- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103338512
作品紹介・あらすじ
天照大御神は国つ神だった! 謎めいた姫神から解き明かす驚愕の古代史。須佐之男命の妻ながら、わずかな記述しかない櫛名田姫。天照大御神の妹神なのに、なぜか『記紀』に記されていない丹生都姫。不可解な事情に秘められた歪んだ血統、不都合な歴史。大国主命や須佐之男命とは何者か。「八岐大蛇退治」「天岩戸神話」の真相とは。点と線を結び浮上する“父王殺し”“弟殺し”の事件と隠された深部。
感想・レビュー・書評
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おもしろかった
最初はあまりに自由な発想や、細部の話が積み重なる展開に全体像がよくわかりませんでした。これまでの記紀の知識が邪魔をしたかもしれません。
でも、2度目で全体像が、見えてきて、3度目は、それを確認しながら読む、
と何回か読み込むうちに、どんどん面白くなってきました。
えー、何でそこまで断言できるの
と言ったかんじの、論理の飛躍や、勝手な思い込み、と思えそうなところもありますが、逆にその分、ミステリーを読むのに近い面白さを与えてくれます。
歴史本としては、破格の面白さだと思います。
ここまでくるのに10年かかったようですが、神社に残る神々のいわれを、一つ一つ確認しており、根拠もそれなりにある。それらを組み合わせ大胆なストーリーを組み上げており、3度読むうちに、確かにそう見えてきました。
作者が今年たかいされたそうで、残念で、なりません。神々から託されてこの本を書き上げたところで、使命を果たしたようにもみえます。
誰かこの後をついでくれないかな。
きっと学会とかでは、全く無視されるんだろうな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10年の歳月を費して地道に調査して書き上げた本。読み応えがありました。古代日本の姿を見ることができました。
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歴史
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作者の高山さんは同い年生まれで知人の友人でした。(2013年3月にこの本を書きあげた後に病死されました)
で、本書は天津神・国津神の神話を覆す大仮説です。
まぁ、2000年近く前の話を10年間に渡るとはえ現在の神社仏閣への聞き取りと筆者の推理で解き明かしたものなのでほころびもあるのですが、ストーリーが面白いのでぐいぐいきます。
多少は記紀の知識があるほうが楽しいと思います。古代史にロマンを感じる人はぜひ。Kindle版もあります。 -
日本古代の歴史についての考察本は数多く出版されているが、この本もご自身が現地や各種の資料を元に独自の推論でまとめられた内容だ。ただこの本の特徴は、伝説の中でも特に姫神に焦点を合わせて書かれていること。著者の思い入れは十分に読み取れ、よくできている。今後の著書に期待が持てただけに惜しくも亡くなられたことは残念。
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実際には明治以前の歴史など見た人、生きた人などいないのだから、文献や絵画、映像資料などから垣間みる事しか出来ない。
ましてや1000年以上も前の事となると想像するしかない。
そのために各種資料から実像を探っていくしかないのだけれど、探求者の思想信条、社会的、政治的状況などから取捨選択したデータにより”結論”を導きだす事になる。
その結果、様々な論考が並列する事になるのだけれど、新たに加わったのがこの本の”結論”と言える。
いくつか筋が通らないと感じる仮定が見受けられたが、全体的には破綻のない”結論”へと導かれている。
「物語」として読む場合、この「破綻のない」という事が重要であり、その”結論”がどのように受け止められるかというのは読者次第である。
ホントの事は誰にもわからない。
皇室に「ホントの事は実はコレ」という文献があるとも思われない。
今後、データに基づくこの本の批評が出る事が楽しみだ。 -
作者の高山さんの10年に渡る取材、研究、考察の努力はすごいと思いました。
その努力、年月があってこそのこの1冊ということで、その努力は評価に値すると思います。
しかし、その結論というか、考察から得た結果は、・・・・?
どうでしょうか。
1つの考え方としてはわかりますが、少々無理矢理な気がします。
残念なのは、作者の高山さんが、急逝され、今後この考察をもっと深めていただくことができないということです。
高山さんのご冥福をお祈りします。