就活先生: 内定を勝ち取るための31のステップ

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103337119

作品紹介・あらすじ

8年連続早期内定100%!5つの間違った常識を捨てる。志望企業を探すのをやめよう。自己実現という言葉を使うな。「あなたにとって、就職の魅力とは何ですか?」常識を覆し、面接力を鍛える驚きの白熱指導!学歴に自信がなくても、心配いらない。難関企業の壁を突破する秘訣がここにある。

感想・レビュー・書評

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  • 茨城の工業高校で内定率100%をほこる

  • 工業高校から難関企業に入社させてきた秘訣がここにある!
    自信がなくても、心配いりません。
    常識を覆し、面接力を鍛える驚きの白熱指導を
    ポイントポイントをおさえながら一つ一つしっかり解説します!
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  • 高校の就職担当の指導教諭による就活への道を示した良書。単なるハウツー本ではなく生き方を問う内容になっている。著者の指導によって生徒たちの表情がぐんぐん引き締まっていく。写真やノートを見ればその真剣さが伝わってくる。

  • p14
    人とコミュニケーションを取るということと、『自分から動く』ということとは、つながっていると思うんです。

    p15
    だいたい、『私の長所』なんて言葉は、ふだん使います?自分の言葉じゃないでしょう?たとえば、長所だったら、『自分が納得できている部分』という表現かもしれないし、短所は自分自身のカヂあだよね。もっと自分なりの表現ってあるでしょう。

    p39
    自分が企業を選ぶのではなく、選ばれる人間にならなければ駄目だ

    p44
    常に私が尋ねる二つの質問がある。それは、
    「現時点での進路希望とその理由」
    「大人になるために今の自分に何が必要か。どのような課題があるか。またその理由は何か」
    である。生徒たちに言う。
    「進路希望は、進学であろうが就職であろうが、未定であろうが何でも構わない。また、自分の課題がどのようなものであっても、いくつあっても構わない。
    重要なのは、その理由です。また自分がいまどう感じ、どうしようとしているのかを聞きたい。また、進路未定の場合は、なぜ未定なのかを聞きたいと思っています。課題も同じことです。なぜそれが課題なのかが重要です。よく考えて参加するように。言っておきますが、嘘はつかないでください」

    p48
    先生方や保護者は驚くかもしれないが、私の最初のステップは、進路希望を「未定にする」ことである。進路の確認ではない。進路希望を振り出しに戻すことである。そのためにこそ、「なぜ就職するのか」と、進路理由を問いただし、突き詰めさせる。

    p50
    「自立するため」「親に迷惑をかけたくない」「自己実現のため」こう考えているから、先に進まない

    p53
    誰かに褒められるとか、利益のためではなく、それを超えたところにある仕事。人のためにモノを作り、働くということの神聖さ。

    p60
    筆記用具にボールペンを使うのも、実際的な理由がある。ある食品会社を訪問したときのことだった。

    「もし芯が折れた時、生徒たちは、折れた芯を探して拾いますかね?きっと拾わないでしょう。しかし、私たちのような食品工場や精密機械工場、印刷業界などでは、それでは困るんですよね。というか、品質管理上、考えられないことなんです」

    p71
    「君さ、今からでも遅くはないので、事実を正直に話す努力をしてみない?今自分の進路を決めようとしているわけですよね?これから、大事な決断をしていなくちゃならない。でも、大切な事って、自分に嘘をついていたら決められないんじゃない?
    正直になる勇気、それが人本来の真摯な姿勢につながると思うんですよね、私は。言いたくないことまで話せと言っているわけじゃない」

    p77
    高校生の就職活動というと、どんなイメージをお持ちだろうか。
    「やっぱりリクルートスーツ?」「企業回りをするの?」……。いやいや、そもそも、高校生の就職方法は、成人の大学生と根本的に異なっている。高校生の場合は、学校が就職先を斡旋する「斡旋就職」という形を取るのである。

    p78
    大学生のように、個々の生徒が勝手に企業を訪問することは許されていない。

    p80
    生徒が志望できる企業が、一人一社に限られているということである。大学生のように、最初からいくつもの企業をかけもちで受験しつつ、どこかで内定を得るということは許されていない(茨城県の場合は、10月1日以降は複数受験可)。つまり、内定に至った場合は、必ずその企業に就職するルールになっているということだ。

    p86
    「希望する企業を見つけることが目標なのではなく、社会から必要とされる自分になることが目標だ」

    p88
    「今の自分となりたい自分。そこにはギャップがあるだろう?その開きはお前が埋めなくちゃいけない課題なんだよ。課題は教えるし、クリアする方法も示唆する。でもそれに取り組むのは自分しかないんだ:

    p95
    『クッション言葉』を使えるようになろう。覚えていていほしいのは、自分の言葉で会話を終えるよにすること。相手が何か言ったら、有難うございますとか、失礼しますとか、必ず言うように心がけてください。そのあと一秒くらい間を置いてごらん

    p96
    句読点を意識してゆっくり喋る。これを練習すると、『焦る』『あがる』『早口になる』が直せるから。相手の目とか口元を見て話して。相手の表情の変化を見る。目線は落とさない。

    p99 報連相
    本来、相談というのは、『相手がどう思うか』を聞くことであって、『どう解決するか。何をしたらいいか』の回答を求めることではないんじゃないでしょうか。
    相談したり質問するにはルールがあると思う。そのルールは、自分で考えてほしい。ヒントは、『丸投げするな』『嘘はつかないでください』ということです。

    p103
    本当は、「自分が成長すること」は、企業や社会から求められていることではないか。「成長」は確かに自分の力にもなるけれども、社会の要請ゆえに、「成長しなくてはならない」のではないか。
    「自分が成長したい」という言葉は、成長していない者の他者への依存を聞くようで、違和感を感じてしまう。仕事とは、そんなに甘いものではないと思うのである。

    p107
    自分ではなく、まず周囲の人のことを思える人。そういう人にすごい魅力を感じるから、絶対に就職したいんですと。そう言えたら、就職する理由につながるんじゃないだろうか?

    p114
    企業はつねに『未来形』で人を判断し、採用するんですね。この人は、どんな人として成長していくのか、何を目指している人なのか、そこを見たいと思っている。会社に入ってから、この人がどれだけ伸びてくれるかを感じたいわけだ。
    ここに答え方のヒントがある。
    つまり、過去はこうだったけれども、そこから何を学んで、今はこうしていきたいと思っているという言い方ができればいいんです。過去、現在、未来の自分を流れで捉えて話す。相手の望むことを言うだけでなく、自分の思いも伝えていく。それによって、人の気持ちを動かす。
    そこに、もし付け加えられるならば、自分だけの話ではなく、『自分は周囲の人たちとどういう関係を築きたいのか。どうであったのか』それを入れて話してみるんです。

    p118
    君の生活の結果が、就職に不利か有利かという問題ではないんだよ。自分がしでかした結果から、何を得ようとするかなんだ。過去のマイナスをいつまでもマイナスと引きずるのではなく、それを今の目で発見して欲しいんだよ。自分を責めたって、過去は変わらないからね。

    p123
    私はずっと今まで、自分に自信がなくて、自信がないから、何をするにも言い訳して逃げてた部分があったと思います。けれど、一度も本気で挑戦したことがないから、自信が持てないんだと思ってたんです。どれだけ挑戦できるかわかりませんが、今度こそ社会人一年生として、精一杯挑戦したいと思います。そう思えたから、絶対に働きたい。就職したいんです。

    p124
    自分の別の言葉でいうと、長所・短所って何だ?
    長所というよりも、自分で納得できているところとか、頑張ってると思えるところが長所じゃないか?これが言葉の置き換えってことなんです。普段から使わない言葉を、面接のときだけ使うのは絶対おかしいと思うんですよね、私は。普段から考えていることだからこそ、きちんと自分の言葉で話せるわけでしょう?自分の長所・短所とか性格を、面接用に暗記するのっておかしくないか?
    『長所といいますか、自分の納得しているところとしては……』とか、『短所といいますか、自分でも納得できなくてまずいなと思っている点は……』という風に言い換えてみたらどう?
    それと、もう一つ重要なことがある。それは、断言しないということです。
    例えば、皆、性格を聞かれて『明るく活発なところです』とか、『積極性があります』『改善力があります』などと発言しがちなんですよね。そう答えられると、いつも明るく活発で積極的なんですか?と逆に聞きたくなる。そんなことあり得ないでしょう。

    p130 ゲーム感覚で始めるキーワード会話法
    今挙がっている言葉から三つ選んで、フレーズを作ってみてください。

    p131
    『なぜこの会社はこういう製品を作ったんだろう』とか、『なぜこの商品はこんな形なんだろう』とか、すべて、『なぜ』から始まる積極性ですよね。ここに、ヒントがあると思う

    ちょっと話が逸れますが、一つの商品ができ上がって、店頭に並ぶまでには、必ずそこに『ストーリー』があると思って欲しい。

    p132
    そのストーリーに自分も参加したい、もっと知りたい、一緒に作りたい、そう心底思えたのなら、志望動機にも直結してくるんじゃないか?

    p133
    『必要なのは○○だと思います。というのも××だからです』と、キーワードを当てはめて、考えをつなげれば正解なんですね。
    ただし、ここでもう一つ要求したいのは、キーワードを使うだけじゃなくて、なぜ自分がそう思うのか、自分はどうありたいのかを伝えるってことなんです。一つの答えで止まるんじゃなくて、『もっと自分の言葉があるんじゃないか』『自分たちの置かれている立場や、役割って何なのか』『何か足りない部分があるんじゃないか』と、自分の心の中の図書館を探し続けて欲しいんです。

    p134
    キーワードトレーニングのメリットは、三つある。一つは、くどい話をコンパクトにできること、二つ目はボキャブラリーが飛躍的に増えてくること。そして、三つ目は長い時間をかけずとも、短時間で習熟することが可能だという点である。早ければ一、二ヶ月もすると、発言の声が大きく明瞭になり、積極的になる。

    例えば、「コミュニケーションにおいて大切な要素は何か」という設問に対して、「私は○○を常に大切にしようと、努力しています。なぜなら△△は××だからです」といった文型でも使う。
    ここで注意しておきたいのが、「大切にしようと、努力しています」という部分。「大切にしている」と断言してはいけない。実際、「努力しています」と言ったほうが、次の理由を述べやすくなる。

    p137
    自己紹介や長所・短所、自分の将来像を語るときに、未来形で話せと言ってきました。自分の目標像を自分の言葉で示して欲しいんだ

    p150
    大切なことは、「答え」ではないこと。相手のことをできる限り理解し「伝える」姿勢であるということは、本来、当たり前のことだったはずである。「会話の目的」とは、その相手を理解し、自分を理解してもらおうとすることが、基本なのだ。

    p152
    自分の過程は、経済的にとても大変です。見ていてよくわかります。だから、自分がしっかりしないといけないと思うのですが、すぐにさぼってしまう自分があって、反省ばかりしています。ただアルバイトをしていて、やっぱりこの給料では、将来絶対生活できないし、家計を助けたいし、それに、このトレーニングに来たら、何とかなると思って来ました。

    p153
    「余計なものを外して考えてみよう」「情報を詰め込むのではなく、引っかかりを外そう」

    p154
    【マナー・コミュニケーショントレーニングの10ヶ条】
    ①言い訳をしないこと。弁解は一切聞かない。
    ②甘えないこと。人に頼らず自分で行動すること。
    ③事実ばかりを語らないこと。その事実は事実として、自分の意見を言うこと。例えば、「最近気になるニュースは?」という問いかけに、その記事内容を延々と説明するのではなく、自分がどう感じたのか、自分にはどのような影響があったのか、さらにそこにはそこから何を学んだのかを考えること。
    ④嘘は認めない。
    ⑤会話には目的がある。不必要なことは言わない。
    ⑥他者の噂やマイナス評価はしない。
    ⑦建設的であること。
    ⑧褒められるよりも、課題をもらって喜ぶこと。
    ⑨あきらめないこと。
    ⑩自分を信じること。人を信じること。

    p156
    まず、絶対に自分を信じること。過去の自分がどうだったかなどは問題ではありません。過去は過去、後悔しているヒマはないんです。過去の自分が夢見た自分に、将来必ずなるんだ、そう信じて欲しい。今までの学生生活で、『自分にはできない』と思い込んでいるところがあるとしたら、それを取り払って欲しいんですよね。そのためには、自分を信じること。これがスタートの条件だ

    p183
    要は、甘えさせないということなのだ。生徒たちの多くは、上げ膳据え膳で、親や大人が何となしてくれると思っている。彼らに自分の行動の責任をきちんと取らせて、行動を変えさせることがすべてなのである。

    p192
    インターンシップは何のために参加するのか。それは、どんな作業をしたかというよりも、どんな人がそこで働いているか、製品が出来上がるまでに、人びとがいかに関わり、コミュニケーションを取っているか、それを見て、感じ、考えることが大きな意味なんじゃないか?

    p194
    『なぜ、ここはこうなのか』と疑問を抱くこと。それは企業研究と直結する話だと思うんですよね。

    p195
    疑問が生まれなかったら、調べ方が不十分ということなんですね。
    だからこそ、『質問作成』という行為が絶対に必要なんですね。

    大事なヒントを言おう。
    まず一つ目。それは、質問にはルールがあるということだ。調べればわかることは聞かない。事前に調べてきたことを現場で事実確認するのはいいが、自明である場合は聞いてはいけない。
    二つ目。製品だけではなく、作っている人にも興味を持って欲しいんですね。

    p196
    やってはいけない質問もある。それは、いわゆる『丸投げ質問』だ。

    p204
    君の長所つまり忍耐力は、どうして身についたのだろうか?頑張った君の陰にある人の思いって、何だと思う?質問の意図が分かりますか?
    誰しも、自分が頑張ったことは伝えたいし、当然、覚えてますよね。でも、一方でこう思うんですよね。自分だけが頑張って身につけたことなんだろうかと。
    周りの人がいて初めて、自分が今の自分になれたということ。君の頑張りの背景にあった、仲間の顔や先生の声。その気持ちを想像してごらん。実際に仲間の顔を思い浮かべてさ、言葉に載せて欲しい。そうじゃないと言葉が軽くなる。
    そこを忘れなければ、会社に入っても、同じことを思えるんじゃないだろうか。たとえ厳しくても、この人に巡り合えたから、今この仕事が出来ていて、苦しさも楽しさも味わえている。そう思えたら、仕事をしている意味も感じられると思うんですが、どうでしょうね。難しですか?

    p221
    「好き嫌い」や「得意・苦手」と言うよりも、「自分がある程度納得していること」と「まだまだ納得出来ないこと」と言い換えてしまう方が良いように感じるからだ。「好き」や「嫌い」や「苦手」という言葉は、えり好みしているような、あるいは、排除しているような雰囲気を持っている。

    p222
    苦手なことや嫌いなことにこそ、自分の見えていない部分があるわけで、「何故そうなってしまったのか」「次に、そうならないためには、どう思い、どう意識すればよいのか」といったことに触れることが大切だと思う。

    p223
    答えようとしないで、意見を言うつもりになってごらん。

    p224
    叱られる前に気付くことが大切だということを、叱られた時に強く意識すべきだし、『叱られた』ことよりも、『なぜ叱られたのか』を考える姿勢が大切なんだ。いつも私が言っていることがヒントになるかもしれないと思います。それは、嘘は決してつかないでください、ということ。

    p227
    例えば、こんな人間でありたいけど、まだまだ、そうは見て貰えないかもしれない。でも、きっといつかは、必ず胸を張って、こんな人になるように努力してきたんだと言えるようになりたい、などといった説明も、自分自身を捉えつつ、目標を持とうとしていると受け取られるでしょう。

    p239
    「他者のことを考えなさい。仲間も皆、同じように頑張っているんだよ。自分一人じゃないんだよ」と。そして、切羽詰まったときだからこそ、家でお母さんの手伝いをしなさいと言う。他者のことを配慮し、他者の手伝いをすること。そのことによって、自分のことばかりに向かいがちな視野を広げ、柔軟な心と余裕を取り戻すことができるのではないか、と思うからだ。

    p253
    「崖っぷち」は、単にせっぱ詰まった状況を表すつもりで使った言葉ではなく、考え方を変えれば、「崖っぷち」は、本来はとても眺めがよいのだという想いを込めて使っています。哲学者フランシス・ベーコンは、その著書『学問の進歩』の中でこう述べています。「海のほか、何も見えないとき、陸地がないと判断するのは、優れた冒険家ではない」と。私は、よく生徒に「危機こそチャンス」だと話すことがありますが、何かに行き詰まったとき、辛いことと向き合わなければならないときこそ、自分自身が大きく成長する起点となることは間違いないと確信しています。

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