カラスは飼えるか

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103532514

感想・レビュー・書評

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  • 作者のカラス愛があふれた1冊
    表題とは少し離れた内容が主だったが
    興味深く読み進める事ができた。
    頭に最も残った事がカラスの味かも!!

  • カラスの研究者のよるカラス研究エッセイかな

    カラスについてへーと思うこと多数

    文章も面白い

  • 屋上に洗濯物を干しに出たら、カラスがマヨネーズのチューブにくちばしを突っ込んで格闘中、ドアを開けたら振り向くカラスと目が合って、お互いがビックリ‼️
    その日から、カラスの復讐?が始まりました

    外階段にキッチリ並んだ折り鶴蘭の葉先、
    3センチ程にちぎられた葉先が5~6枚横並びに階段に!
    え?何?と足を止めて見ると、下の階段の踊場と門を行き来するカラスが、こちらを見ているし。
    あれ?階段の手すりに飾ってある折り鶴蘭?見ると葉先がちぎられた跡が!
    えー‼️なによー!と叫ぶと、ピョンピョン嬉しそうに跳び跳ねるカラス。

    3日程で止んだけど、カラスが葉先をちぎって、一枚づつ並べている姿を想像すると、可愛いやら、おかしいやら。
    カラスの思考が知りたくてへ、この本を読みました。

  • この本は、タイトルにある「カラスの飼い方」の本ではありません(そもそも野鳥は飼ってはいけません)。さまざまな鳥を題材にしたエッセイとなっています。しかし、どんな鳥や文化、歴史の話をしていても、気が付けばカラスが出てくる内容に、著者のカラス愛が伝わってきます。巻末にあるカラス情報も圧巻です。

  • カラスが人気ないのも知ってるし、何なら嫌われてるのもわかってるけど、それでも好きなんだ!悪いか!って感じの本。
    この方の本はだいたい読みやすくて楽しいから好きです。

  • ニュートラルな立ち位置からの分析や理解が大事。

  • カラスの本ではなく、カラス好きの人が書いたカラスのことも載っている本です。

    線路に置き石したカラスが話題になったことがあるが、あれはイタズラではないそうだ。
    線路の石の下にエサを隠してあって、取り出すのに石を退ける際にちょうど良い置き場所があったから置いただけとのこと。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/479063881.html

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    脳内がカラスなもので/1章 フィールド武者修行/2章 カラスは食えるか/3章 人気の鳥の取扱説明書/4章 そこにいる鳥、いない鳥/5章 やっぱりカラスでしょ!/付録ーカラス情報

  • 著者は、京都大学卒、カラスの行動を専門に研究している教授。
    さて、この本の面白いところは、カラスの行動を一般の人にもわかりやすく例えて
    解説してくれるので、カラスをとても身近に感じる素晴らしい本である。

    私が過去経験した2件のカラス騒動もこの本を読むことで理解できた。
    先ず1件目は、カラス糞を肩に落とされちゃった事件。
    それは、朝早い通勤途中の都心部の歩道でのこと。
    偶然、電線に止まっているカラスに気が付かずに下を通っていたら、
    カラス糞が肩に直撃、『うわー、スーツが臭いよ~』と大騒ぎ。
    幸いシミは落とせたので、その後、使用できたが、あれにはまいった。
    本書では、その解説として、決してカラスは狙っていないが、
    電線から飛び立つ時とか、下に人間が通過したときに、少し緊張するみたいで
    それで、糞を落とすことがあるらしい。まあ、運(フン?)が悪かった。

    そして、二件目が怖かった。
    同じく朝の通勤時間。ゴミ置き場の近くを通過した時に、
    後方から羽ばたきの音がしたと思ったら、なんと、カラスが足でキックしてきた。
    これにはビックリした。少し頭をかすめて、声を出してしまった。
    その原因を本書では解説している。
    カラスの雛が近くにいた、可能性がある。
    臆病のカラスだが、雛も守るために攻撃してくることがあるらしい。

    この2つの事件を解説してくれた、本書はカラス好きには
    たまらない本であることは間違いない。
    カラスの行動が少しでも気になる人にはオススメの本である。

  • 動物行動学の専門家による、カラスの話。Web上で発信していたコラムを本にまとめたものであるが、カラスに限らず、ブタやニワトリ、フクロウなど鳥類を中心に、いくつかの動物について述べている。自らの観察を中心とした深い研究に基づいており、面白く読めた。著者はカラスをいとおしく思っており、とかく嫌われがちなカラスの行動を一生懸命擁護する文章が、印象的であった。

    「(ニワトリは木の上で寝る)ニワトリは夜になると木の枝に向かってバタバタと飛び上がる。ニワトリは飛べないと思うだろうが、翼をばたつかせれば、高さ1、2mはジャンプできるのだ。これはなかなか、侮れない能力である。少なくともイヌでは手出しできない高さまで簡単に行ける。もちろん石上神社に捨てられたニワトリの中には飛べない個体もいたのだろうが、多分、あっという間にイヌか何かに食われてしまって、飛べるやつだけが残っているのだろう」p30
    「豚の生理機能は人間とよく似ているため、豚の病原体や寄生虫は人間の体内でも生きられるものが多い。つまり人間にもうつりやすい」p36
    「ニワトリの埴輪が出土するから、古墳時代に既にニワトリがいたのは確かである。日本最古のニワトリの骨は、弥生時代のものだ。だが、骨が出土する例が、あまりないのだ。普段から食べているものならば、かならずその骨が残る。大名屋敷の台所跡から発掘された骨を調べれば、どんな鳥を食べていたかわかるくらいだ。骨が出ないということは、ニワトリを食べていないのである」p38
    「先ほど挙げた人気のある鳥の条件を考えてみよう。きれいで、賢くて、社会性があって、動作が面白くて見ていて飽きないといったところだった。カラスの独特の光沢が美しいのは、女性の艶やかな黒髪を「カラスの濡れ羽色」と呼ぶのを考えればうなずけるだろう。知能の高い鳥であることも疑うべくもない。集団性なので社会的な適応力もあるだろう。カラス特有の匂いだってちゃんとある。油っぽくて埃っぽくてちょっとカビっぽい匂いだし、正直に言えばカラス特有ではなく大型の鳥はだいたいあんな匂いだ。それなのに、なぜこうもカラスは愛されないのか。インコさんを愛する人はたくさんいるのに、カラスさんを愛する人はなぜ少数派なのか。これは永遠の謎としか言いようがない。カラス、かわいいのに」p89
    「(韓国におけるカササギ(カラスの仲間)の待遇)正月にはカササギのためのご馳走をちゃんと皿に盛って置いておく風習もあると聞いた。さらに、庭の柿が実っても「全部取ってはいけない、カササギのために残しておきなさい」と言われるそうである。なんたる優しさ。日本におけるカラスの冷遇ぶりと比べると泣きそうになる」p109
    「(安定同位体比)動物が何を食べているか知る方法はいくつかあるが、その中に安定同位体比を用いる方法がある。安定同位体というのは、同じ元素でありながら重さが違う、という存在だ。動物の体内にある炭素、窒素の同位体比を調べることで、大もとの炭素の出どころが森林なのかトウモロコシなのか藻類なのか、あるいは食物連鎖の中でどのあたりの地位にいるか、を推定することができる(安定同位体比からは、北海道のカササギは犬や猫用のペットフードを多く食べている)」p112
    「(鳥は恐竜と同じ)スズメは青虫を捕まえると嬉しそうにビッタンビッタンと道路に叩きつけてペッチャンコにし、中身だけチルチル吸っていたりする。カワセミは暴れる小魚の尻尾をくわえ、力一杯振り回して枝に脳天を叩きつける。そしてカラスなら、相手が動かなくなるまで首筋をつついて、最後は頭を引きちぎる。(恐竜がいれば、人に同じことをするはず)」p120
    「台風が過ぎると、ここぞとばかりに出かけてゆく人種がいる。1つは化石屋さんで、出水で崖がえぐられると新たな化石が顔を出していることがあるからだ。もう1つが、バードウォッチャーである。台風は南方海上から強烈な風とともにやってくる。この風に巻き込まれてしまった鳥は、当然、本来の進路や生息域を外れ、吹き流されてしまう。そして、ついに日本に到達することもある。というわけで、台風直後は珍鳥を見るチャンスなのだ」p130
    「カラスを追い払うのに、音楽CDやらカラスの模型やらをぶら下げてもあまり役には立たない。一番効果的なのは、その場に人間がいて、カラスに目を向けていることだ。カラスは自分が見ているものや、自分の動きに反応するものに敏感である。人間のような大きな動物が自分を追って視線を動かしている場合、「自分は狙われている」と判断する。カラスに挨拶したらゴミを荒らされなくなったという話があるが、あれは多分、「うわ、こいつ毎朝、俺の方を見てやがる」と警戒したせいだろう。そういうわけで、何日かじっと、カラスを見続けてみよう。カラスの方は、横目でチラチラとあなたの動きを窺いながら、電柱に止まって羽づくろいをしたり、雛にかいがいしく餌を運んだり、それ以外にも、思いもよらない光景をいろいろと見せることがあるはずだ。カラスは悪だくみはしない。すべては野生動物としての自然な行動なのだ」p207

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著者プロフィール

1969年、奈良県生まれ。東京大学総合研究博物館特任准教授。
京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科博士課程修了。
理学博士(京都大学)。専門は動物行動学。
著書に『カラスの教科書』『カラスの補習授業』(雷鳥社)、『カラスと京都』(旅するミシン店)、『カラス屋の双眼鏡』(ハルキ文庫)、『カラス先生のはじめてのいきもの観察』(太田出版)など。

「2018年 『鳥類学者の目のツケドコロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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