仁義なき戦い 菅原文太伝

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103064527

作品紹介・あらすじ

「俳優になったのは成り行きだった」誰もが知るスターの誰も知らない実人生。故郷に背を向け、盟友たちと別れ、約束された成功を拒んだ。「男が惚れる男」が生涯をかけて求めたものは何だったのか。意外な素顔、大ヒット作の舞台裏、そして揺れ動く心中。発言の裏に秘められた本音を丁寧に掬い上げ、膨大な資料と関係者の貴重な証言を重ね合わせて「敗れざる男」の人生をまるごと描き出す決定版評伝。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は週刊新潮に「飢餓俳優 実録菅原文太伝」というタイトルで連載されたルポルタージュをまとめたもの。
    全11章から成り、数多くの関係者への取材を通して菅原文太の実像を浮かび上がらせようとする。
    なかでも第3章から第6章までが面白い。
    新東宝を皮切りに松竹、東映と渡り歩いた菅原文太だったが、東映移籍後その存在を知らしめるようになり、「仁義なき戦い」でトップスターへと昇り詰めるまでの舞台裏が数々のエピソードによって詳細に記されており、それを読むことで任侠映画全盛期から実録路線へと移行していく時代の熱気が伝わってくる。
    映画で描かれる物語と重なるような男と男のぶつかり合い、そこから生み出される数多くの映画たち。
    それらにどのような経緯があったのか。
    俳優、監督、プロデューサー、脚本家たちの錯綜する姿がエキサイティングに語られていく。
    そうした現場の中で外様俳優である菅原文がどのようにして居場所を見つけ、人気俳優としての地位を築いていったか。
    生い立ちや映画界へと足を踏み入れるまでの道のりなどを含めてその虚像と実像に迫っていく。
    貴重な映画史であり、なかなかの力作である。
    読み応え十分な評伝だった。

    ちなみに著者である松田美智子さんは、松田優作の先妻だった人。
    松田優作と離婚後、シナリオライター、ノンフィクション作家になったそうだ。
    そのことを知ったのも、この本を読んだ収穫だった。

  • よく調べている
    いろいろ矛盾もある関係者の話を上手くまとめている
    母親の出奔、長男の死亡。妻は再婚で才女
    意外なマイホームパパ、飲み歩きはしない
    小顔スターのはしり
    裏社会との繋がりや、女優に手を出す業界の風習
    監督が女優と結婚出来ない社風

  • ずっとブレずにというのではなく、けっこう揺れ幅があって面白かった。
     人間らしくて。

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著者プロフィール

料理研究家、日本雑穀協会理事、テーブルコーディネーター、女子美術大学講師。一九五五年東京生まれ、鎌倉育ち。ホルトハウス房子に師事し、各国の家庭料理、日本料理、中国料理など幅広く学ぶ。一九九三年より「松田美智子料理教室」を主宰。季節感を大切にした、美しく作りやすい料理作りを心がける。二〇〇八年、使い手の立場から本当に必要なものを考えて開発した調理道具、食器のプライベートブランド「自在道具」を立ち上げる。『季節の仕事(天然生活の本)』(扶桑社)、『丁寧なのに簡単な季節のごはん 松田美智子料理教室「絶対の定番」』(小学館)など、著書も多数。

「2021年 『おすし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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