最後に「ありがとう」と言えたなら

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 104
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103542612

作品紹介・あらすじ

死は別れではなく始まり――4000人以上を見送った納棺師が思わず涙した家族の物語。なくなった夫に頭をなでてほしいと願った妻。姉弟が覚えているお母さんのいいにおい。お気に入りの洋服を着て何度もだっこされた小さな“なきがら”――故人を棺へと移す納棺式に、ひとつとして同じものはない。生と死のはざまのごく限られた時間に、家族は絆を結び直していく。ベテラン納棺師が目頭を熱くした宝石のような実話集。

感想・レビュー・書評

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  • ベテラン納棺師のお別れの実話

    一話目で、涙が溢れそうになり
    これは読んではいけないやつかと思ったが、その後泣いてしまうようなことはなかった。

    ひつぎ、柩と棺の違いを知った。
    中身が空だと棺
    ご遺体が入ると柩

    納棺師さん、私は黙々と仕事をする人だと思ってたけど
    こんなにも、ご遺族に寄り添ってくれる人もいるんですね。

    ご遺体を見た時に、体が思わぬ方向を向いてても声を出してはいけないのにムカデが体を這った時に声を出してしまったというとこに、ちょっと笑えてしまいました。

  • 納棺師本=ジーンとくるヤツという予想通りの心を養う本。湯灌、着替え、化粧、納棺するという単なる儀式ではなく、故人と送る人とが対話する場と時間をつくるもの。自分の時は何入れて欲しいかではなく、何を入れて送り出してくれるのだろうと考える方がいいのか、たしかに。もし大切な人に看取る・看取られる場合は、最期になんて言うんだろう、ありがとうって言える・言ってもらえるのかなぁ。
    10冊目読了。

  • 人は死んだらどこに行くのか。
    それを考える時、私の中でこんな映像が浮かびます。
    ひとつの命が、花火のようにパッと散ってたくさんの欠片になり、自分を思ってくれる人の中に飛び込んでいく。
    その欠片を受け入れてくれた人の心は初めのうちはズキズキ痛むけれど、欠片は時間とともに溶けてその人の一部になっていく。

  • 冷たくても夫の手で、もう一度だけ頭をなでて欲しい、というお話は、刺さりました

  • 4年前に99歳で亡くなった曾祖母を思い出しました。もっと会いに行っていればよかった。火葬する前は気持ちが溢れだしそうで、怖くて、顔を見ることが出来なかった。何度も家族に隠れて泣いて、今でもすごく会いたい。話したいことが沢山ある....結婚式見せたかったな

  • 大切な人を見送るとき、納棺師にきれいに整えていただくことで救われる人は多いと思う。悲しんでばかりもいられない慌ただしいときに、少しでも落ち着ける時間、それが納棺式だと思う。技術ではどうしようもないことがあることも知ることができた。これから必ず迎えるその日には、なるべく元気な頃の面影を思い出させるように仕上げてくれる納棺師に出会いたいと思った。

  • 当然ですが、ストーリーはオール別れのシーン。ちょっとヘビーです。自分を含め、思い残すことのないラストにしたいと思えました。

  • 短編集のような感じ。期待していたより感動は薄い。
    死と向き合う素敵な職業だな、と思うし、医療職と似た者を感じた。

  • 納棺師の短編エピソード集。
    葬儀は思い出を振り返って区切りをつける場所。

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