すき・やき

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 154
感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103196211

作品紹介・あらすじ

21歳の中国人留学生・虹智は、日本人と結婚した姉のきびしい監督のもと、高級すき焼き屋でアルバイトをはじめる。紐だらけの拘束着みたいな着物。リズムが肝心な肉の焼き方。わけありの常連さん。スマートな店長…。留学生仲間の韓国人・賢哲に猛攻勢をかけられても、虹智は、ただただ店長にひかれてゆく。すき焼き屋でくりひろげられる老若男女の人間模様を、おおらかな筆で描きだす、心あたたまる物語。

感想・レビュー・書評

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  • 楽しかった。日本で暮らしている海外の方、なかでもアジアの人たちは日常生活で毎日接しているのに何を考えどんな風に暮らしているのかほとんど知らない。しかし、なんだ我々と同じじゃないかと思わされた。日本のお嬢さま女子大生が初めてのアルバイトで覗いた大人の世界と言っても通用する内容。ただこの本の主人公はより純粋。よく分からない言葉やお国との風習の違いも真面目に受け止める。そこが楽しくほのぼのとさせられた。この著者、次もありかな。

  • 無垢さが良い。

  • 高級すき焼き屋でアルバイトを始めた中国人留学生。日本独特の着物や作法、言葉。訪れる様々な客。店長(日本人)と同級生(韓国人)の間でおこる恋。異国で暮らす女性を描いた小説でもあり、日本を外部からの目線で捉えた異文化コミュニケーションの物語でもあります。一読さらっと読めますが、細部の描写は中々細かいです。

  • 短いキャプチャーに分かれており、素直な文章なためすらすらと面白く読めた。その分深層への踏み込みが浅いのはいたしかたないか。

  • 仕事中にお腹がすくと農具のすきで魚や豆腐を焼いて食べたすきやき。
    高級になったすきやき。どちらでもどちらも美味しいことに変わりない。

  • ハタチの女の子の恋物語がみずみずしいです。作者の文章力も秀逸でした。

  • 恋愛に関しては非常に純粋で、うぶな主人公の可愛らしさがほほえましく描かれていて、そのせいで、とても爽やかな読後感の残る小説。作者が中国人ということをどうしても意識しながら読んでしまうのは仕方ない。音の表現や、身体の表現など、日本人と多少違う感性で捉えられているような気がして、いろいろ面白かった。

  • するする読んでしまった。

  • 再読
    中国人留学生・虹智は牛鍋屋で初めてのアルバイトをする

  • 感心するくらいデリケートな文章で、かつとてもロジカル。読んでいてとても気持ちがよい。どんな作家でも文章のくせというのがあって、結構気になったりするのだが、この人の場合はそれが感じられなかった。外国人作家たる所以なんだろうか。
    物語は中国人留学生のなんということもない日常を切り取った内容だが、このような視点からの作品は、苦労話のような内容ばかりなのだが、本書はそうでなく、明るくコミカルな味付けで新鮮に感じた。

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著者プロフィール

(ヤン・イー、Yang Yi)
作家。1964年、中国ハルビン生まれ。
87年、留学生として来日。95年、お茶の水女子大学卒業。
2007年、『ワンちゃん』(文藝春秋)で文學界新人賞受賞。
翌08年、『時が滲む朝』(文藝春秋)で、
日本語を母語としない作家として初めて芥川賞を受賞。
『金魚生活』『中国歴史人物月旦 孔子さまへの進言』(以上、文藝春秋)、
『すき・やき』(新潮社)、『あなたへの歌』(中央公論新社)、
『わが敵「習近平」』(飛鳥新社)、『中国の暴虐』(共著、WAC)など著書多数。
現在、日本大学芸術学部教授。

「2021年 『「言葉が殺される国」で起きている残酷な真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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