- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102175040
感想・レビュー・書評
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ドイツの詩人、リルケの初期短編集。ロシア旅行を終え庶民の敬虔な信仰姿勢に心打たれた著者が表した「神様の話」。序盤は詩人だけあって、時系列や空間をぶっ飛ばしたような表現に理解不可能な話が多かったが、後半に差し掛かるにつれ、文体に慣れたのか話の内容が砕けてきたのか、心に飛び込んでくる話が多かった。子どもに聞かせるために大人に語っている話。私たちが忘れた日常の感謝をよみがえらせる。
神様といってもキリスト教の教義的な内容よりも、本人の感じる感謝、感動を神様と呼び綴っているような感じ。素敵な話だった。
09/4/9詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
童話でもなく、大人向けのもののようでもないジュブナイルな道徳小説みたいなもの。大人に向けて、寓話を語り、それを子どもに話すことに特別な意義を見出しているようでそういった機会が減っていくのをおそらく憂いて書かれたものなのかなと思わせる。神さまのいる景色。そのお話。という感じ。
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神様に関する寓話集。
たった200ページ弱の本に2年かかった。それぐらい自分には読みづらい本でした。
読んでると詩的な要素と発想が敷き詰められて、目がチカチカするんです。しかし、それこそが面白いところではある。
何がつらかったのだろうか。きっとキリスト教のように見せかけて、キリスト教とはまったく違う神様像が飲み込めない。むしろ少し気持ち悪い。きっと教義における神様ではなくて、ロシアの田舎などの民話的な神様のイメージってものが、日本人の私には遠すぎるのが問題なのかもしれない。そして私は寓話でも教訓が全面の話だと吐き気を催してしまうタイプの人間なのがいけない。
語り手は夕雲や闇に物語を語ります。聖フランチェスコか。 -
手の話がすき
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初めから終わりまで神さまの話ばかりです。
文章は詩的で美しいですが、読みにくいなぁと思うところもあります。
個人的には神さまの手についての話が読みやすくて一番好きでした。