オイディプス王・アンティゴネ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102209011

作品紹介・あらすじ

知らずに実の父を殺し、生母を妻とし、ついには自ら両眼をえぐり放浪の旅に出る-テバイの王オイディプスの悲惨な運命「オイディプス王」。国禁を犯して反逆者である兄の葬礼を行ったために石牢に幽閉された、オイディプスの娘アンティゴネの愛と誇り「アンティゴネ」。アイスキュロス、エウリピデスとともにギリシア三大悲劇詩人と称されるソポクレスの代表作2編を収める。

感想・レビュー・書評

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  • この時代、人々や王までもがどれほど神を敬い、復讐を恐れていたかがよくわかる。1回は読んでおきたい作品。

  • 抗えない運命を描くことって大事なんだろうか。オイディプス王は悲劇の「主人公」だけどハムレットのようなヒーローではない…
    かと言って、自業自得と手放しに言えるわけでもない…
    アンティゴネの方が、何と無く感情移入はできるもののオイディプス王でのクレオンと全く違う印象だから複雑

  • 呪われた王家の物語を2つ読み終えた。

    最初のオイディプスは父が犯した罪を子供までもが巻き添えをくらい更なる悲劇へと繋がる。
    オイディプスを苦しめるのは神々の下した罰だが、その娘アンティゴネを苦しめたのは人の固すぎる意志故の過ちといってもいい。オイディプスの娘として生まれた不運な女が最後の最後に話す愛しい人への想いは涙なくしては語れまい。

  • ・オイディプス王とアンティゴネが一連の作品であることを認識。
    ・「人の運命は計りがたい、誰にせよ、最後の日を迎えるまでは、それを幸福な男と言ってはならぬ、苦悩の巷を脱して、黄泉の国に赴くまでは。」オイディプス王 コーラスの最後の部分
    ・「もし人と生まれて楽しみというものを奪われて生きよといわれても、その人を生きた人間とは呼べますまい。」アンティゴネ エピローグ従者の言葉より

  • ギリシャ三大悲劇作家のひとり、ソフォクレス。

    福田恆存さんの解説
    「善き個人」は必ずしも「善き市民」ではありえず、その逆もまた然りというエリオットの言葉。

  • ソポクレスは、紀元前5世紀に生きた、現代まで作品が伝わる古代ギリシアの三大悲劇詩人の一人(そのほかは、アイスキュロスとエウリピデス)。生涯で120篇の戯曲を制作したが、完全な形で残っているものは7作品にすぎず、『オイディプス王』と『アンティゴネ』は代表的な2篇。
    特に、『オイディプス王』はギリシア悲劇の最高傑作といわれ、また、男子が父親を殺し、母親と性的関係を持つというストーリーは、心理学者フロイトが提唱した「エディプス・コンプレックス」の語源にもなった。
    それにしても、シェイクスピアが数々の名作戯曲を書いた16世紀から2千年も以前、日本では弥生時代前期~中期に、これほど完成された戯曲が作られていたとは。。。ソクラテスが活躍していたのも(アクロポリスのパルテノン神殿の建設も)同時代であるが、古代ギリシアがいかに優れた文化を築いていたかを改めて感じざるをえない。
    また一方で、人間の「知」(科学や技術ではない)というのは数千年でそうそう変わるものではないということも感じる。
    2千5百年前に書かれた傑作として、一度は目を通しておきたい一冊と思う。
    (2014年5月了)

  • 劇として描かれているので、ほとんど登場人物のセリフによって物語が展開されます。オイディプス王は説明するまでもなく、古代ギリシア三大悲劇詩人の一人、ソポクレスの作品です。他の二人は、アイスキュロス、エウリピデスだそうです。
    オイディプス王を読んで感じるの人間の運命、業でしょうか。自らの運命を知ったオイディプスの心情は言葉にならないものでしょう。
    アンティゴネは、オイディプスの娘でその後の事が描かれています。クレオンの立場をどのようにとらえるかは人によって様々ですが、「善き個人」は必ずしも「善き市民」ではあり得ない、解説されています。オイディプス王に比べて人間的と言われています。

  • 原題:Oidips Tyrannos, Antigonē、訳:福田恆存

  • オイディプスの放ったまだ見ぬ罪人への言葉が、すべてオイディプスへ帰ってくる。完璧な人生だったのに、はじめから全てを掛け違えていた。

  • 某演劇の影響で元ネタを購入。ソポクレスというか、ギリシア悲劇系にはまったくもって興味がないので、やっぱりこれも読んでフーンという感じだった。が、同時収録のアンティゴネには魅力を感じた。

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