作家の使命 私の戦後 山崎豊子 自作を語る (山崎豊子自作を語る 1)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103228202

作品紹介・あらすじ

戦後という時代の節目節目で、作家は何を考え、何を取材し、何を書こうとしたのか。戦争三部作から最新作まで、山崎文学の"謎"が明らかに!タイトル、登場人物の名前に込められた深い意味とは?小説のエピソードと現実の事件にはどんな関わりがあるのか?なぜ男たちは、圧倒的な力を相手に戦い続けるのか?『不毛地帯』『沈まぬ太陽』…その執筆秘話を明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 沈まぬ太陽、運命の人の思いを知りたくて読んだ本。
    沈まぬ太陽というタイトルには、どんな逆境にあっても、明日を信じて生きる心の中の沈まぬ太陽を持ち続けていかねばならないという意味をこめているとのことでした。
    沈まぬ太陽を読みたくなりました。

  • 先輩に読みなさいと教えてもらった「沈まね太陽」が山崎豊子にはまるきっかけでした。
    どの作品にもモデルとなる人物がいるのでは?と、読後にいろいろ調べたりしました。

    作品それぞれへの思い、エピソードがよくわかり、あらためて山崎作品を読もうと決めました。

    「小説とは何かといったら、人間が描けたか描けないかに尽きる」
    納得の一言でした。


  • 戦争3部作と言われた「不毛地帯」「二つの祖国」
    「大地の子」そして映画化された日航機墜落の「沈まぬ太陽」機密漏洩事件での毎日新聞、西山記者をモデルにした「運命の人」までの取材時の苦労、思い入れが当時のインタビューや雑誌の記事でよくわかる。
    戦争3部作は昔、涙しながら読んだがこんなにひどいとは思わなかった。
    特に「大地の子」は中国がよくここまで取材させたなあと感心してたが、胡耀邦総書記が彼女を素直に物を言う信頼できる作家と認めバックアップしてくれたかららしい。
    日本航空の没落、機密漏洩の真実が彼女の取材をとうして今あきらかになったようだ。

  • あの名作、不毛地帯や大地の子、二つの祖国等の思い出等を著者自らが語る貴重な一冊。改めて、これらの作品を読み返したくなります。大地の子の中国取材の折に、様々な苦労をされるが、胡耀邦国家主席との面談(そしてその配慮等が)が流れを変えたという辺りが、凄いですね。翻って、我が国の経団連(当時)のトップだった、斎藤英四朗氏の真剣に取材に出向かれた山崎さんへの軽い対応、なんとも人の器の違いを感じさせる物語でもあります。★四つであります。

  • 著作の裏が分かって面白い。

  • ちょっとした山崎豊子ブーム。。。
    「不毛地帯」「大地の子」etc..作品に込めた氏の思いの深さを知ることが出来た。舞台裏を垣間見れて、ちょっとおもしろかった

  • 興味深く読んだ。「沈まぬ太陽」「白い巨塔」など代表作の取材秘話が盛り込まれている。ある意味代表作の裏側を知ることができるので山崎豊子ファンには欠かせない一冊。

  • 新作の発表、映画の公開、ドラマの放映とまさに時の人、山崎豊子氏のエッセー等をまとめたもの。エッセーといっても日常のことなどをつらつらと書いたものではなく、取材記録そのもので、「不毛地帯」「二つの祖国」「大地の子」自らそうよぶ戦争三部作、と最新の「運命の人」まで『取材が命』と言われるように、世界各国の政界の要人、誰もが知っている大企業のトップに体当たりでぶつかって行かれる様はまさに想像を絶するものがある。戦争で生き残った者として、書き残さなければという使命感。のらりくらりと返答をかわす、おえらいさんに「私をそこいらの作家と同じにしないで下さい!」というのも使命感が言わせるのでしょう。そこいらの作家さんが聞いたら怒るでしょうが・・・神様がひとつ望みを叶えてくださるなら、「青春を返して」と言いたい。胸に深々と突き刺さる。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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