- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103631118
感想・レビュー・書評
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1.この本を選んだ理由
人気がある作品というだけで選びました。
8050問題を知りませんでしたが、小学校や中学校の不登校が身近にもあり、不登校問題は難しい問題であるのは認識していました。
2.あらすじ
14歳から7年間引きこもりの子どもがいる家族が、あるきっかけを機に子どもと向き合っていく。今まで知らなかった引きこもりの原因が見えてきて、その環境を変えるために、前に進んでいく。
3.感想
引きこもりの子どもがいる家庭のお話でした。子どもの同級生にもいて、小学校も中学校も、今では当たり前のようにいるようです。ほんと、どっちが先かわからないけど、両親もうまくいかないケースが多い。ほんと、なんとかならないのかと思ってしまう。
この作品では、親父が悪いだろっと、思ってしまう。でも、一番悪いのはいじめたやつ。ほんと、いじめはダメだね。
4.心に残ったこと
怖しいという表現が多く出てきた。
恐ろしいではなく、怖しい。
「恐ろしい」は客観的な表現であり、「怖ろしい」は主観的な表現とのこと。なるほど…
5.登場人物
大澤正樹 歯科医
大澤翔太 息子 引きこもり
大澤節子 妻
大澤由依 長女
石井友也
安田春子
大村百合子
堀内真司 翔太友達
野口啓一郎 由依彼氏
小野奈津子 節子友達
高井守 弁護士
槙原祐子 弁護士
寺本航
佐藤耀一
金井利久斗
益田好之 -
歯科医院を営む大澤家の長男は中学の頃にいじめに遭い、それから20歳を過ぎる7年間ずっと引きこもりだ。
このままでは、自分が医院を閉めるまで引きこもりが続いていくのでは…と。
いじめの原因となった3人を見つけ、裁判をおこすことに決めるという話。
現実、何十年と引きこもり続けて親が80代で子は50代という家族が不思議でもないくらいに増えてきている。
そうならない為に…という内容ではあったので幾分か救われた感があった。
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8050問題(80歳の年金暮らしに50歳の引きこもりがパラサイトするという社会)を題材に親子の絆を描いた作品。短編小説で引きこもりを扱ったものはいくつか読んだ事あったが、ここまでガッツリ、リアリティある作品は初めてだった。とても読みやすくスラスラ読めるのが特徴で単行本で400ページ弱でしたが、一気読みでした。
冒頭は社会問題だけに俯瞰的に他人事のように感じていたが、実際にあった元上級官僚が引きこもりの息子を殺害した事件を取り上げたりと、もしかしたら明日は我が身なのではという恐怖感も途中から味わえた。
トリックや伏線といったテクニックよりも構成、読みやすさを重視しているようで、とても良作だった。
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8050問題ではなく、正しくは5020問題だった。それも、中学時代のイジメから不登校になりそのまま22歳まで引きこもりとなった息子が、7年前にイジメた相手に対し父親と訴訟を起こす話。男親と女親の認識の違い、姉の視点、裕福だからこそ出来る裁判、現実はこんなに綺麗じゃないよなと思いながらも、父親が最後まで見放さなかったのは意外だった。イジメの主犯格が胸糞悪かったけど、翔太の弁護士の高井さんが素晴らしい仕事をしてくれた。誰かの心を殺すことも殺人と同じ。
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テーマは重いものですが、小説としてはとても面白くあっという間に読みました。
家族が引きこもった時、自分はどういう対応ができるのだろうかと考えさせられました。
第三者的立場なら、『本人と対話しながら寄り添って…』など言えるけれども…
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翔太を信じて一緒に戦った父親、かっこよかった。
最後の裁判場面で、なかなか表現出来なかった翔太の思いが溢れ、後半は引き込まれるように完読。 -
もっと暗い話と想像していたが、このまま8050になってしまわないように向かい合っていく姿が描かれていたので、いじめがテーマの辛い話ではあったが、前向きな作品で良かった。