華の譜: 東福門院徳川和子

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103345350

作品紹介・あらすじ

二度と江戸の土は踏めぬ――。天皇家に嫁いだ家康の孫娘の生涯。秀忠とお江与の五女として生まれた和子は、大坂夏の陣以来続く不穏な空気のなか後水尾天皇に嫁ぐ。「徳川の血を引く天皇」を誕生させるという使命を一身に背負う和子だが、ようやく儲けた世継ぎの皇子が早世してしまい、幕府と朝廷の間に衝撃が走る。世の安泰に全身全霊を捧げた波乱万丈の生涯を描き切る傑作歴史小説。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代の女帝、明正天皇が
    どのようないきさつで即位されたのか
    初めて知りました。

    幕府と朝廷との軋轢。
    融和な関係に尽力した和子の生涯は
    波瀾万丈といえるものでした。

  • この人の作品は読みやすいし感情移入しやすい。
    きれいなだけではない朝廷の内部を嫉妬や憎しみをほとんど描写することなく朝廷内部を描いてくれているので嫌悪感なく無駄な時間、心のざわつきを受ける事なく読めるので充実した時間を過ごせれる。

  • 常に和子に近侍している梅が一体どうやって薙刀を習得したのか…とかいうツッコミはなしね(笑)
    将軍の娘で庭いじりが好きってのも面倒くさいけど、天皇に嫁してもそれで通すってのが、最早最強。

    織田信長vs正親町帝、豊臣秀吉vs後陽成帝、徳川家康vs後水尾帝の比較考察を、どなたかやってないかしらー。

  • 後水尾天皇というと隆慶一郎「花と火の帝」のイメージが強い。圧力をかけてくる幕府との駆け引きの火花散る物語から、鎌倉、室町から続く幕府と朝廷のかかわり方に興味を持つようになったのだった。
    その後水尾帝の皇后和子の立場、表立っては発言権のない女性の立場から、朝廷と幕府のせめぎ合いを読むことができて興味深かった。当時の女性は闘いの駒となるしかなくて、プレイヤーにはなれなかったけれど、プレイヤーの意図や場の状況を読み続けなければ務まらない。なんてタフなんだろう…。

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著者プロフィール

1953年静岡県生まれ。明治大学文学部卒業。1993年、『喜娘』で第18回歴史文学賞を受賞しデビュー。歴史に対する確かな目線と骨太のドラマを織り込んだ作風で着実な評価を得てきた。作品執筆の傍ら、2007年から東洋大学大学院で仏教学を学ぶ。2014年『捨ててこそ空也』で、第3回歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞。主な作品に『百枚の定家』ほか。

「2016年 『井伊直虎 女にこそあれ次郎法師』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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