これはただの夏

著者 :
  • 新潮社
3.84
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103510123

作品紹介・あらすじ

ボクたちは誰かと暮らしていけるのだろうか。『ボクたちはみんな大人になれなかった』の著者、待望の小説第二弾。青春は遙か彼方へ過ぎ去り、自分より好きだった人はもういない。なんとなく独身で、テレビ制作会社の非人道的な労働環境下で働いてきた夏、ボクにバグが起きる。その瞬間、手にしたかったものが目の前を駆け抜けたような気がした。「この切なさは事件だ」とネットと文学界をザワつかせた著者の最新作、切なさと事件はつづく!

感想・レビュー・書評

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  • 燃え殻さん、初読み。
    「これはただの夏」

    テレビ番組制作会社勤務で非人道的な労働環境下で働く四十代半ばまで独身のボクが主人公。
    仕事で関わった結婚式でボクと知り合ったのは風俗嬢の優香。
    その翌日に出会った同じマンションに住む明菜は母から育児放棄されてる小五の少女。
    末期がんで入院するのは仕事仲間のディレクターの大関。
    ふとしたことで知り合ったりした人たちとの交流を描く…
    ただの夏の出来事。


    三人で食べたチャーハン。

    区民プールの陽射しの暑さ、溶けかかったピノ。

    そんなんがいいんだよ!…と明菜から言われた手作り焼きそば。

    ためらいもなく泣かれたこと……。

    「ヒマそうに見えるっていうのは一種の才能だよ。褒めてんだ。じゃあな」と大関から言われたこと。

    「つまらないことを頼める友達が一人いたらいい人生よ。何でも話せる人がいたら万々歳よ…」
    読み終わりそんな言葉がいろいろ心に残った。

    〈これはただの夏〉
    ギュっと切ない気持ちになるけれど…
    愛しい日々…。
    忘れてしまうことはそれはそれで幸せなのかもしれない…
    夏から秋に変わる季節のグラデーションが苦手。
    あの物哀しさ…。
    特別ではない夏の数日間の物語。

    燃え殻さん、なんともいえない雰囲気…
    いい!

    • 1Q84O1さん
      チーニャさん
      燃え殻ワールドへようこそw
      燃え殻さんのなんともいえない雰囲気いいですよね(≧∇≦)
      エッセイ類もまたいいんですよ〜♪
      よかっ...
      チーニャさん
      燃え殻ワールドへようこそw
      燃え殻さんのなんともいえない雰囲気いいですよね(≧∇≦)
      エッセイ類もまたいいんですよ〜♪
      よかったらぜひ!

      なおなおさん
      チーニャさんも推してくれました!w
      チーニャさんのおっしゃるようにサラッと読めるのでよかったらぜひ!
      2023/09/05
    • かなさん
      チーニャさん、おはようございます(*^^*)
      燃え殻さんですか…
      皆さんも推されてるんですねぇ…
      そしてチーニャさんも、高評価となると...
      チーニャさん、おはようございます(*^^*)
      燃え殻さんですか…
      皆さんも推されてるんですねぇ…
      そしてチーニャさんも、高評価となると、
      う~ん、読みたいような…気がしてきてしまった!!
      読みたい本ばかり溜まってきてます(^-^;
      2023/09/06
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      おはようございます〜(*^^*)
      皆さん、コメントありがとうございます♪
      燃え殻さん、好きですよ〜
      エッセイも気になってます(^^♪
      おはようございます〜(*^^*)
      皆さん、コメントありがとうございます♪
      燃え殻さん、好きですよ〜
      エッセイも気になってます(^^♪
      2023/09/06
  • これはただの夏
    だけど、特別な夏 ー

    その夏、テレビ製作会社に勤めるボクは取引先の披露宴で知り合った女性・優香と一晩語り明かし、マンションのエントランスで別冊マーガレットを独り読んでいた小学生の明菜の面倒を見て、友だちのテレビ局のディレクター・大関から、ステージ4の末期癌が見つかったと告げられる。

    一期一会、という言葉が頭に浮かんだ。

    切なくも美しくて、どこにでもあるけど大切な夏の記録。

    一晩で読めます!

  • 『ボクたちはみんな大人になれなかった』を手にして読む手が止まらなかった
    この雰囲気好きだなぁ〜と感じました

    で、すぐさま燃え殻さん2作目を手にとってみました♪
    そしたら本作も止まらないじゃないですか!
    さらに、"この雰囲気好きだなぁ度"が増してます!

    あなたには、
    つまらないこと頼める人はいますか?
    なんでも話せる人はいますか?
    本当のことを話せる人はいますか?
    一緒にいて居心地の良い人はいますか?
    そんな人と出会えるといいなぁと思わせてくれる一冊

    しかし、そんな人たちともいつ別れが来るかわからない…
    突然に……

    きっと何度か読み返したくなるようなそんな作品です!

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      1Qさ〜ん、こんばんは♪
      私も燃え殻さん読みましたよ。
      1Qさんの推しの本、気になりました〜(*^^*)v
      燃え殻さんのこの本。
      よかった…...
      1Qさ〜ん、こんばんは♪
      私も燃え殻さん読みましたよ。
      1Qさんの推しの本、気になりました〜(*^^*)v
      燃え殻さんのこの本。
      よかった…。
      なんとも切なくて優しくて、ジ~ンとしました〜( ⌯'֊'⌯) ও⸒⸒
      ありがとうございました!
      2023/09/05
    • 1Q84O1さん
      チーニャさん、こんばんは♪
      燃え殻さん、読まれたんですね!
      わざわざコメントありがとうございますm(_ _)m
      ここからチーニャさんも燃え殻...
      チーニャさん、こんばんは♪
      燃え殻さん、読まれたんですね!
      わざわざコメントありがとうございますm(_ _)m
      ここからチーニャさんも燃え殻さんにハマってくれると嬉しいです(〃∇〃)
      2023/09/05
  • 燃え殻さんの本を初めて読んだ。テレビ局の制作下請け会社に勤める目黒在住の40代半ばの男性のひと夏。ホワイトとは言えない労働環境下で淡々と生活する様子がリアルに描かれる。ただ、仕事の話はほぼ出て来ず、仕事関係者や、仕事のつながりでたまたま出た結婚式2次会で知り合った水商売の女性、目黒のマンションの近所に住む半ば育児放棄された子供、などとの交流がメイン。特にその子供とモスバーガーで食べたフライドポテト、家で作った炒飯や焼きそばなど、食べ物の描写が印象的だった。それぞれがそれぞれの人生を生きていっている様子が誇張なく描かれているのが良かった。

  • 【DESIGN DIGEST】メインビジュアル『Zoff CLASSIC PLAY the CLASSIC』、商品パッケージ『GREEN1/2(グリーンハーフ)〈レモン〉〈グレープフルーツ〉』、書籍カバー『これはただの夏/燃え殻』(2021.9.3) | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
    https://www.mdn.co.jp/di/contents/4575/81455/

  • 燃え殻さんの小説に登場する人々はみんなやさしい。ただの夏の物語だけど、読んでいて自分の気持ちが軽くなる読後感。人によっては感じ方が違うかもしれないけど、少なくともロスジェネ世代にははわかる感じかも。燃え殻さんの小説やエッセイは中毒性があるな。

  • 感想
    儚いひと夏の思い出が過ぎ去るような感じ。と思うと正にタイトル通りの内容!

    TVの制作会社の僕は、仕事してるの?くらい自由すぎでは?

    あらすじ
    TVの制作会社の僕は、40代独身。結婚式の二次会で出会った風俗嬢の優香、ご近所の小学5年生の明菜、TV局ディレクターの大関と忘れられないひと夏を過ごす。そして、最後は誰も居なくなった。

  • 前作よりこっちの方が好き!
    話がキチンとしてたし、出会いと別れが一瞬過ぎて切なくなった。
    赤の他人だったのが、何がきっかけで知り合うかわからないし、
    どやどやみんな心の中に土足で入っておきながら、急に去っていくんかい!
    切な過ぎる~~~

  • 夏から秋にかわるグラデーションが苦手な気持ち、とてもよくわかる。
    出会って、関わって、特別になるのに、あっけなく去っていく。
    あのあとどうなったんだろうとか、
    あの子はどこへ行ったんだろうとか、知る由もなく。
    自分一人だけ取り残された気持ちになるけど、
    大人になればこんな出会いはいくらでもあることを、
    わたしはこの身で知っている。

  • ボクの日常は、嘘とままならないことで埋めつくされている。つまりそれはボクが生きているという証拠かもしれないが、それにしても、何もかもがチグハグで、取り返しがつかないことの連続だった。

    一生、女の気持ちがわからないまま死ねばいい。

    その人の見せる笑顔に気持ちの紐が解けたら、恋に落ちたと認定してもいいのかもしれない。

    今日のボクのラッキーアイテムは、おにぎりに違いない。しかもコンビニで売っているのではなく、人が握ってくれたものだ。最後に人の握ったおにぎりを食べたのは、いつだったろう。

    誰かが去った席は、次に違う誰かが座り、日々はつづく。誰が抜けても、日常はそう変わりはしない。

    人々が楽しんでいる最中に「この祭りはもうすぐ終わってしまう。だってこんなに楽しいんだから」と思ってしまう癖がある。淋しさの前借り、いや先取りをしてしまうのだ。

    季節が変わるように、月が満ち欠けを繰り返すみたいに、すべてが移ろい変わってゆく中で、ボクだけが変われなかった。

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著者プロフィール

1973年生まれ。小説家、エッセイスト。
2017年、小説家デビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』がベストセラーとなり、2021年秋、Netflixで映画化、全世界に配信、劇場公開された。
小説の著書に『これはただの夏』、エッセイ集に『すべて忘れてしまうから』『夢に迷って、タクシーを呼んだ』『相談の森』『断片的回顧録』がある。最新作は『それでも日々はつづくから』(新潮社)。

「2022年 『ココロギミック 異人と同人3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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