怪談小説という名の小説怪談

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103546412

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。
    ほとんど読んだことがあるものだったが、「こうとげい」がまた読めて嬉しい。

  • 買ってよかった

  • 913-S
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  • 2022年12月30日読了

  • 面白かった。どれも好き。
    短編で読みやすかった。

    「高速怪談」
    読んだことあるなと思ったら、アンソロ収録で読んだことがあった。しかし、オチは忘れていたので、主人公と一緒になってビビってた。おかしな話でも、現実的に有り得るような筋を付けて説明が出来る方向に持っていって、それが、ミステリーのようで面白かった。
    そして、最後の最後にオカルトオチ。

    「笛を吹く家」
    これは精神的ダメージがえぐかった。おかしいなとは思ってたけど……辛い。そして、実際の事件を持ち出すところもさらに辛い。

    「苦々蛇の仮面」
    面白かった。人じゃなくて怪異オチなんだろうけど、それが起こるのもむべなるかな。

    「こうとげい」
    これも面白かった。姿形が変わっても中身は変わらない。
    99段の階段って長過ぎだと思う。
    出された飲み物食べ物はなんの暗喩だったんだろうな。人由来の味ではなく??そこはわかんなかった。

    「うらみせんせい」
    これも違和感あったけど気づけなくて悔しい。
    グロくて面白かった。

    「涸れ井戸の声」
    噂をたどる感じが面白い。

    「怪談怪談」
    怪談の怪談?怖さはあまり。ちゃんとフリがあって、オチが付くけど、ここで終わるのか。いや良いけど。

  • 「こうとげい」こういう土着系の、理由は分からないが昔からいるもの、の話が好き。

  • 怪談としてはしっかりと盛り上げ上手。ただ残念なことに、どれもこれもオチが怖くなかった。
    2篇ある叙述トリックはどうにもわざとらしいし、全体的に作り物めいて肌に来る怖さがない。「苦々陀の仮面」のいろいろな表現媒体を集めた作風など、技法的には好きなはずだがまったく怖くない。「涸れ井戸の声」も「ああ才能が涸れるのね」みたいな解釈ができてしまうだけ不気味さが減る。創造的な人なら怖いのだろうが心霊的な怖さではない。

  • タイトルに引かれて読んでみた。深夜の高速道路を走る車内での怪談会、子連れで散歩中に遭遇した事故物件の家、夕暮れの学校に現れる幽霊、断筆した先輩作家から預かった語ってはいけない小説、新婚旅行で訪れた高級リゾートホテルでの恐怖体験・・・どれも面白いシチュエーションだが、展開が唐突過ぎて、なじめなかった。グロテスクな描写があったり、ひとすじ縄では理解できない作品ばかりで、自分には合わない小説集だった。
    前後関係がすっきり分かるなかで、心理的にゾクッとするようなホラー作品を期待したが、狂気が前面に出て、ストーリー性は二の次にされており、宛が外れた。
    かなり、癖のある作品ばかりだった。

  • 怖いのとグロ系のと、精神的に来る系のと。
    短編は救いがなくて苦手かもしれない。

  • 独立したホラー小説短編集。これだけで読める。
    それぞれ別の作家が書いたアンソロジーなんじゃないかと疑ってしまうほど、ジャンルが異なる短編が集まっていてお得な気分。
    「高速怪談」は、高速道路を走る車の上、というある意味逃げられないクローズドサークル内で乗っている人が一つ一つ怪談を語っていく語り物。なんだ、やっぱり人が怖いのか、と見せかけて最後のオチで驚かす。
     「笛を吹く家」と、「うらみせんせい」は最後でどんでん返しをする叙述トリックみたいな感じ。「うらみせんせい」はスラッシャーものなのかもしれない。少しだけ刺激的な文章はあるが、そこまでグロくは無いと思う。
    「苦々陀の仮面」は、とある映画についての雑誌の記事やブログ、インタビューなどを読んでいくにつれ話が進んでいくという珍しい形式。新鮮で良かった。
    「こうとげい」も民俗学ホラーっぽくて良かった。
    個人的に一番好きなのは「怪談怪談」。怪談とは何か?幽霊とはなぜ出てくるのか?怖がらせない霊もいていいのではないか?という作中の問いかけに呼応するように、怖いというより少し悲しい、でも後味の良い話なのが良かった。これまで読んできた話はあまり後味が良くはなかったのも関係しているかもしれない。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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