煉獄の使徒 下

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (657ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103159025

感想・レビュー・書評

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  • 2014/7/29 下巻は混沌としてわかりにくかった。★3

  • 意図せず「魔笛」に続き読んだ本が本書でオウム事件関連でびっくり。もう忘れてしまったことが多いが思い返すと、日本に大きな爪痕を残す事件だったよな。Yahooニュースを見ていたらアレフの信者が最近では年100人くらい増えていると聞き、人の心の弱さを思う。

    馳氏の本だからと読んでみるとオウム事件をそのままなぞった様な作品、教団幹部の教祖を止められない苦悩に読んでいて息苦しくなる。これも「魔笛」に続き公安=悪として書かれている。実際は知らないがまあ有りそうな話で苦々しい。教団内部の派閥、警察、政治家の思惑が折り混ざり機能せず悪い方向に行ってしまう様が心に痛い。
    ラストに向けどうなるのかと話にのめり込んでしまうのは流石馳氏の手腕。
    オウム事件を思い出す、伝える為にも有用な一冊。

  • オウムに絡んできた人たちは
    まさにこんな心情とともに
    進んでた、のかも…
    という事実とともに
    警察の動きも、
    もしかしたらホントに近いかも
    っていう気持ちを交えて読めた~。

    すっかり忘れていたオウム関連。
    あの時代、フツーに生きていたけど
    あんな気持ちが、身近なとこで
    渦巻いていただなんて…
    いつまた始まる可能性もあるんだよね…
    きっかけは人だし、
    麻原に限ったことじゃないような気もするし…

    集団は恐い、
    とあらためて想う。

    馳さんの独特の怖さは、オウムの史実のまえでは
    謙虚になっちゃった、ような…。

  • さすがに後味が悪い。「え、終わり?」って感じ。
    上巻で引き込まれて、途中までは同じ感じで読めただけに、残念。
    さすがにオ○ム○ウムさせすぎかな。

  • ☆☆$$上下巻一気に読めた(3日)。内容もオウムをなぞられていて良いが、$$やはり不夜城は超えられていないと思う。$$最近の著者はボリュームがあるが、その分の良さは感じられない。

  • 宗教団体、警察、政治と日本の組織はどれも同じ。お金、権力と私欲にまみれていることが良くわかる。実在した事件がリアルに描写されており、おもしろい。その後 も欲しい。

  • 馳作品の楽しみの一つである、「えっ、そんなとこまでいっちゃうの?」というワクワクが無く残念。オウム事件を忠実になぞっているので展開がほぼほぼ読めてしまったので…。

    とはいえ疾走感があってグイグイ読めるので、一気読みしました。

  • <上下巻ともに同じレビューです。>
    今回の馳星周の作品の舞台は10数年前に日本中を
    騒がせたオウム真理教。

    信者が増え、多くの人からあがめられることで、
    肥大化した妄想を暴走させ、最後は国家転覆を狙う教祖―

    教祖をうまく操縦して金と権力を手に
    入れようとする幹部―

    純粋に解脱を求めて入信するも、気付くと
    教祖のいいなりになり、善悪のはざまで苦しむ若い信者―

    教団をある程度自由にするかわりに、信者の寄付の
    一部をピンハネする公安警察と政治家―

    そして最後には登場人物全員が疑心暗鬼なり、
    謀略をはりめぐらすも、誰も信用できずに
    最後はみな破滅―

    という救いようのないストーリーです。

    (馳星周の作品自体が大体こんなかんじですが。)

    今回の作品ではとち狂った教団を通して一般社会の矛盾
    や歪みをうまくとらえてます。

    馳星周本人もいってましたけど、教団は一般社会のコピー
    なんですね。

    多くの一般信者は最初、純粋に真理や解脱を求めて、
    教団に入信します。
    しかし、気が付くと、教祖や教団のロボットに。
    次第に自分で考えることを拒否し、最後は命令されれば
    殺人でさえもするようになります。

    そして、上級幹部はただ保身と権力闘争にあけ
    暮れるばかり。

    解脱や真理がお金になったのが現代社会だというんですね。

    そういう点で教団のなかにいる狂った信者と幹部たちは
    現代人の象徴だろうと。

    多少、極端ではありますが、歪んだ教団の姿と
    一般社会の対比をうまく描いていると思います。

  • オウムはこんな感じだったんだろうなあと思い、警察はこうあって欲しくはないけどこういうところはあるんだろうねえと思い、政治家はまさしくこのとおりなんだろうなあと思う。

  • 馳氏の本を読むと疲れます。往々にして、ラストに近づく頃には作中の主人公と一緒に”もうどうにでもなれ”気分に陥り、ぱぱっと読み散らかしてしまうのですが、本作品でもその悪い癖が出てしまいました。

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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