黙阿弥オペラ

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103023241

作品紹介・あらすじ

「月も朧に白魚の篝の霞む春の空…」あの名台詞を生み出した歌舞伎狂言作者の最後の巨人・河竹黙阿弥。ひょんなことから、そば店主とら、ざる売りの五郎蔵、噺し家の円八、不良少年の身投げ小僧、浪人者の及川孝之進らと意気投合したのは江戸も末。時は明治に移り、文明開花に巻き込まれ、世の変転に右往左往の仲間たち、ついに我等が黙阿弥にオペラを書くよう迫りだす…。江戸庶民の言葉を完全に再現した、爆笑の井上ひさし版"黙阿弥伝"誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 初版

  • タイトルからすると、江戸時代の人がオペラを作るあれやこれやがメインかと思いきや。
    そば屋に集う「株仲間」の生き様がメインテーマ。
    人生、いいときもあれば、悪いときもある。
    そんな人生の流れみたいなものを、数年間隔での場面で描いていました。
    それを、幕末から維新、開国へと激しく移り変わる世情にリンクさせて描いてあり、本当にうまいなぁ、と。
    どうして、こう、人間を描くのがうまいんだろう。日本のシェークスピアだね、井上ひさしさんは。
    舞台で鍛えられた人らしく、台詞や場面の描き方も絶妙。いい本でした。

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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