デカルコマニア

著者 :
  • 新潮社
3.59
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  • (3)
本棚登録 : 437
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103068129

作品紹介・あらすじ

21世紀の少年が図書室で見つけた革装の古書には、亀甲文字で23世紀の奇妙な物語が綴られていた。200年後のあなたに届けたい、時空を超えた不可思議な一族の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 1904年から2246年の間を行き来する
    ドラモンテ家の人びと

    同じ名前のひとが入れ替り立ち替わり登場するややこしい構造


    混乱するけど面白いタイムトラベル

    長野まゆみさんは多作なのでいろいろと読んでゆきたい

  • 151204読了。
    新潮社刊行の長野さんの小説は2作目ですが、装丁が綺麗で惹かれるのと、従来の長野作品からさらに飛躍を感じるので大変気に入っています。
    本作はズバリ、タイムトラベルの話です。
    “鳥獣図鑑”とあだ名される少年が不思議な男の子と海のむこうの灯台までこっそり冒険にいくところから始まります。
    話は変わって、23世紀に囚人が過去に送り出されるデカルコに乗り、同じ時期に海難事故で行方不明になった男性になりすまして生きていくさまが主軸で語られます。しかし、元囚人をとりまく人々が実は誰も彼もが時空を行き来して同じ人間があちこちに現れ絡み合い、最後には、ある家族が250年もの月日を自在に時間旅行していたことがわかるのです。
    これでこそファンタジー!おなかいっぱいです。
    展開があるごとにひとつひとつの布石に気がつき驚くのですが、最後にも妙に納得するびっくりが待っています。無論、読んでみないと味わえません。
    もし、中学生の私が読んでしまったら勉強そっちのけになってしまうこと間違いなしの小説でした。この本がデカルコしないことを祈ります。

  • 1/15 読了。
    『カルトローレ』に比べると、かなりちゃんとした筋らしい筋があり、伏線もそれなりに回収される。強引すぎる、ご都合主義すぎる展開や、やたらと性的なものを想起させようとするまどろっこしい描写が気になるものの、長野作品には付き物なのでスルー。この人にとっての"性"というのは、異性愛にしろ同性愛にしろ、無菌室の中にあるものという感じがする。だからお手軽にSFを書くんだろうし。個人的には『カルトローレ』の方が好きだった。

  • D伯爵家一族と「デカルコ」にまつわる話。一族の歴史ものが好きなので、かなりツボでした。ただ、年代が前後している上に、複数の名前を持つ登場人物がいるのでややこしかったです。最後まで読んだけど、全体像がぼんやりわかっただけで詳しいことは曖昧…。家系図を作りながら再読したいですね!

  • タイムトラベルのストーリー。登場人物も多く未来過去に現れるので読み止まらず、一気に読み進めていかないないと少し前に戻って続きを読むことになるかな。
    もう一度読むときは年代と登場人物の人間関係についてメモを取りながら読むとまた深く物語へ入り込めると思う。

  • 長野 まゆみ の本は 未だ読んだことがないので 楽しみ。

    goldiusさんのバインダーで紹介されていた「改造版 少年アリス」にちょっと興味が!
    あいにく図書館には、「少年アリス」はあったが「「改造版・・・」はなかった。
    このさい別の本を借りよう! と 適当に これにしたが・・・。

    途中まで読んで 面白くないこともなかったが、他に読みたい本もあるので中止。

    2012/5/16 予約 5/23 借りる。7/24 読み始める。7/28 中止

    内容と著者は

    内容 :
    21世紀の少年が図書室で見つけた革装の古書「デカルコマニア」には、
    亀甲文字で23世紀の奇妙な物語が綴られていた…。
    時空を超えた不可思議な一族の物語。『新潮』連載を単行本化。

    著者 :
    東京都生まれ。女子美術大学卒業。1988年「少年アリス」で文藝賞受賞。
    ほかの著書に「カルトローレ」「レモンタルト」など多数。

  • 読み重ねる毎に脳内イメージが詳細を増し、最後には実際に起きたことになってしまいそう。

  • タイムトラベルを繰り返す人物が複数いるので混乱するが、徐々に解きほぐされていくとすんなりと理解できた。
    タイムトラベルをみんなが繰り返すと、こんなふうにどこかの時点でいきなり会えたりするのだと考えると面白い。そんな無限の広がりを見せてもらえるような物語だった。例えば、死ぬ前に10年後にタイムトラベルして、その後戻ってきて死んだとしたら、身内にとっては10年後に死んだはずの本人に会う、ということができる、ということにように。

    所々に出てくる文字や音声に関する考え方も長野先生らしさが出ていて良い。が、今回は本筋とは関係ない。

  • 情景描写の部分はどうしても眠たくなってしまうけど、それでも先が気になってどんどん読み進めることができた。
    ドーナッツやバロックパールがとても魅力的。
    友達みんなにおすすめしたい。本当に面白かった。
    2015/9/2

  • タイムマシンを酷使したために家系図がややこしくなってしまった話。
    初めてメモしながら読んだ。何世代にもわたる話なので、ややこしくて、まだ不明なところとかあるけれど、面白かった。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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