巴里の憂鬱 (新潮文庫)

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制作 : 三好 達治 
  • 新潮社 (1951年3月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102174012

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巴里の憂鬱 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「人生は一行のボオドレエルに若かない」

    たしか「或阿呆の一生」だったと思いますが、芥川の晩年の作品にこんな一文があります。ボードレールをものすごく褒めているのか人生をものすごく貶しているのか分かりづらいですが、たぶん、両方なのだと思います。
    ともかく、一度挑戦しようと思い、読んでみました。

    形式は散文詩だそうですが小説との違いがいまいちわからないため、超短編小説集のような気分で、するする読めました。短い話をいくつも並べる形式は、「或阿呆の一生」などに影響を与えている…と言えなくもないと思います。

    内容の方も、都における憂鬱や孤独、悪徳や情欲をアフォリズムまじりに語っており、やはり芥川と似通った部分があるようです。芥川もボードレールくらい放埒に生きられれば自殺しなくてすんだかもしれません。
    「贋せ金」「紐」「天稟」が好きです。「紐」にはエドゥーアル・マネに、と献辞がついていますが、まさか実話じゃないですよね…

  • 「孤独」など素晴らしいと感じる作品もあったが、女性に対する描写に嫌悪感を抱くところが多々あったのでこの評価。時代のせい、では割り切れないんだよなあ。

  • 再読。新潮文庫だけどこれ堀口訳じゃなくて三好達治だった。でも三好訳もいい。

    散文詩だけど、ちょっと長めのものなどはショートショート風でもあり、ボードレールの人間観察眼、詩だけでなく意外と戯曲なども書いてみれば面白かったのではないかと思ってしまった。

    3人の悪魔がやってくる「誘惑」とかお気に入り。

  • ボードレールの孤独な遊歩者としての鋭い視点が、見事にパリの群衆の姿や、彼の独特の芸術観を描き出している詩集だった。難解で理解しがたい作品もあったが、その中で非常に感銘を受ける作品もあった。

  • 何処へ行けるというわけではないけれど
    確かな存在の手触りを胸に
    彼のこころはパリから歩き出す

    ランボーと違ってすごく真面目なひとだと思う。ランボーがロケットか何かのように一気に宇宙へ飛んで行ってしまうのに対して、ボードレールは階段を一段一段確かめながら、自分の立っている場所を確認しながら昇っていく感じ。
    そして、カミュのごとき不屈の反逆児。あえて背徳的な行いに身を浸すことで、光り輝く美しさを取り出して見せる。どんなにあがいても、死すべき者には変わりないこの命を、確かに生きてみせ、実現する。
    散文詩とは言うけれど、彼の目に映るものの正確なスケッチ。彼がまなざしを注ぐのは虐げられて暮す人々。聖書の「貧しい人々は幸いである」をどこか髣髴させる。
    退廃的とか背徳的というのは、極めて一面的な判断のように思える。だって彼は何にも背いていないのだから。というよりかは、背けなかった。どちらを向いても世界の中に生きてしまっていたから。いながらにして世界なのだから、旅行などできるわけない。
    さて、その彼は「貧民を撲殺しよう」でソクラテスの生ぬるさを述べたあとで次のように述べる。
    「他人と同等であることを証明する者のみが他人と同等であり、よく自由を征服する者のみが自由に値するのだ」
    そして、これを学理(セオリー)として、貧者と殺す気で殴り合い、その生を回復させたところで、同等であると宣言する。
    ソクラテスならこう言うだろう。
    君はまだ若いね。証明だの制服だのやってみたところでもうすでに実現しているんだよ。それに気づいたからああいう対話というやり方をとったんだ。

  • 正に、巴里の憂鬱。
    喜ばしいことや微笑ましいことがあったかと思えば、やはり憂鬱に沈んでいくのは、巴里だからなのか、それとも彼の燻らせる煙のせいなのか…

  • ブックオフ高松新屋島、¥250.

  • 鬱々とした散文詩集。いまとなってはかなり読みづらい単語や表現か散見されるかもですが、それもふまえて文章の美しさは素晴らしい。
    ただ、ボードレールとは友達になりたくないなと思う(笑)

  • 名前くらいは教科書にも載ってる有名作だけど、面白いかといわれたらまぁつまんないよね。詩というかショートショートくらいの長さがあるんで、そう思って読んでしまうとオチもなく感性も違うし読みづらい。
    受け皿がなかったということで。

  • ボードレールの散文詩集。彼の生前は単行本化されなかった散文詩50篇を収録したもの。やはり翻訳が古いのか、ちょっと読みにくい。まぁ、そういうのも含めて楽しむんですと言われてしまえば、それまでですが。個人的には悪の華の退廃的な美意識の方が好きかもでした。あっちは量が多いので、ボードレールに触れてみたいって人にはコッチのほうがオススメかも。個人的に、この詩集の中では、『どこへでも此世の外へ』、『貧民を撲殺しよう』等が気になった作品です。

  • 散文詩。おもろい。
    三好達治きになる。

  •  いちばん耽美的で美しい詩集

  • 憂鬱な気分のときには、更なる憂鬱を。「どこでもいい、どこでもいい……、ただ、この世界の外でさえあるならば!」「時計」もいい。三好達治の訳が、やっぱりいい。私には、ひたすら美しい散文詩に見える、さほど憂鬱ではなくなってきた。

  • 【08.11.09/図書館】
    図書館で借りて読んだんだけど、これは早速買いに行くわ。と思ったら近所の本屋にはないんだよな・・・。
    ボードレールのエピソードではないけど、なんかマネの話が一番印象深かった。
    この辺、パサージュ論とか”パサージュ論”論系のものとかを同時に読むと、もっと深く、というより危うい感じにパリに酔えそうな気は。
    (といいつつ、パサージュ論の2巻「ボードレールのパリ」を、まだ読んでないわ…)

  • 人生のバイブルにします
    すばらしい

  • 高校時代の愛読書2。本気

  • 「私の荒治療によって、即ち、私は誇りと命とを彼(乞食)に恢復してやったのである」―貧民を撲殺しよう、より。
    この詩人のキャンパスに枠はない!ほかの詩も強烈です。

  • ボードレールの散文詩集。
    酔いなさい。酔いなさい。お酒は飲めませんけど。酔いなさい。

  • 「どこへでも此世の外へ」行きたい。
    旅行嫌いで巴里なんぞ行ったことも行く気もしないぼくだけど、この本に漂っている灰色の空と時々顔を出す太陽の雰囲気は体感してみたい。

  • 夕べの薄明は大好きです

  • ’異人さん’がお気に入り

  • 散文詩が読み慣れないせいもあり、良し悪しに差があった。しかし、冒頭の「異人さん」で描かれた雰囲気など、冬のパリの空と合致していて、パリという街に憂鬱さがあるのも理解できる。

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