかも知れない。残念なことです。
    とはいえ。自分何ぞ好きに学問ができて何をはばかることなく好きな事が出来そうなものですが勉強もしていない。これは反省するべきことだなあ…。
    政治的な駆け引きもですが学者同士の足の引っ張り合い、中傷・誹謗も醜いですねえ。辟易するほどです。

    一概には言えませんが日本の教育制度ももっと専門教育を導入していった方が良いのではないでしょうかねえ。学問で食べていける人で数学の天才で物理学のエリートでしかも語学の天才、というようなオールマイティな人をつくるのはなかなか難しいと思うのです。興味を持った事柄を年齢を問わず専門的に教えてくれる施設があったら良いなあなんて思いました。

    シャンポリオン氏が数学が嫌いだったとあったのでちょっと親近感が…(笑)

  • ロゼッタストーン解読に情熱を傾けた人々の物語。そのひとり、幼少時から数ヶ国語を操った語学の天才シャンポリオンが、ついに解読に成功する。そのとき、失われた歴史の扉が開いた…というイメージを勝手に描いていたのだが、全然違ううえに予想外につまらなかった。
    これはロゼッタストーン解読のドラマではなく、シャンポリオンの伝記だ。が、そのシャンポリオンがどうにも魅力を欠く。その他の研究者たちも、愚か者や敵(またはその両方)ばかり。誰にも感情移入できないまま話は続く。その話は長く、どこにもヤマがない。あったのかもしれないが、見つけられなかった。
    おもしろい素材のはずがこのありさま。これは、著者が作家ではなく考古学者であるからか。読ませる文章を書くのは誰にでもできることではない、という当たり前のことに気づかされる。不適切な邦題にも文句を言いたい。買うんじゃなかったなあ…。痛恨のミス。

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