- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103530718
作品紹介・あらすじ
AIは人を幸福にするか? 自動化が進む中で、未来の労働は、自由意志は、人間の幸福はどうなる? 人は機械と一体化するのか、それとも動物に成り下がるのか――ライフスタイルの新潮流を探る編集者がアメリカ、中国、ロシアを現地取材し、トップ研究者、起業家、思想家51人に訊いた、AI発展後の世界と〈わたし〉の行方。最新の未来図がここにある。
感想・レビュー・書評
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AIを語ることは人間を語ること
AIが労働を支え労働時間が減少したとき我々の生活はどう変化していくのか -
機械化が進んでくると単純労働はどんどん無くなっていくから遊びが大事になってくる
頭の良い人はそういう答えになる人多いけど必然なんだろうな
WIRED.jpの連載の書籍化だから様々な情報がまとめられてて面白かった -
雑誌編集などを手掛ける著者が、AIの研究者・起業家・社会学者たちに対して、「AIはこれから社会をどう変えて、人々はどう向きあっていけば良いか」をテーマにしたインタビューを通じて様々な視点での論考をまとめた一冊。
タイトルにもある『動物』とは、AIによるリコメンデーションによって自動的に選択肢が与えられ、無意識にそれを受容して自分の欲求を満たしていく状態のことを、端的に表した言葉。
社会機能の多くの部分をAIが担うようになり、ベーシック・インカムのような制度が実装されれば、必然的に人間の労働時間が減少して、単に己の欲望を満たすためだけの存在になることが危惧される。
結局は人間自身がどうありたいか、どんな社会を築いていきたいかを考え抜くしかないのかと感じる。
AIを生み出すのは人間であり、それを利用するのも人間であるからには、自分たちがそのテクノロジーの影響をもっと考えていく必要がある。おそらく、それほど社会的にインパクトのあるテクノロジーである(になっていく)ことは間違いない。
国内外の様々な立場にある専門家の考えがのっていて、これからのAIとの付き合い方を考えるには良い一冊と思う。 -
AIに関する動向を丹念に調査して、的確なコメントが満載の好著だ.中国の深圳で一線の研究者との面談が出てきた段階で彼らの動向に圧倒されたが、日本にも鋭い視点を持って研究している多くの人の紹介があり、ほっとした感じだ.シンギュラリティに関して、AIを追及するとどうしても人間の脳の働きとのリンクになるが、脳自体のことは未だ良く分かっていない.従って、汎用型AIはここ数年で出来上がるようなものではないようだ.多くの人が出てきたが、日本人だけをリストしておく.下地貴明、山崎はずむ、山本龍彦、大屋雄裕、成原慧、徳井直生、金井良太、渡辺正峰、松尾豊、稲葉振一郎、井上智洋、東浩紀、山極寿一、森田真生、津田一郎、石田英敬.
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アマゾンからお勧めがあった時に妙に哲学的なタイトルに惹かれてポチりました。編集者を生業とする文系の著者が米国、ロシア、中国、韓国そして日本の研究者や起業家にインタビューしながら人工知能とは何か、どのような役に立つのかを解き明かします。「人間の意識を機械にアップロードする」ことを掲げた起業家、「AIは意識を持つことが可能になる」と断言するシンギュラリティ大学のCEOなど興味深い話が満載です。歴史や哲学そして文学などからのもちろん読んでるよね的な引用がやや鼻につく感じもしますが、とてもワクワクしながら読めました。GAFAなどの言いなりにならないユザーの側に立ったAIエージェントってマジで必要ですね。
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各分野でぜひ話を聞いてみたいキーパーソンを人選し、その取材を直接あるいはリモートなど手法を駆使して実現、未来へ向けた問いへの旅として、確かな編集の力でまとめられており、感服です。読み進めれば進めるほど、この企画とそれを実現しまとめる力がうらやましくなります。この本のおかげで私も好奇心を満たし、視野を広げ、また整理する旅に一緒に出れた気分です。
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AIを考えることで、人間とは本質的に何なのか、どうするべきなのかという点について、様々な知識人の考えを横断的に俯瞰しながらまとめた著書。
人間は人生経験を持っていて、機械は持っていない。そのことから機会に主観的判断をさせることは難しいとあった。もし主観や自律性というものが意識と同じように無意識の行った脳の判断に対する幻想だとすると、主観的判断というのは過去の経験に基づいてトレーニングされた無意識のネットワークの出した答えに過ぎないのかもしれない。
インターネットに『つながらない』ことが贅沢であり、幸福なことだと言われることがあるが、それはAIやSNSの発展が、<わたし>を評価し相対的に決定づけるサイクルが加速することで、本当の<わたし>が希薄になっていくことを『不幸』として捉えることで、わかりやすく説明ができそうだと思った。